第158話 致命的な判断ミス
「・・・なら跡形もなく消し飛ばしてあげる・・・」
そう言うと空を飛び、質量を持つ音符の弾丸口から放つ。
「・・・ファァァァアア!!!・・・」
【こんなもの】
クリフォトは飛んでくる弾丸を周囲の鏡を破り能力で破れた破片を浮かせるとムーンに目かけて投げつける。
破片は弾丸を貫きそのままムーンに向かってくる、その破片を前にムーンは避ける様子を見せず、大きく口を開き飛んでくる破片を全て吸いこんだ。
「え?」
〔食べた〕
「・・・レェェェ!!!!・・・」
【ほう】
そしてその吸い込んだ破片と同時に衝撃波と音符の弾丸を同時に放つ、クリフォトはそれを破壊する体制に入ったが太一とトロスが攻撃を溜めている事に気づき作戦を変える。
〔インフェルノトロス!!〕
「スターブラスト!!」
クリフォトに太一とトロスの攻撃が放たれ、2人の光線はクリフォトに向かって突き進む。
しかしクリフォトは自身の真上に鏡を生成し、ムーンの攻撃は鏡の中に入り込み、防いだクリフォトは太一達の攻撃を受け流す姿勢を取る、しかし
「・・・そう来ると思ってた・・・」
ムーンが指を パチン と鳴らすと破壊されて地面に落ちた音符が再生し、クリフォトの両手両足に纏わり付き、音符の手錠が出来上がりクリフォト拘束する。
【小癪なり…】
「・・・そう、お似合いよ・・・」
「くらえええ!!!!」
拘束されたクリフォトは防ぐこともできずに直撃する。
「はあ、はあ、ど、どうだ」
〔直撃だぜ〕
〔エネルギー低下 エネルギー低下 活動限界のため機能を停止します〕
スーペリアからその様な音声が鳴り、太一は仕方なくスーペリアとブリーディングエッジをカードに戻す。
攻撃に地面が抉り取られ、その穴を大量のゴミが埋め尽くす、先程の攻撃にひとたまりもないと思いたかったがゴミの中から小さな笑い声が響き渡る。
〔っちあいつ…〕
「ダメだ、ぜんぜん倒せる感じがしない」
「・・・久々に無理ゲーをやってる感じがするわ・・・」
ゴミが舞う戦場で金色の人影が太一達の目に映る。
「・・・不死身なのあいつは・・・」
〔もう無理だな万策尽きたぜ オメガレインでも倒せる気がしない 初めてだこんな気持ちは〕
「まだだよトロス、叔母さんが来るまで耐えるんだ」
「・・・そう言えばあの人は何してんの、戦力は多いに越したことはないけど・・・」
〔あいつを封印できる奴を呼びに行ってるぜ〕
「・・・はあああ!!ちょっとそう言うのは早く言いなさいよ・・・」
「ご、ごめん」
「・・・つまり来るまでおさえればいいのね、なら・・・」
ムーンは少し飛んでゴミをどかしながら立ち上がるクリフォトの真上を取ると、超低音の咆哮を喰らわれる、その咆哮は重量が10倍にも重くなったようにクリフォトを体を押し潰す。
【ぐっ、これは・・・】
「・・・ドォォォォおおおおおおお!!!・・・」
「超全集で見たよあの技、特殊な衝撃波で相手の動きを止める技、あれならあの怪物を止められる」
地面が多きく揺れ、巨人同士の拳のぶつかり合いは周囲の窓を全ての割り、無断駐車していた車を吹き飛ばす。
「くっ・・出来のいい偽物だ、パワーまで同じとは」
少し様子を見ているヘンリーに向かって突撃してくるフリーを縮小して回避し、避けられたフリーは勢いそのまま後ろのビルに激突し、隙だらけの背中に巨大化したヘンリーはとんかつ屋の前に置かれた液晶テレビを掴んでフリーに叩きつける。
さらにハマって抜けないフリーの急所を思いっ切り蹴る、しかし痛がる様子はない
「痛覚がないのか、少しやりずらいな」
フリーはビルを破壊しながら抜け、ヘンリーをにらみつける。
「どうした来ないのか」
そんなあからさまな挑発に乗り、フリーは考えなしに突っ込むがヘンリーは足元の車をフリーの足下に入るように蹴り、車は狙い通りフリーの足元に入り込みそれを踏みつけたフリーは態勢を崩した。
その隙を見逃さず、そこにヘンリーは腕を伸ばして走り出し、その勢いでフリーの首に腕をひっかけながら幅跳びのようにジャンプしてフリーを地面に叩きつける。
いわゆるジャンピング・ネックブリーカー・ドロップ、フライングスリーパーとも呼ばれるプロレス技を完璧な形で決める、詳しく知りたい場合はジャイアント馬場で調べるといい。
完璧なフライングスリーパーを決められたフリーが動き出さないうちに股下に頭を通し肩車で持ち上げる、そして電線に向かって肩車したフリーを叩きつける。
「しゃああああ、決まった」
「・・・・」
「どうだ、何とかいってみたらどうだ」
さらに追撃として交通看板を引き抜き突き刺そうとしたヘンリーに対してフリーは近くの神社の鳥居を引き抜き投げつける。
「くっ、こいつ」
少しのけぞったヘンリーの腹を蹴り、立ち上がるフリーはヘンリーが落した交通看板でヘンリーの頭をぶん殴り、痛みを感じるヘンリーが苦しんでいる隙に突撃し、半壊しているビルに突き飛ばす。
「ぐっ・・この・・」
何本かの骨がへし折れ動けなくなっているヘンリーにドロップキックを決めようと突撃するフリーだったが、ヘンリーの装置がヘンリーの意思も聞かずに強制的にヘンリーのサイズを元のサイズにサイズに戻し、フリーは間抜けな形でビルに突き刺さった。
「くそ・・骨が・折れてる、だから・・なんだまだ私は」
そう言いながら巨大化するスイッチを押すが何の反応もない。
「なに!?おい、動け・この・・」
ヘンリーが慌てているなかフリーはビルから抜ける。
「まさか、フリーサイズ分子が底を尽きたのか」
ヘンリーは物のサイズを自在に変える不思議な分子が入っているケースを取出し残量を確認すると、ケースに空で何もなかった。
「こんな時に」
ヘンリーは自分の分身が出てくることを予測できず、クリフォトを相手に使い過ぎたことを後悔するももう遅い、まあ普通に考えれば自分の分身が出てくるとは思わないだろうし仕方のないことではある。
しかし仕方ないで落ちるのが自分の命なら幸運の方だ、実際に落ちるのは他人の命である。
ビルから抜け出したフリーは足元のヘンリーには目もくれず、大きなタワーに目を向ける。
「まさか!!おい、やめろ!!この!!」
ヘンリーの叫びも聞かずフリーはゆっくりとタワーに歩き出す、そのタワーの前にはピッカラ達が居る会場があり、タワーを目印に逃げてきた人達が集まっていた。
どうも左目がピクピクしている作者です、ピクピクと言うより殴られて膨らんでいるような感覚がずっと続いている感じですね、おそらく糖尿病の初期症状なので本気で食生活を考えないとまずそうです。
さて、風痛に加え糖尿病で早死にしそうな雰囲気が出てますが今回は…今回は…と、特に書く話がありません、書きたい話は設定集に書いてるので特に書くことはないんですよね。
と言うことで体の調子もドチャクソ悪いので今回はここまで。