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第145話 ポケットの中には

 戦いは終わった。


 ビームは凪とグラウストの攻撃をくらい地面に倒れ、相方の楓はレイスに敗北した。


 負ける可能性が十分にあった戦いだったが2人は何とか勝利した、苦戦したのも関係しているが今回の勝利は今まで以上に2人にとって重要なものであり、大きく2人を成長させただろう。


「・・ありがとう、エボくんが来てくれなかったらどうなってたか」


ぼくこそごめんなさい、なにかんがえずにぱしってそのせいでみんな危険きけんわせた」


「全然大丈夫だよ、エボくんのおかげで誰も死んでないし最高にかっこよかったよ」


「か、カッコイイ・・そうかな」


「うん一番ね、さて・・」


 凪は腰につけた剣のストラップを手に取り、手首のバンドにかざして元のサイズに戻し、地面に倒れるビームに近づく。


「どうしようか、これとあれ」


「おい!!私のことをあれ呼ばわりしたか」


〔静かに、いいから立て!!〕


「くっそ・・」


 レイスは楓の手首足首に手錠をつけを無理矢理立たせると、槍を突き付けながらゆっくりと歩かせる。


「やめろ、私は囚人じゃない」


「もうやめましょう楓さん、貴方は捕まってもおかしくない事をしたんです」


「・・違う楓じゃない」


「ならそのマスク外してください」


「やだ」


「強情な人だな、もうバレバレですよ、エボくんなんか言ってあげて」


「おねえさんはそのとしにもなって やっていいこと と やったらダメなこと の区別くべつもつかないの?」


「このクソガキ深いところをさしてくるな、そんな女の子が着るような格好してる変態のくせに」


「レイス一旦いったんもと世界せかいもどろう、そしてマスクをはずして警察けいさつそう」


〔かしこまりました〕


「待てかしこまるな、ちょっと話し合おう」


「何がしたいんですか貴方は」


「・・・認めたくないんだ、お前に負けたなんて、殆ど勝てる状況で負けたのを認めたくないんだよ」


「でも今回こんかい普通ふつうけましたよね」


「むきいいいいいいい、何なんだお前はそろそろ私泣くぞ」


「もうやめましょうよ楓さん」


〔見てて見苦しい、自らの敗北を認めず地団駄を踏むその姿幼子のようだ〕


「ウゥウゥ・・・・・・…ア ゴーアッアーー!!!! ガッハッハアン!! !!」


「え?うそ号泣する、ちょっと落ち着いてください楓さん」


「アァァァァァア!!!!」


「レイスもういいよ」


〔かしこまりました〕


 パチン と指を鳴らすとその場にいた全員が元居た駐車場に戻ってきた。


 既に一般人の避難は完了しており、現場には複数の警官とパトカーに加え、ヒーローのシスター・ムーンが到着していた。


「・・・あ、出てき・・・」


「ウワアァァァァァアアア!!!!」


「・・・うるさ・・・」


「あ、お久しぶりですムーンさん」


「・・・久しぶりって、3日前にあったばかりでしょ・・・」


「そうでしたっけ?なんか6カ月ぶりに見た気がして」


「・・・何に言ってんの、と言うより・・これは何貴方達なにしたの・・・」


「「いや、べつになにも」」


〔正論ぶつけたら泣きました〕


〔よくわかんないけど まけてくやしいんだって なぐさめてあげて〕


「グズッ うぅぅ…」


「・・・ま、まぁ事件を起こした犯人だし慰めなくていいか、それより貴方達ビームを倒したの・・・」


「ざの"ー!!」


「・・・うるさ・・・」


 驚いた様な表情を浮かべながら、地面に倒れるビームを見つめる、集まった警官ですら信じられず夢でも見ているかのような目で倒れるビームを見る。


「ぐず…うぅう、あ、あ"ども"う"ずごじだっ"だの"に"」


〔全然少しでもなかったぞ、お前よりあの侍のほうが危険だった〕


「う、どいつもこいつも私を・・・」


〔ん?〕


 楓の体から禍々しい黒い何かが溢れ出し、楓の力を全て吸い取りながらその姿を現す。


「な、なんだ」

「黒い霧」


「そうだコンプレックスが憑りついてたんだった」


「レイスいますぐそいつを・・」


〔っぐ!!〕


 溢れ出したコンプレックスは太一の指示より早く、後ろに居たレイスを吹き飛ばし、周囲の車を持ち上げて警官に向けて投げ飛ばす、凪達がその車に対処している内にどこかへと姿を消した。


「だ、大丈夫ですか」


「OKOK怪我無し」

「問題ない」


「よかった」


「・・・いや、よくない逃げられた、コンプレックスだけじゃなく・・・」


「え?」


「おい!!犯人はどこに行った」

「居ないぞ」

「ビームも変な仮面付けた奴もいなくなってる」

「誰か消えたのを見てないのか」


「え?うそ」


 凪は先程まで2人が居た場所を見るがそこに2人の姿は跡形もなかった。


うそだ!あの怪我けがげれるわけがない」


「絶対まだどこかに」


 2人はビームと楓を探そうとしたが、拳を軽く握りしめるムーンが2人を止めた。


「なんで」


「絶対にまだ近くにいます、私達にも探させてください」


「・・・いいから、あの2人の捜索は私達に任せて、あなた達はゆっくり休んで・・・」


「え、でも」


「・・・言っておくけど現場検証もあるのよ、それに明日は全員でイベントに出るんでしょ、ならゆっくり休んで後は本職にまかせなさい・・・」


「わ、分かりました、取り敢えず帰ろうかエボくん」


「なんだかムズムズするわりかただね」


「・・・綺麗に終わる話なんて中々ないわよ、だから早く帰りなさい・・・」


「わかったよ」


 2人はスッキリしない終わりに モヤモヤ していたが自分達が油断していた所があり、何も言えず仕方のないことだと切り替え、そのままドームへと戻っていった。


「・・・まったく、何してるんだか・・・」


 ムーンは凪達が去ったのを確認すると拳を開き、小さくなったビームと楓を確認する。


「こ・・んどは・か・・」


「・・・教育ぐらいちゃんとしてよね、お姉さま・・・」


「ムーンちょっといいか」


「・・・今行くわ・・・」


 ムーンは2人をポケットにしまうと警官の元に歩いて行く。

 どうも高速の交通事故のせいで8時に家に着きました作者です、。。!。。


 気のせいならいいんですけど最近異様に交通事故が多い気がします、前までは混み合う時間を避けれたおかげでそんなに苦痛に感じなかったんですが、混み合う時間になると本当に地獄ですね、まあ混んでない時も嫌と言えば嫌なんですけど…

あまり言ったらダメな事なのはわかっていますが…どうして一方通行の高速道路で事故るんだ?免許取る時にS字カーブを問題なく通れたから免許持ってるのにどうして曲がりくねってもない一方通行の道で事故るんだ。


 さて面白くはないぐちはそこまでにして、今回は久しぶりに登場したシスタームーンに関してです、一応ネタバレになるので見たくない人は今までの話を振り返りで見てください。


 修道女の格好をしているからシスターと言うのもありますがもう一つの意味で実際に誰かの妹もしくは姉だからと言うのを話したと思います。


では残りのムーンはどこから来たのか、その話をすると元ネタのキャラクターを話さないといけないんですが、それはいつかの機会に話すとして、名前がムーンなのは彼女の姉妹に当たるキャラクターに関係しています。


 とあるキャラクターの名前にクレセントが使われています、その名前をつけた理由としてはそのキャラクターが音楽キャラなので【クレッシェンド】に似ているクレセントを名前につけつつ、シスタームーンの姉妹であることを匂わすためにそんな名前にしました。


 クレセントは三日月と言う意味で、ムーンは月になっています、姉妹同士 月が名前についていると言う小ネタと言うか伏線があります、もし姉妹が誰か気になった人は設定資料集をお使いください、すぐにわかります。

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