第117話 意外な戦闘
「じゃじゃじじじじじ…弱点がな なんですか わ わわわわわ私はリード・ファンエスタ ま 魔法少女ファラント どどどどどどどどっからでもか かかってこーーーい!!」
マッサージチェアーにでも座っているのかと思うほど体全身を震わせ、目から尋常ではない量の涙を流す穂乃果はクラフトから貰った5人の魔法少女の力の一部を使いその魔法少女の強化形態であるレイボークラウン、に変身した。
センスのないパワーマンぐらい直球な名前だが付けたのは私ではなくクラフトである。うん、この先出てくるセンスがないネーミングは全てクラフトだと思おう、サイレントナイトも多分クラフトがつけた。多分。
「どどどどど どした!!かかってきんしゃれこのやろ!!」
「…そんな奥の手を隠し持っていましたのね、ただそれがなんだと言いますの、本来5人で使う力を1人で使っている、そんな付け焼き刃でわたくしに勝てるとでも」
「か 勝たなきゃエロ同人みたいな展開ですよね なら勝つ以外の選択肢なんてない」
穂乃果は覚悟を決めると拳を強く握り猛スピードで走り出す、その速度は2人の想像を遥かに超えたものでよくある表現を使うのであれば光を超える速度だった。
穂乃果の走った後の残像は虹のように輝きを放ち、一瞬で山田の懐に入った、いきなりの事に加えて美しいと思えてしまう虹の姿に山田は魅了され一瞬でも動きを止めてしまう。
「はっ!!」
虹の光が山田の目で反射したと同時に穂乃果が拳を振り上げ、山田はそれを両手でガードしようとするが虹に魅了され反応が遅れ穂乃果のアッパーをまともにくらう。
「ぶべら!!」
「うおりゃあああ!!」
さらに追撃で回し蹴りを放ち山田を吹き飛ばした、山田は回し蹴りを腕で受け後退り、さらに追撃を仕掛けようと穂乃果は殴りかかるが、山田はそれを両手で受け止めると穂乃果の手を強く握りしめる。
「ふふ」
「うっ…」
穂乃果は手を握られまた変なことされると顔が引き攣った。
山田は手を強く握りしめると瞬間に両足を上げ飛び上がり、両足を穂乃果の首に絡ませるように締め上げた、いわゆる飛びつき三角絞めである。
足で頸動脈を圧迫させ脳に血液が送られず失神させる技、中学の柔道とかでは禁止になっている技で大会などでは失神させないがこれは大会ではなく単純な戦い。
セクハラされると考えていた穂乃果はいきなりの絞技に驚き戸惑うがそんな穂乃果に容赦なく足を絞め頸動脈を圧迫させる。
「ぐがぁ……ぎ!!」
穂乃果は体を揺らして振りほどこうとする、だが山田の絞める力があまりに強く逆に意識を失いかけた。
「うが!! あが!!」
「ふふふ、わたくしがセクハラだけの女だと思いましたか?このまま落としてあげますわ」
「あ……か……」
穂乃果の意識が飛びかけ体が脱力する。山田は勝利を確信し穂乃果の頸動脈を完全に絞め落とさんとさらに首を絞める力を強めた。
しかし穂乃果はクラウンの中にあるマジカルパープルの力を使用し体から有毒性のガスを放つ、パープルと戦った経験がある山田は急いで穂乃果の首から足を離すと穂乃果の腕を引き寄せ、それと同時に自分の背中と穂乃果の腹を密着させる。
そして穂乃果の体を持ち上げ地面に叩きつける、 IKKOも驚くほど綺麗な背負い投げを成功させた山田は口を塞いで距離を離すと自身の血を1箇所に集める。
「いった!!! くっ…そ痛い」
「懐かしい技ですわね、ただわたくしが彼女と何度戦ったとお思いで、そんなもの対策済みですわ」
山田は血液を消費し魔力として代用すると手のひらに炎の魔法を作り出し、それを投げつける。
ガスに火が引火したらどうなるのか、そんな事は穂乃果ですらわかる、穂乃果は急いでガスを体内に戻すとクラウンの中にあるマジカルクレセントの能力を使う。
クレセントは衝撃波が出るほどの声を出せ、その力で口から出る衝撃波で山田の火を掻き消す。
「あァァァァァ!!!!!!!!」
「うるさ!」
その声は船にひびを作り、外にいる観客すら耳を塞ぎ司会が何が起こったのかと慌て始める、流石の爆音に山田は耳を塞ぎ穂乃果はその隙を狙おうと猛スピードで接近し殴りかかる。
しかし山田は目にも止まらぬ速さで殴りかかって来た穂乃果の拳を受け止めると腕を掴んで思いっきり引っ張って穂乃果の体が近づくと同時に膝蹴りを腹にくらわせる。
穂乃果は腹を抑えながら後退り、山田はそんな穂乃果の足を引っ掛けて転ばせると血を鞭に変えその鞭で穂乃果を引っ叩く。
「ほら!!ほら!!どうしました、その程度ですか」
「…………」
「…ほら!!ほら!!ほ…ら……ん?」
「………」
「………」
「………」
「おーい、どうしました反応がないですけど」
鞭の重い一撃が穂乃果の体を痛めつけると、穂乃果が動き出さなくなり、山田は恐る恐る穂乃果の胸を掴んで無理やり立たせる。
「…心臓は動いてますわね、しかし息はしていない…ハッ!!急いで人工呼吸を…」
山田は息をしていない穂乃果のために人工呼吸をしようと口を近づけた瞬間、穂乃果の口角が僅かに上がった。
「え?」
「くらえ毒霧!!」
人工呼吸を口実にべろチュウしようとしていた山田に穂乃果はさっき回収した毒のガスを口から放ち吹きかけた。
「ガッ!!こっ!!」
流石に致死性の毒ではないが人間の判断力を鈍くする事はでき山田は穂乃果から手を離し、左足で後ろに下がり頭を抱える。その間に穂乃果はクラウンの全ての力を右手に集約させる。
「はあ/// はあ/// ひ///卑怯ですわよ」
「作戦と言え作戦と ガスを避けた所からガスに抵抗がないのはわかった 後はそれを至近距離でくらわせるだけ そしてくらえコレが」
「はあ/// はあ/// 推しの//吐息が…直に…はあ/// はあ///」
「(ㅎ_ㅎ)」
「(*´д`*)ハァハァ♡」
「………く くらえ私の最終講義クインテットクイーン!!」
穂乃果の拳が虹色に輝きを放ち、その拳は山田の懐にもろに入り一撃で変身を解除させ山田を元の姿に戻すほどの威力で山田の体を吹き飛ばし、ぶつかった壁に穴があき山田を外に突き飛ばした。
「つ、次はこうとは行きませんよ!!」
そんなセリフを吐きながら山田は場外の水に落ち退場した。
どうも現在朝の12時な作者です、なぜでしょうか夜の10時にならないと小説が書けないんですよね、病気でしょうか病気です。
さて今回は負けて退場した山田さんの話です、実は初期案では山田さんは1代目の魔法少女と戦わないどころか助けてもらった人だったんですよ、1代目が突然消えてそれが何かに負けたのだと思った山田さんは新たな魔法少女が出てくるであろうと考え、その魔法少女が負けないように鍛えるためにライバルとして立場だかる、と言う設定でした。
ただ話が複雑になるのと、その設定だと簡単に魔法少女と協力関係を結べてしまうし、そんなありきたりな設定でマインドレスの話まで持たせられるかと考え設定を現在のものに変えました。
基本的な魔法少女を愛しているからこその行動目的と合う点はあまり変わらず、愛がやばい方向にいきましたね、前の設定のままだと直ぐに仲間になりますからね、現在の設定だと仲間になれる可能性があるけど魔法少女サイドが関わりたくないと言う関係性になってて少し面白い感じになりましたね。
ちなみに太一くんことエボリューターは魔法少女とは認めておらず、魔物を操る点で設定が似ているし上位互換じゃないかと感じており勝手に目の敵にして嫌っています、前回で他の魔法少女ならうんたらと言う話で太一の話が出なかったのは太一を魔法少女だと認めていないからです、いつかここら辺の話で1話書きたいですね。