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第107話 大きな一歩

 二人三脚まであと40分になり焦り出す凪と諦めてる穂乃果の2人は二人三脚の練習をしていた…が……イエロージェケットの社長に馬鹿にされてから全くもって時間が経過してない事も一歩も進めておらず地面に倒れていた。


[な、何してるんだい]


「……ダメだこれ」


「疲れちゃって一歩も動けないや」


「………あなた達全然ダメね………」


「し、仕方ないじゃん初めてなんだし」


「そうだそうだ いきなりやって上手くできるわけないだろ」


「……まったく、そもそも貴方達離れすぎなのよ、もう少しくっつきなさいよ………」


「く、くっつくって…」


「………まず、普段のように走ろうとしてる、まずお互いをサポートするように内側の手を相手の腰に回すの……」


 そう言いながらシスターは大型犬が通れそうなぐらい離れていた2人をくっつけると互いと手を腰に回した。あまりこう言うことに慣れていない穂乃果と普通にファンだった凪は少し頬をあからまさせ、あまり目を合わせないようにしていた。


 ………今頃な気がするのは私だけだろうか。


「………いい手の位置が高いとやりずらいから、腰の位置に手をつけるの、そして抱きつくみたいに離さないでやったらもう少しはうまく………」


「………(ドドドド、どうしよう凄い今更だけど大人気Vtuberのファンさんと二人三脚してるんだよね、見た目も声も中身も同じだし、気にしたら凄い緊張してきちゃう)…」


「(うわぁ 凄いいい匂いするんだけど 何かのベービーパウダーみたいな甘い匂い それに意外に硬くて抱き心地のいいこの体…)」


 2人の心拍数が自然と上がり、2人がより照れ始め、それをシスターが死んだような目をしながら見つめる。


「………なにこれ?初夜………」


[2人ともツッコミずらい小ボケを挟むんじゃないよ]


「「ボケてないし」」


「………仲良いわね………」


「それほどでもうへへ」


「そ それよりこれ走りずらいよ あ あまり こうくっつくの慣れてないから す 少し緊張して」


[照れてるのかい?そんな格好しておいて]


「なんだお前 あんま舐めてると ねこまんまにするぞ」


「私も…その……少し恥ずかしいかな」


[なんで2人して今頃照れてるのさ]


「だ、だって…さあんまり気にしないようにしてたけど普通に配信とか見てるぐらいのファンなんだよ、そのご本人とくっついてるんだよ」


[…君たち一緒に風呂に入ったろ]


「いや…その…それはほら違うじゃん、ファンさんじゃなくて穂乃果ちゃんだったから……」


[同じじゃないか]


「ち、違うよ!!」


「あぁ〜あなんかわかる気がする 私が翼さんにも同じ感想抱いてる 普段の配信キャラを作ってない時は平気だけどキャラ作ってる時に一緒に居るのは少しきついもん」


[それは別じゃないかな]


「………いい、2人とも恥ずかしくで勝てるほど大会は甘くないのよ…………」


「別に私大会に出たいわけじゃないし そもそも無理やりと言うか」


「でも、一位にならないと罰ゲームだよ」


「し 仕方ないじゃん勝てないんだし」


「そんな戦う前から諦めるの、それにいいの、人前で大声上げながらビラ配るんだよ」


「…そ それは……」


「いいの皆んなに見られるんだよ、見られた後に配信者フェスの舞台に上がるんだよ、皆んなから負けて宣伝してた人だって思われるよ」


「そ それは…や や やだ やだやだやだ そもそも大会にだって出たくないのに なんでこう言う時に限って2人ともいないの!!」


[どのみち身長のことを考えると君しか残らないとおもうぞ]


「ぐぬぬ 結局私になるのか 本当に私が出ないとダメ? クラフトが変身して出場すれば…」


[それだと魔法少女の隣にいるのが誰だと言う話になるぞ]


「な ならシスターは」


「………私はそもそもヒーロー部門での参加よ、この大会で参加できないわ………」


「く くそが どう足掻いても出場するしかないのか」


「と、とりあえずこの状態で歩いてみよう」


「……え えー」


「ほら一緒に行こうよ、私達ならキット優勝できるから」


「わ わかったよ右足だよね」


 そう言いながら穂乃果は右足を上げ、それと同時に縛られている凪の左足も上がりそのまま前に踏み出す、練習して20分ようやく1歩目である。


 そのまま凪は右足をあげ1歩踏み出し、穂乃果は左足をあげ1歩踏み出す、そしてゆっくりと右足と左足を同時にあげ2歩目を踏み出す。


「で、できた」


「………掛け声つけたほうがやりやすいわよ………」


「掛け声か、何にする」


「帰り たい 帰り たい とかどう」


[タイミング取りずらいだろ、普通に1.2.1.2でいいんじゃないかな]


「それで行こう、せーの」


 そしてゆっくりながらも2人は歩き始め、転ぶ事なくいい感じに歩けている、老人の散歩よりも遅い歩きだ、コレが大会当日でなおかつ40分前の練習風景なのだろうか。


「………もう少し足を外側に向けるといいわよ、ガニ股の方が安定するわよ、それと腕の振りも合わせた方がいい……」


「な、なるほど、い、いけるファンさん」


「う うん なんとか」


 2人はシスターから言われる通りにガニ股にし、腕の振りを合わせながら歩く、心なしかさっきよりも早く見える、見える…いや…そうでもないか、そんなに変わってないなコレ。


「「1.2.1.2.1.2.1」」


[凄いじゃないか2人とも普通に歩けてる、今までの練習が茶番みたいだ]


 茶番だろ絶対に


「………それじゃそろそろ走ってみたら………」


「い、行けるかな」


「ゆっくり行こう ゆっくり」


「わかってるよ、行くよせーの」


 2人はタイミングを合わせて少し速度を上げ、徐々に速度を上げていき軽いジョギングぐらいの速度で走れていた。


「いい感じ、いい感じだよファンさん」


「そ そうだね でも勝てるのかな他の人はコレより早いだろうし」


「………少なくとも今の貴方達より早いのは確かよ、それに能力を使った妨害も出てくるだろうし気をつけた方がいいわ………」


「ですよね、なんか必勝法とかあればいいけど」


「必勝法 必勝法か私がクローシアに変身して全員を糸で縛るとか」


「そうじゃん、それを使ったら私達余裕で勝て…」


「…………それはルール違反よ、相手選手を長期間拘束するような行為は禁止に決まってるでしょ………」


「くそ」


[それに普段から敵対していて、一般人からも研究所を破壊する犯罪者と思われてるやつに一般人の目の前で変身して能力を使うのかい]


「そう考えるとダメだよね」


「な ならさ別に足が結ばれていれば片方は歩かなくても問題ないんだよね」


「………そうね、ルールでは問題ないことになってるわ、過去にも摩擦力を操って片方の選手が歩かなかった大会もあったしね、だけど紐が千切れた場合謎時点でリタイヤよ………」


「なら相手選手の紐を全力で切りにいけば」


[狡い手を思いつくんだね]


「………別に問題はないわよ、ただ………」


[魔法少女がそんな狡い手を使ってまで勝っていいのかい]


「そ、それは…」


「別に勝ちは勝ちじゃん」


[ダメだ]


「チッ でも片方が歩かなくてもいいなら 私にいい作戦がある」


「え?一体どんな」


 2人は足を止めて絶対にろくでもない作戦を話し始める。試合まであと35分、そんな時間で勝つことができるのだろうか、もう3000文字を超えたため次回に続く。

さて書くことがない作者です、いつもながら書かことがありません、そう言えばこの大会の話ですが元々の予定にはなかった話なんですよね、なんで書いたのかと言うとフリーサイズマンの掘り下げとマインドレスのはなしを書くためですね。


前々回真琴の依頼人がマインドレスだと判明した話がありましたが、この話は予定にあり入れる予定で数ある話の中の1話単独の話として出そうとしてました。


しかしこの話を出すには真琴が事務所にいて、図書館が登場するより前で尚且つ本筋とはあまり外さないエピソードじゃないとダメなんですよ、で本来の予定ではこの大会がなく図書館の話をする予定だったんですよ、しかしそれだとこの話を入れる事はできないとなり、急遽大会の話を追加しました。


ちなみに一話単独なら他の話に入れれただろと思うかもしれませんが、まずドリーム&パープルはそもそもこの日に依頼しに来たのに依頼が終わった話をするのかとなり

続く神々が眠る山も真琴が大きく絡む話ではなく、ここで入れたら話が外れるのと前回依頼して次の回で取りに来るのは早すぎると思ったからで

次の海はそもそも真琴が事務所にいない、次の総集編は真琴はいるけど逆に全員いるからダメだなとなり、今に至ります。


まあどのみちフリーサイズマンの掘り下げはしないとなと思っていたので問題はないですね。

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