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第111話 勝負が決まる

 体を伸ばし布のようになった穂乃果が凪の体に巻きついたことで全力で走りまくる、しかし難波大学がそれをよしとしない。花火を作り出せる能力を持つ楓が攻撃を仕掛けてくる。


「大丈夫?ファンさん」


「あっつ!! それ人に向かって投げる物じゃないでしょ」


「火傷ぐらいどうせ治るだろ、おい山田貴様の望んでたことを今やれ」


「ふふふ、言われなくともそのつもりですわよ」


 山田はそう言うと血が流れる手をふるい血を凪の体につけると能力を使い凪の足元に血溜まりを発生させる、その血溜まりの中から無数の手が伸び凪の体を掴む。


「くっ…これ……全然取れない」


「マジカル後ろ後ろ!!」


「え?」


「遅い!!」


 無数の手に拘束されている凪に難波大学の2人が接近し、楓は凪の頭を掴むと手のひらからエネルギーを放出させ花火を作り出しゼロ距離で爆発させる。


ブォン!!


「マジカル!!」


『楓選手の花火をもろにくらった!!』


『再生能力があるとはいえこれはキツイでしょうね』


「まともに喰らった、このま…」


 ゼロ距離花火をくらわせた楓は凪の頭から手を離そうとした瞬間、凪がその手を掴んだ。


「なに?」


 楓は急いで引き剥がそうとしたが凪は掴んだまま自分の方に引いて楓の体制を崩し楓を転ばせ、転ぶ時に山田の服を掴んだことで山田も転びアスファルトに顔を埋める。


「ぐべぇ」


『おっと難波大学2人して倒れた』


『まあすぐ立ち上がるでしょう、それに田中選手の血の手はまだマジカル選手を掴んで離していません、これをどう対処するのか』


「ファンさん」


「了解」


 凪の体に巻き付いている穂乃果は巻きついている腕を少し解くと手をグラウストの顔に変え、その顔から火を吐かせて足を掴む手を焼き尽くし蒸発する。


「あちちちちち」


「あ ごめんごめんでもコレで大丈夫でしょ」


「うんそうだね」


 血の手から解放された凪は燃えた足が再生したのを確認すると全力疾走で走り始め、現在3位のパンプキンに接近する。


「くっ…きたか」


『ここでマジカルが追い上げを見せ!!3位のパンプキンとの差を縮めて来た!!現在1位はイエロージャケットだが4位までのチームが5m内に入っている!!』


『激戦になりそうね、しかし2位の暁大学はもう既に疲れが見てとれる一方、1位と3位は今だに疲れている様子はないわ、このまま行けば1位はジャケットで2位がパンプキンになりそうね』


『さてゴールまで残り20mを切りました先にゴールするのはどのチームだ!!』


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


「ん? 大丈夫マジカル?」


「ご、ごめん…そ、そろそろ限界かも」


 そう言うと少し速度を落とした、それもそうだ普通に全力で走るだけで体力を使うのに60kgもする重りを体に巻きつけた状態で走るのだから疲れないはずがない。


 その事に気付いた穂乃果は凪の体から離れ元の姿に戻ると元の二人三脚の状態に戻し走り始める。


『おっと上位に食い込んできた魔法少女だがここでファンラント選手が巻きつくのをやめたぞ!!』


『[おそらく体力の限界が来たんだろうね、人をおんぶしながら走るわけだから限界はくるさ]』


「……そろそろか」


 3位の久詩がそう呟いだと思うと速度を上げ2位の暁大学を軽々と抜かした、それに負けじと速度を上げる暁大学の命だったが相方の吉松がそれに着いて行かずに転んでしまう。


 その間に凪は2人を抜かし3位になる。


「やった3位!!」


【ほう喜ぶならこいつを喰らってから喜ぶんだな】


「やれロックレイジ」


 1位のロックレイジが地面に手を触れた瞬間、地面に包丁のように尖った岩が無数に生えたのだ、流石にコレはまずいと2位のパンプキンは足を止めてた。


「チッ、クソがコレじゃあ進めねぇじゃねえか」


「ちょっとコレはずるいんじゃないかな?」


「なんとでも言うがいい、このまま1位は我らの物だ!!」


『おっとここで大きな妨害だ』


『あの技は時間が過ぎれば消滅するけど、その消滅時間は20秒、それぐらいの時間があればゴールにできるわね』


『最後の最後に使って来ましたね、これはイエロージャケットが1位を獲得するか』


『[いやそう言うわけじゃなさそうだ]』


 目の前の棘にどうすることも出来ずに止まっているパンプキンの横を凪達は通ると止まる様子は見せず2人を息を合わせて大きく高くジャンプした。


『おおおお!!!これは』


「ちょっと危ない!!」


「ふん?馬鹿かジャンプして飛び越せるわけがない」


「チェンジ!!ミスティーラウン!!」


 鋭い岩が足に突き刺さる寸前に穂乃果の体が眩く光り輝きその姿をブラウン色をした魔法少女のミスティーラウンに変身させると同時に自分達の足元にシールドを配置した。


 そしてそのシールドの上を通り2人は難なく鋭い岩の上を通り過ぎた。


「な、なぬううううう」


『これはミスティーラウンの能力でしょうか』


『[ミスティーラウンはゴールデンシールドと呼ばれるシールドを展開する能力を待っている、それを岩の上に展開することで岩の上を通過したんだね]』


『凄いわね、見た感じその作戦を相談するようなかったのにやるなんて、凄い息のあったコンビネーションね』


「やった、このまま走り抜ければなんとかなるかな」


「くっ、まずいこのままでは」


【やらせるか石弾!!】


「まずいチェ‥」


 ロックレイジは叫びながら15cmほどの石を連発する、穂乃果は変身して石を破壊しようとしたがまるで弾丸のような石に間に合わなず、2人に襲いかかるが凪はくるっと体を回転させ穂乃果を抱き込む体制を作ると石を自分の身でうける。


「くっ…」


「そんなマジカル!!」


【そのまま俺達がゴールするまでじっとしているんだな】


 ロックレイジの攻撃は止まらず無数の石が凪に襲いかかる。そこまでの威力はないが普通に痛い攻撃に耐えながら穂乃果を守る。


「いった…痛い……痛いなもう!!ファンさんやり返して!!」


「わ わかったチェンジ!!シスタームーン」


 そう言うと姿を修道服を着た白髪の少女、シスタームーンに変えると凪の腋から頭を出し大きく息を吸って


「ド!!!!!!」


 と叫ぶとその声が反響し飛んできていた石を全て破壊し、その声が音符に変わりアスファルトを破壊しながらその音符がイエロージャケットに突っ込むと爆発した。


 そこまで大規模な爆発ではないが速度を落とすことに成功し、ロックレイジの攻撃が止まっると穂乃果は姿を元の姿に戻すと腕を伸ばし2人の足を縛る紐を思いっきり引っ張って2人をころばせる。


【うお!!】


「くっ…まだだまだ……」


『おっと!!後3mの所でイエロージャケットチームが転んだ!!』


『さっきの爆発で体が痛いでしょうし、立ち上がるのは時間がかかりそうね、その間に…』


 2人は最後の力を振り絞り地面に這いつくばっているイエロージャケットの2人を抜き去り……


『ゴール!!!!!!』


「はあ、はあ、はあ…」


「はあ はあ はあ」


「わ、私たち…」


「う うん…」


「「1位だ!!!!!!」」


 2人はゴールの白いテープをくぐり堂々の1位でゴールした、絶望的な最下位からのまさかの1位に会場は大盛り上がり、至る所からシャッター音が鳴り響き歓声が2人を祝う。


 そんな2人はもう疲れ果てた感じで地面に大の字で横たわり体全身が動くほどの大きい呼吸をする。


「はあ、もう疲れた」


「この後の大会にも出るってマジ? もうそんな体力残ってないって」


「頑張ろファンさん」


『なんと1位はダメージセーブルズの魔法少女だ!!!!』


「まだだ1位は行かなくとも2位は…グベ!!」


 起きあがろうとしたサイレントナイトに後方から走って来た麻央が岩を思いっきり投げてサイレントナイトを気絶させ、起きあがろうとしたロックレイジの体を久詩が踏みながら走りパンプキンが2位に入った。


「いえーい!!!!みんなみてる」


「くそ…2位か1位は狙えなかったか」


「まあまあいいじゃん2位でも、2人とも大丈夫?」


 麻央は足の紐を外すと大の字で寝転がってる2人に手を差し伸べ、疲れている様子は全く見せずに2人を起き上がらせる。


「凄い追い上げだったね、お姉さん驚いちゃったよ」


「も、もうへとへと」


「え えーっと…パンプキンさん なんか全然余裕そう…ですね」


「鍛えてるから」


 そんな雑談を横目に気絶しているサイレントナイトを抱えて歩くロックレイジだがそんな事をしている間に暁大学の2人がその横を通って3位で通過。


 ゆっくりながら歩いているロックレイジに楓は背後から花火をくらわせ2人を倒させるとそのまま横を素通りし難波大学が4位で通過。


 起きあがろうともがいている隙にアサヒコールが2人を抜いて5位で通過しイエロージャケットが最下位。


「そんな馬鹿な!!!!!!!!!」


 ジャケットの社長はそう叫びながらアスファルトに膝をつけ、その様子をまた2人は少し笑いながら軽く拳をぶつけたのであった。

どうも現在3時朝の3時!!眠い!!寝る!!おやすみ!!!!!!

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