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第153話 虹をその手に

   ~~~特別ステージ・舞台裏~~~


 凪達がステージの上で楽しく盛り上がっているのを舞台裏から顎門と暫はのんびり眺めていた。


 顎門の頭の中はうるさく様々な意見場飛び交う一方暫は少し悲しそうな表情を浮かべながらステージを眺めていた。


 その表情は今にでも泣きそうだが、暫自身がその事に気づ居ていないような、そんな複雑な表情だった。


 顎門の中の人格の一つがそのことに気づくと顎門はそっと優しく肩を叩いた。


「「あ?」「なにしてんだこれ」」


「え、私に聞く?自分から触って来たのに」


「「あらやだごめんなさい」「あなたが少し悲しそうな顔をしていたから」「そうかいつもこんな顔だろ」「違いの分からぬ者どもめ」「くっくっおぬしも気づいておるのだろうあの漆黒の」「厨二病は黙ってろ」」


「ごめん…私そんな変な顔してた」


「「いやいや可愛い顔だぜ」「前向きなよ」「ごめん気にしないで」「泣き出しそうな顔だったぜ」「どしたん話しきこか」」


「・・・いいよ別に」


「「そうかなら聞かない」「いやきけよ」「何かあったの」「私の胸に飛び込んできてもいいんですよ」」


「なんであなたの胸に?」


「「さ、さあ」「よくわからないが…話してみろよ」「どうせ終わるまで暇だぜ」「お主の悩みを聞かせてくれぬか」「同じ探偵助手として」」


「もし私達が負けなかったら、皆で笑いながらあそこに居たのかなって」


「「おいおいシリアスな話じゃねえか」「おい一旦おふざけは無しだ真面目に答えよう」「そ、そんなことはないよ」」


「・・・そうだよね、勝っててもあんな舞台にな上がれなかった、私達の存在なんて・今となっては誰も知らないし興味もないんだ」


「「おいそこまで落ちこむなよ」「そうだ何か食べるか買ってくるよ」「塩分多いのはダメだよな体に悪いし」「だけど祭りに売ってるもんなんてほぼ塩分だろ」」


「いいよ気なんて使わなくて」


 暫は椅子に足を乗せ椅子の上でたいそう座りをする。


「私はもう主役でも脇役でもない、私は舞台から落ちた役者、もう二度と舞台には上がれないし上がろうとも思えない、もう舞台に立つための翼は折れたから」


「「くだらね」「たいそう座りは精神によくない」「いやいやそんなことはないぞ」「きっとまた舞台に上がれるさ」」


「他の皆いないのに私だけ」


「「それは・・」「なんかごめん」「どいつもこいつも慰めが下手で」「喧嘩しかしないもんで」」


 暫は励ます顎門の声を右から左に聞き流しながら思い返す、探偵事務所にきたマインドレスの事を顔や姿や声は違ったけど、あの気持ちの悪い安心感と支配される感覚は間違いなくマインドレスだった。


 忘れるわけがない、仲間を殺し、暫自身の心も体も弄んだ、そんなマインドレスの隣には千歳が居た、同じように心も体も弄ばれた千歳があいつの隣に居た


「・・なんで千歳あいつと一緒に居たのかな、私みたいに逃げれたはずなのになんであいつの隣に・・」


「「なにかあるんだよ」「何がだよ」「そりゃあ深い訳が」」


「私って何をしたんだろう、私の人生って・・何の意味があっての」


「「意味はあるさ」「ないよ」「あるって」「いずれ全ては無に変える、誰もが死ぬし誰もが忘れ去られる、そんな世界で何かを残そうとか、意味を探しても無駄さ」」


「無駄、そうだよね私の人生なんて…何と意味もなかったんだ」


「「い、いやごめんそう言うつもりは」「問題はそんな世界で何をなしてなしをするのか」「君は今自分の価値を他人に決めさせようとしてないかい」「何が言いたい」「まあまあいったん任せよう」


「私って自分の価値を決めさせようとしてますか」


「「ああ」「他人が決めた価値はすぐに消える、だが自分自身が決めた自分の価値は死ぬまでそばにいる」「何言ってんだこいつ」「もう黙ってろよ」「自分の人生の意味は自分自身が決めるんだ、今の君は他人に自分の人生の意味を聞いている」」


「わからないよ」


「「ほらな」」


「自分の人生の意味なんて、誰も教えてくれない」


「「当り前さその答えは人によって違う」「いちいち教えを乞うんじゃなくて自分で考えやがれ」「おいそんな言い方はないだろ」」


「ごめん、わからないよ・・なにも」


「「ならなんで今生きてるんだ」「君は生きた何度も死を考えたはずだ」「それでも生きた」「反撃するためだろ真琴の野郎がいなくてもそうしようとしてた」「もう貴方は人生の意味を知っているはずです」「貴方は切り札だ」「あの野郎を追い詰めるのは舞台に居る奴らじゃねえ」「舞台裏にいる君だ」」


「それが私の人生の意味」


「「自分で考えろ」「私が決めた意味でも価値でもない自分自身の価値を」」


 暫は足を伸ばして地面につけ立ち上がる。


「また舞台に立てるかな、もう一度羽ばたけるかな、あいつが事務所に来た時・・何も出来なかった震える事しか出来なかった、そんな私があいつにとどめをさせるのかな」


「「まあ頑張れよ」」


「いきなり適当」


「「ごめん」「いやどの言葉が君に・・」」


「いいよ、色々吹っ切れたから」


「「そ、そう」「お世辞言ってんだよいちいち突っかかんな」」


「本当に君って面白い、話してると少し元気が出てくる」


 そう言うと歩き出して舞台裏から離れてジュースでも飲もうと思ったその時スピーカーから響く声に思わず足を止め、体を小刻みに震わせた。


【こんな形で会話できるとは思わなかったよ】


「「おい」「大丈夫か」」


 暫はしゃがみ込み体のありとあらゆる部位から汗が吹き出し、頭が上手に回らず真っ白になる、その感覚が嫌で自然と体が震え、目を大きく見開いて涙を流す。


 そんな状態に顎門は立上り、落ち着かせそうと暫の背中をさする。


「「どうした」「どこか具合が悪いの」「もしかして貧血か」「まってろ今すぐ救急車を・・」」


 立ち上がって救急車を呼ぼうとした顎門の手を強く握りしめ、体を預けるように顎門に倒れ込む。


「「お、おい」」


「…………」


 倒れ込んだ暫は顎門の胸に顔をうずめる、顎門は様々な意見でぐちゃぐちゃの頭でそっと暫を抱きしめる。


「ごめん、本当にごめん」


「「本当に大丈夫か」「おっふいい匂い」「気持ち悪いって」「暖かいし柔らけえ」「お腹は大丈夫?」「大丈夫だよ落ち着いて」」


【いや・・少し噂で聞いたんだけど、君達はマインドレスと戦うつもりなんだろう、前の魔法少女を倒した相手に勝てるのかと】


 スピーカーから聞こえる声の正体に顎門も何となく理解した、マインドレスなんて名前は一般人は知らないし前の魔法少女達は突然姿を消したことになっている、そのことを知っている人間はごくわずかだし、わざわざこんな場て聞く必要はない


 ならこの男は誰か、あの男に決まっている


「「だ、誰だ」「マインドレスか」「それしかいないだろ」」


 顎門のその問いに暫は頷きで答える。


【とても不安でね、実際勝てる見込みはあるのかな】


 慢心か傲慢か負けるわけのない絶対的な自身からくる質問に真琴は一言で返す。


「勝さ私の助手のためにも」



「「言ってくれるな」「だとよ」「勝ってさ安心しろよ」」


「・・・・」


「「おいしばさん」「ね、寝てる」「この野郎俺をなんだと」「まあまあイイじゃない、きっと安心したんですよ真琴先生の言葉に」「勝さ か」」

どうも右足が出血した作者です、もしかすると病院に行かないとかけないかもですね、それにしても最近一気に温度が下がって気がしますね、布団から出るのが怖くて仕方がない。


 さて今回はイベントの話をしますね、今回のメインになったイベントなんですが、最初から予定にありこの話が第1章(現在分割して2章になりました)の中間地点でもあります。


 つまり雑な計算になりますが後150話ぐらいで第1章が完結して、ようやく別の作品に本腰入れれるわけですよ……そう考えると地獄だな、後150話も書かないといけないのかよ。


 そう言った中間地点の始まりでもあるこのイベントの話は今までのあらすじ的な総集編的な立ち位置でもあります、なので設定やキャラクター同士の関係性などを書いたわけです。


 もしかすると退屈で面白くもつまらなくもない話だったかもしれませんが、全体的な話を見ると必要な話なんです。実際次回からは物語が大きく動きますのでお楽しみください。

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