第128話 譲れない思い
懐かしのコレクションが並ぶ地下図書館には何も入っていないからの本棚がいくつかある、これは誤発注で届いたわけではない、当たり前だが本が入るからだ。
[………魔術書の搬入?]
「ここは出来立てホヤホヤの図書館よ」
「出来立てというか出来てないというか」
「この場所も1年前にできたばかりよ、それまで魔術書とかは別々の場所に保管されていたのよ、ただ別々に保管してたせいで……その…」
「その?」
「いろいろトラブルがあったのよ」
「テロリストに狙われたり、奪われたり、暴走したり、相互作用が起こって爆発したり…」
「ダメじゃん、と言うかなんで真琴さんそんなに詳しいの」
「学生時代にその事件を目の前に見たからだよ」
「どう言う事」
「そこら辺は落ち着いたら話すよ、話すとまた話が長くなる」
[必ず問題が起こると思ってたけど既に起こってたとは、はやりこれ以上問題が起こらないように燃やすべきだ]
「これ以上問題が起こらないようにこの場所を作った、この場所には最新の防衛システムに厳重な警備、そして私しか作れない入り口がある」
[油断対敵…はっきり言っておく、絶対に上手くいかない]
「上手くやる、それが私の仕事よ、そこの骨の使い魔さん」
そう言いながら透明な巨大ケースに保管されている竜の骨を指差す、その態度にクラフトは眉をしかめ、彩芽はクラフトを睨みつける。
2人の間に漫画とかでよくある赤いバチバチとした火花が舞っていた、コレに関しては表現とか演出とかではなく魔術を使って火花を出している、なんて無駄な事に使うのだろうか。
「もういいって、さっきから話が平行線だよ、魔術が危険とか危険じゃないかとか、早いところ本題に入ろうよ」
「ふふ、本当に賢い子ね貴方と違って」
[な、なに…]
「クラフトさん」
[…………]
「さっき話したように魔術書は別々の場所に保管されていた、だからそれをこの場所に集める、集めるだけなら問題はない組織の者に任せるだけ…だったのだけど」
「猿渡くんは知ってるかい、ここ最近で起こってる図書館襲撃事件を」
「あ〜なんかテレビでやってた気がする」
ここ最近…と言うほど最近の話ではない、10年前からちょくちょく発生していた事件だが1年前からか1ヶ月に2回の頻度で発生するようになった。
夜中の図書館や学校や博物館が何者かに襲撃される事件だ、建物には大きな穴が開けられたがそれ以外の被害はない、取られたものも無ければ怪我人もいない、表向きは
「実際はそこに保管されていた魔術関連物がごっそり奪われていた、しかも最近は輸送中のトラックまで襲われる始末よ」
「奪われた物が公表できたいせいで穴以外は被害ゼロで公表されてる」
「そ、それって…」
[大問題じゃないか!!魔術書を保管してたら危ないテロリストに奪われたってことかい]
「最初犯人はハイチュリオンだと思っていたけど、ハイチュリオンが逮捕されても事件は止まらなかった、しかも犯人は魔術書のことを世間に公開するでも魔術書を使うこともしていない」
「え?じゃあ何が目的なんですか」
彩芽がそう呟くと彩芽と真琴は何か知ってるような表情を浮かべたがすぐさま首を横に振り知らないと答える。
「これ以上犯人に好き勝手されたら困る、そこで搬入を餌にして犯人を誘き寄せる、ただ犯人は施設に風穴開けて入る奴、それに魔術が絡んでいる以上一般ヒーローの力は借りれない」
「そこで私達ですか」
「そうよ、協力してくれるかしら」
彩芽は凪に近づくとしゃがんで目を合わせ女神のような小悪魔のような、そんな誰もが心拍数が上がるような笑みを浮かべながら語りかける、凪はそんな笑みに顔を赤らめながら目線を胸に逸らしながら小さく頷く。
「……ん?」
別に胸を見ようとしたつもりはなかった凪だったが、薄いタイツに包まれた巨大な胸にどうしても吸い寄せられてしまう、しかし凪はそれよりも薄いタイツに薄ら見えた包帯のような物に目が釘付けになった。
近くで見ないと気づかなかったが、彩芽の体に包帯や絆創膏などが付いていたのが、しかも1箇所や2箇所なんてレベルじゃない何十箇所はあったのだ。
「そ、そre…」
「さて、いきましょうか」
彩芽は満足そうに笑い立ち上がると真琴に向き直り、真剣な表情で真琴を見つめ首を縦に振る。
「……ああ、分かってるさ、だけどもう迷いはない」
「え?なんの話」
「こっちの話だ気にしないでくれ、早く準備しよう」
そう言いながら変身ようのメガネを取り出し魔法少女に変身すると階段を登り始めた。
凪はもう一回登るのかとため息をこぼしながらも魔法少女に変身して真琴の背中を追う。
どうも眠い作者です、ホワットイフを一気見してて小説書くのを忘れていました、現時間深夜の1時でバチくそ眠いです、それなりに楽しみにしていた作品だったんですが…なんか今までのシリーズに比べると面白くなかったなと言うのが感想ですね。
個人的にイフに求めているのは映画の分岐、映画では見れなかった話が見たいんですよね、ただ今回の話は映画とは全くの別物だし細かい説明や描写が適当、面白かったけどこれが最終章かと言われれば微妙すぎるなと言うのが感想でした。