第154話 邪悪の樹
ある男の宣戦布告とも取れるメッセージがあったものの、真琴以外の誰も男の正体に気づくことはなく平和な時間が続き会場は盛り上がりを見せていた。
イベントは配信されておりその配信の接続数は夏休みだということもあり50万人と言うとてつもない接続数をたたき出していた。
そんな状態のなか周囲でか鏡が蜃気楼のように歪む怪事件が起きていたが、そんなことも知らずに凪達はイベントを楽しみ盛り上げていると・・
【次のお電話は赤髮のプリンスさ・・】
ドカーン と遠くで爆発音が鳴り響き、正面のパネルが倒れ椅子に座っていた何名かが倒れるほどの強い揺れが会場全体に伝わる。
「うわああああ ななななに!!」
「大丈夫か皆」
「うん大丈夫です、だけどこの揺れは一体」
【な、え・・まじで何この揺れ、地震?】
【緊急地震速報は出てないチンゲール・・】
「明らかにただ事じゃないな」
「どうする?調べに行く?」
「行くにしても…お客さんの安全を確保しないと」
「なら僕に任せて、来て クトゥ ピーポッポ ネコ太郎」
太一はカードを3枚取り出すとカードに繋がる世界からモンスターを召喚する、イカのようなタコのような姿をしたクトゥとただのハトのピーポッポとただのネコのネコ太郎を召喚する。
〔ポッポ〕
「あ 本当にただのハトなんだ」
「クトゥ ネコ太郎進化」
さらにクトゥとネコ太郎に力を注ぎ進化させる。
「ポッポは空から危なそうな人を探してクトゥとピーちゃんに教えて、クトゥとレオとピーちゃんはここを守って、ピーちゃんは」
〔わかっています、ここの指示はお任せてください、命に代えてでもここを守護します、グラウストご主人様はまかせましたよ〕
〔まかせて〕
「お願いピーちゃん、皆ここは大丈夫だから行こう」
「な なんか」
「成長したな・・叔母さんなんだか涙が」
「2人ともふざけてないで行くよ」
凪は飛べない太一と飛べるけどそこまで高く飛べないグラウストを落とさないように強く抱きしめながら空を飛び、真琴と穂乃花は少し戸惑いながらも凪の後をついて行き空を飛ぶ。
先程の揺れで出店のテントが倒れ、アスファルトにはヒビが生じ、窓が割れたりなどの大惨事が広がっていた、しかしそれが気にならないほどの物が凪の目に入る。
それは高速道路越しにある庭園の風景が割れた鏡のように歪んでいたのだ。
「な、なにあれ」
「割れた鏡みたい、空も地面もバキバキになってる」
「なにが起こっている、なんかの能力者が暴れたのか」
[いや・・違うあの中心から膨大な魔力を感じる、かなり危険な魔力だよ]
「魔力?幹部の人達が何かしたの」
[あいつらじゃない、それにこれ…スカルすら遠く及ばないほどの魔力を感じる]
「え ええ…それってスカルよりやばい奴があそこにいるって事」
[断言はできないけど、覚悟しないとまずそうだ]
「わ、わかった」
美しくも恐ろしく異質な光景に凪は固唾を飲み込み覚悟を決め、おかしな空間に突っ込む。
空間の内部には地面を埋め尽くすほどの大量のゴミで埋め尽くされており、空中には大量の鏡が宙を浮かんでいた、そのすべての鏡が景色を反射せず蜃気楼の用に歪み、何個かの鏡の中からゴミがあふれ出ている、そんな異質な光景が広がっていた。
「・・・な、なにこれゴミと鏡?」
「ゴミだらけ 昔の私の部屋よりひどい」
「一体何がしたいんだ」
【当然の権利を主張するだけだ】
突然全ての鏡から声が鳴り響き、空間の中央に突如金色に輝く鏡が現れる。その鏡の中には金色の玉座に座る、全身が金色の鎧を纏う人型の何かが映し出されていた。
人型ではあるけど確実にこいつは人間じゃない、一目見てそのことを本能的に理解した凪達は全員が構える。
【よく来たな、神川真琴とその他多数】
「なんだよその他多数って 一括りにまとめるな」
「ファンさん多分ツッコミ入れるところそこじゃないよ」
「何で私の名前を知ってる」
【我はずっとみていた、そして支配していた】
「何を言って?」
[まさか・・あいつは]
「知ってるのクラフトさん」
[奴は鏡の魔王のオーディンだ、だけど…有り得ないもう奴に戦う力はない]
「オーディンって図書館の時に話してくれたあいつ」
「え?ごめんだれ 私図書館に行ってないから全然知らないんだけど」
クラフトと真琴が少し話していたが復習の意味も込めて紹介しよう、奴はオーディンと名乗った鏡の世界と現実世界の狭間に存在する次元の支配者であり、七大魔王の1人で鏡の魔王の異名を持つ存在。
かつて現実世界に現れ人類を攻撃したとされたが敗北し体の四肢をもがれそれぞれ別の場所に封印され鏡の世界に送り返さてから人類に対する復讐心を積もらせ20年前に城戸 美穂を利用して不完全体として復活し敗北した。
負けるたびに力を失いもう何の力もないはずの怪物が今凪達の目の前にある鏡に映し出されていた。
「そんな怪物がなんでこんな所に と言うかこのゴミどこから持って来た」
【人類に対する我の贈り物は裏切りと言う形で我が心を振るさせた、その罪を支払うときが来たのだ】
「贈り物…な、何の話」
「罪は君が払う物じゃないのか、君は私の親友の人生を狂わせ数え切れない程の人を殺した、罪を語る気ならその罪を払うんだな」
【愚かな自らの罪を理解しないとわ】
[理解するのは君の方だろ、君は人類の支配に失敗して人類に負けた、その腹いせをしたいだけだ]
【もはや話す価値もない、我は待ったしかし人類は罪を償うこともなく、その罪すら忘れ隠した】
「隠した?」
【今さらもう謝罪など受け入れぬ】
[謝罪なんて君の口から出る言葉じゃないだろ、今すぐ元の次元に帰るんだ]
【帰してやろうこの我らの大地に】
[本気みたいだみんな]
「うん、手加減はできないよね来てゴッドウォーズ」
「私も全力でいくよ 先輩達の力お借りします」
「力を貸してスーペリア ブリーディング、グラウスト2段進化」
〔グらああああああ〕
恐竜の唸り声と共に風が吹荒れ嵐を呼び、空に虹がかかる。
その嵐に乗るように金色に輝く伝説の剣ゴッドウォーズと七色に輝く5つの指輪が現れる。
剣が凪雷のように凪を貫くと凪の姿を神々しい姿に変身させ、七色に輝く指輪は回転しながら一か所に集約し虹色の大冠に変化する。
「チェンジ クラウンモード!!」
その王冠が穂乃花の頭にかぶさると穂乃果の体虹色の輝き、空にかかる虹のような姿に変身させる。
「ファンライド!! レインボークラウン!! 配信開始!!」
「聞くと言いこれが私の鬨の声だ!!」
太一が取り出した二枚のカードから飛び出した液体金属とロボット装甲は太一の体を包み込み、装甲を装着完了し、それと同時にグラウストの体を大きく変化し、グラウトロスに進化する。
「スーペリア・ブリーディング装着」
〔さあお仕置きの時間だ!!〕
【あくまで抗うか、なら今こそ我が真の名を告げよう、我が名はクリフォト今日は貴様らの絶滅の日だ】
どうもマーベルライバルズでダイアモンドに到達した作者です、適当にやってたらバンピックが始まってそこで私がタイヤ帯に行ってる事に気づいてびっくりしました。
さて、今回からはオーディンから名前を変えてクリフォトとして登場したクリフォトさんが今回メインになる敵です、眠すぎるせいで少し文章が変な気もしますが眠いので仕方ないですね。
今回名前が変更されたわけですが、元々なんでオーディンと言う名前だったのかと言う話を書いて終わります。
オーディンは過去作のラスボスを担当する予定で、その作品が仮面ライダー龍騎を少しモチーフとして取り入れており、その龍騎のラスボスがオーディンだったため、名前もオーディンになりました。
で今回で名前をクリフォトに変更した理由としては、この作品が龍騎とは全く関係ない作品であり、過去作を書いてた時よりオーディンを知り、よくよく考えて鏡の魔王につける名称か
と言うのと神々の山の存在で神々が存在していた事が確定し、今後の話の展開で本物のオーディンを出す可能性もあるし、そうなってくるとややこしくなるなと思い変更しました。
ちなみにクリフォトは何なのかと言うとタイトルにもある邪悪の樹の事です、邪悪の樹=クリフォトです、結局それって何と言われると説明が難しいのですが
生命の樹【セフィロト】がありそれの逆位置が邪悪の樹【クリフォト】と言うのが存在していると言う神話的なアレです、pixivさん曰くユダヤ教神秘主義カバラにおける概念らしいです。
クリフォトさんの設定をねればねるほどこの名前以外考えられないなと思い、この名前にしました、さっき書いたようにクリフォトの逆位置にセフィロトが存在しているので、この作品でセフィロトと言う名前のキャラが出るかもしれませんね。
名前をオーディンから変更する事は最初かから決まっていましたが、名前は3週間前ぐらいまで決まっておらず、ミラーオーディンとかオーラーとかどうもしっくり来る名前がなかったですが、クリフォトと言うしっくり来る名前を見つけることができて私達には満足です。