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第138話 それぞれの想い

 ~~~名もなき森~~~


 空気が凍り付きそうなほど静かな森の中、その森の中にある巨大な岩、その岩に白い鎧を纏って座禅を組む1人の侍が居た。


 奴の名はサムサイビーム、凪達が浮島ワイキキビーチで遊んでいるときに、癇癪を引き起こして暴れた犯罪者である、桜島 太一ことエボリューターと戦い終始圧倒していたが最終的敗北した。


 弱者に価値はなく強者こそが全てであると言うわりかし危険な思想を持つそんな彼が敗北し、勝ち続けた事で自身の価値を証明してきた彼のプライドはズタズタに切り裂かれ、自身の存在価値を失いつつあった。


 太一に負けたあの日から一度たりとも動く事なく岩の上で座禅を組んでいた。


「……………」


 心を無にし大いなる自然と一体化する。


 正直に言って座禅ほど意味のないと思っている私からすれば無駄なことに時間を使っているなと思ってしまうがそう言う事は口に出さない方が良いだろう。


「…………」


 まるで死んでいるように座禅をし、死んでいるように時間を消費する、時間が止まったみたいに音のない森で1つの足音が響く、そのことに気づきながら目を瞑り無視して瞑想を続けているとその足音が彼の前で止まった。


「武田 智 話がある」


「・・その名で呼ぶな、難波大学の優等生がなんの用でござる、ピクニックに来たなら帰れ、吾輩の邪魔をしに来たならこの場で叩き切るぞ」


「意外な返答だな、いつもなら羽虫に刀は使う価値がないって言うのに、初めての敗北がそんなに心に刺さったか」


 楓の言葉に少し心が乱され刀に手をかけようとしたが何とか冷静を保つ。


「何をしに来た」


「負けたようだな、手も足も出ないほどボロボロに」


「なるほど3枚におろされたいと」


「私も負けたよ」


「…ほう」


「圧倒的なハンデがあった、勝たなきゃおかしい状況で負けた、全校生徒の前で7×8を間違えたような、小学生相手の腕相撲で負けたような、そんなどうしようもない怒りその気持ちが分かるのは君だけだと思ってな」


「向上心がある奴だな」


「君もだろ、なあビーム私と組まないか、君も思ってるだろ次こそは勝つと」




  ~~~バンテリンドーム・関係者用休憩スペース(外)~~~


「はああああ」


「33かい34かい


〔その調子ですよ主人様〕


〔がんばれ がんばれ リューター〕


 街全体を巻き込むほど大規模な祭りの真っただ中、穂乃花が配信者として活動していたため配信者のイベントに呼ばれそれに付き添う形で参加する予定だったが気づけば配信者以外のイベントに参加させられていた。


 本日はファンとの交流会、穂乃花はゲームイベントの方に連行され、真琴は前日の美穂との戦いの傷を治すために自宅で休憩中、交流会には太一と凪の2人で参加していた。


 魔法少女として活動を始めてから1年どころ5カ月も経っていない、だからそんなに人が集まるわけないと高を括っていた凪だったが想像を絶する人が集まり軽く絶望しながらも休憩時間まで耐えきった。


「何であんなに人来るの、こんな物凄く熱いのに」


「40かい 41かい


〔がんばれー〕


 凪は机にほほをつけながら休憩していた、慣れていない事をしたから疲れているのもあるが、凪が疲れているのにはもう1つ理由があった、それは昨日の美穂との約束にあり、今はどっちが正しいか分からないけどいずれは分かるようにならなきゃいけない。


 そのことが交流会の時でも休憩中でも頭からは離れることはなかった。


 お前は甘い何の覚悟もない、その言葉が地味に凪の心に突き刺さり、頭の中は考えがまとまらずにぐちゃぐちゃになっていた。


 自分に答えを出せるのか、美穂の言う通り自分には覚悟も何もないんじゃないか、こんな自分が魔法少女なんてやってていいのか、そんな事ばかりが浮かんでしまっている。


「はあ」


 凪は自分が意識をせずに自然とため息が出てしまう。


「・・・」


「ぐっつ・・4・8かい 4・・・9・」


「で・・何してるの太一くん」


 精神的に少し参っている凪の真横でグラウストとピッカラに応援されながら太一は何故か腕立て伏せをしていた。


「な・に・・って 5・・・0  きんトレ」


「な、何で筋トレ?今までそんなのしてなかったじゃん」


〔これには深い理由があるんですよ〕


「深いって・・どんな」


 変身している状態での腕立て伏せのため50回も続いていたが、その体は小学生体力が持たずにその場に倒れ込む。


「ぐべ」


〔主人様が交流会であることを言われまして〕


「あること?筋肉がないとかそう言う話」


ちがうよおねえさん、ぼく今日きょうひとひとみんなにわれたんだ、可愛かわいいって」


「・・・うんそうだね、太一くんのその姿は可愛いよ」


ちがあああううう、ちがうよおねえさん」


「何で地面に向かって叫んでるの」


ぼく可愛かわいいってわれたいんじゃないだ、ぼくはカッコイイってわれたいんだ」


「・・・そう」


〔テンション低いですね〕


「ちょっと色々考え事してて、それどころじゃないと言うかどうでもいいと言うか」


「どうでもよくないよ、ぼくにとっては重大じゅうだいなことなんだよ、ぼく変身へんしんしてカッコイイヒーローになれたとおもってた、けどちがったぼく可愛かわいおんなだっておもわれてたんだ」


「いいじゃん可愛いよ」


「やだ!!ぼくはカッコイイヒーローになりたいんだ!!」


「・・・だから筋トレ」


「うん」


「筋トレ=カッコイイじゃないと思うよ」


ぼくみんなにたたかわせてばかりで、自分じぶんたたかわない、だからみんなぼく可愛かわいいってうんだ、だから自分じぶんたたかえるようになれば、きっとみんなも」


〔がんばれ がんばれ リュウタ〕


「そこじゃないと思うけどな」


 そんな毒にも薬にもならないどうでもいい会話をしていると ボンボン と隣にあるショッピングモールから謎の爆発音と共に悲鳴が響き渡った。

どうも特に書くネタがない作者です、本当に後書きに書くネタがないと言うか書いた気がするようなネタしか出てきません、なので書いた気がするけど書こうと思って消したネタを書きますね、もし書いてたらコメントください私の記憶力が終わっていると言う事です。


今回久しぶりに登場した天使のピッカラ、名前なんですか最初はルシファーとかガブリエルとかの天使の名前を少しいじった物にしようとしたんですが、大前提として小学生がつける名前のことと可愛らしい名前が良いなと思い色々考えてピッカラになりました。


キューピットのピッと神の使いと言われることのあるカラスのカラを取ってピッカラにしたんですが、後々考えるとこの名前にこじつけに近い奇跡的な偶然があることに気づいたんですね。


太一くんの元ネタがデジモンだと言うことを前から言ってた気がします、ピッカラを出したのもメインキャラクターにエンジェウーモンが居たから出したと所があります。


で、初代デジモンと同じ年に出たアニメにおジャ魔女どれみがあります、見た事がないので詳しく話せませんがその作品の魔法にピリカピリララと言う魔法があるんですが…口に出してみるとピッカラとピリララが似ているというこじつけに近い偶然が発生していました。


はい、こんだけです、こじつけに近いですけどこんな偶然あるんだなと驚いています。

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