第103話 賞金首をどうするか
〜〜〜神川探偵事務所〜〜〜
「………と、言うわけよ、あなたのモンスターの血液が狙われる可能性があるわ………」
シスターはそう言いながら真琴が出したコーヒーを飲み、そのシスターの顔をクラフトと暫ばジロジロ眺める、その理由はおそらく知り合いに似ているからだと思われる。
雰囲気といい喋り方といい髪型といい、それら全てが仲間の佐野 饗【マジカルクレセント】にどこか似ているのだ、まるで姉妹のように似ているがおそらく似てるだけなのだろう。小説なのにデザインの使い回しか?
「………ね、ねぇ、クラフト」
[僕も思ったけど…他人じゃないかな]
「………なによ、さっきからジロジロ見て…………」
今や日本のトップヒーローと呼ばれるフリーサイズとシスタームーンが事務所に来たことで凪と穂乃果は大慌てだが真琴は余計なことを言わないように自分の寝室に2人を閉じ込め。
炎二は冷静にボードに書いてある情報を消し、顎門はそろそろ12時になりそうだから全員分の料理を作り始めた。
「「今日はかなりひとがいるな」「ねえあんた達ご飯食べる?」「いきなり来た客人がか」「飴玉でも食ったろ」「まあまあ、何が食べたい」」
「………何よあなたさっきから言ってることがめちゃくちゃじゃない?喧嘩売ってるの?………」
「まあまあシスターくん、今日僕は話し合いをしに来たんだ、えーっと…エボリューターくん?いや太一くんだったかな」
「あ、はい」
「君達魔法少女がヒーローズハントで賞金をかけられている現状、あまり目立った行動をして欲しくないと思ってる」
「「自分の手柄が取られるからか?」」
「よせ顎門くん」
「むず痒い事を言うね、まぁ…あながち間違ってはいない、実際最近の僕の仕事は君達の後片付けだ、なあ炎二くん」
「そうですね」
「出動する頃にはムイナか魔法少女が片付けている、おそらく君達に賞金をかけてるのは利益が横取りされている連中が出してるんだろう」
[ヒーローが賞金を出してるのかい]
「私は違うよ、横取りされても稼げてる」
「………少なくともそう言う奴が居るのは確かね、1ヶ月前にもそれで逮捕された奴がニュースで流れてたでしょ………」
「見た気がします」
「少なくともビームから血の有用性が世間に明かされれば君は一気に狙われることになる、もう既に裏社会には流出してるな、君を生かして捕獲した場合の金額は1000万をいってる
君が狙われると言う事は必然的に他のメンバーも狙われる、できれば活動を自粛してほしい所だが……その…君以外のメンバーはどこにいるんだい、流石に子供相手にこう言う話は難しいかい」
「ご、ごめんなさい、え、えーっと」
太一は助けて と言うか視線を真琴に向け、その視線に耐えきれなかった真琴がため息をつきながら太一の前に立つと変身するのに使う赤の眼鏡とバンドをヘンリーに見せる。
「…なるほど君がそうかい」
「はい、私は神川 真琴ですここの探偵事務所の所長で保護者みたいなものです」
「………あなたが?………」
「「お?テメェ可愛い子供だと思ったか?」「この人割とお年頃よ」「そろそろ結婚を考えないとやばい歳」「周りはみんな結婚してるのにねぇ」」
「う、うるさいなあ!!別に私以外にもしてない人いるし、まだ39だしまだまだ可能性あるよ」
「「居るって…1人は翼だろ」「病気で妊娠できない人を出すのはいけないよ」「実際クラスメイトの子供をおもりしてるわけだし」「私でも彼女いるのに」」
「……………」
「ああ、その…結婚が全てじゃないさ」
「そうだぞ真琴」
「子持ちに言われても説得力ないって」
「しかし彼女は炎二くんの知り合いだろ、どうして私に言わなかったんだい」
「俺としても上層部には秘密にしてることですので」
「ムイナ君と同じ感じか、つくづく君はグレーの道を行くな」
「活動の自粛の話は無理ですね、私達が狙われているのか分かりますが、私達は人々が死にかけているのを見過ごす事はできません」
「立派な考え方だね、だけど君達を守る人間は誰もいないよ、それでも活動するのかい」
「はいもちろん」
「…………言っとくけど目的は何?人を助けたいだけ?助けても何もないわよ、仕事でやってるわけじゃないからお金は貰えない、ボランティアでやるようなことじゃない………」
「1つ目標があるとするならマインドレスの逮捕、それだけよ」
「マインドレス?」
「現在マルチスキンと手を組んでる誰でも操れる犯罪者です、俺はそれを捕えるために真琴と協力関係を結んでいます」
「マルチスキン?奴なら死んだはずだが、クローンが作られたのか」
「…………いや、流石にそれはないわおじいちゃん…………」
「マインドレスはてるてる坊主事件の他に様々な事件に関わっていると思われ、真琴より前の魔法少女を倒した犯人でもあります、そんな奴を野放しにはできない」
「………なんでそれを言わないのよ、それこそ私達の出番でしょ…‥」
「いや、私達じゃ対処できないんだろう、警察と同じで証拠が無ければ動けない」
「そんな所です」
「そのマインドレスが逮捕させるまで私達は活動を自粛するつもりはありません」
「なるほど…そうか……これは…困るね、だが逮捕するには証拠が必要だろ」
「証拠なら3ヶ月後に…」
「………3ヶ月の間あなた達は狙われ続けるのよ、そもそも3ヶ月後に出てくる証拠ってなによ………」
「…雉兎くん」
「分かりました、こっち来て」
「………え?なによ……」
暫はシスターの手を引くとそのまま事務所の奥に連れていく。
「………え、これって………」
「そう言うこと」
「………な、なるほど…これは………」
「一体何の話をしてるんだい」
「女の秘密と言うやつですよ」
「1つ聞きたいけど、そいつを捕まえる方法は考えているのかい、あの事件を引き起こせるやつなら素人が手を出すのはやめておいた方がいい」
「ですがあなたは手を出さない、手を出せるのは私達のような自警団だけ」
「そうだね、こう…命の危険を知らせれば活動を自粛するものと思ってたから意外だったよ、この手は使いたくなかったんだけどな」
そう言いながらカバンの中に手を入れ、何かを取り出そうとする、その行動に真琴は少し警戒しながら眼鏡を手に取る。
「……………」
ヘンリーはカバンの中から勢いよく何かを取り出すと真琴は眼鏡を手首のバンドにかざし変身した、しかしヘンリーの手に握られたのは契約書だった。
「ん?どうしたんだい変身して」
「あ、いや…なんも…ないです、それよりそれは……」
「断られた時の代案だよ、私の派生チームの1つとして君達を迎え入れると言う話だ」
「それは…どう言う」
「簡単に言えば君達と私で同盟を結ぼうと言う話さ、具体的に言うならダメージセーブルズの戦闘部隊の1番に属する事になる、そうすればセーブルズの社員として活動できるからヒーローの資格は必要なくなる」
「…ヘンリーさん、それはかなりグレーゾーンでは」
「君がしてる事と同じぐらいグレーゾーンだね、書類上では警備員だけど実際は警察と同じ事をする感じだしね」
「そんなグレーゾーンをせめて貴方になんの徳が…」
「1つは手元に置いておけばムイナ同様監視しやすくなるのと、2つ目は私が動けなくなった時に頼みやすくなるのと、3つ目は消える利益が私のものになる」
「…なるほど」
「どうかな、悪い話ではないだろう」
どうも階差宇宙で苦戦中の作者です、レベル4まではいけたんですがその先が全然無理です、ルパードを狙いながらやってるからでしょうか集めた奇物が中ボス前で消えたり、有利奇物が消えて不利奇物が2つ増えたり、星3が消えて星一になったり、消えた瞬間にルパードが2つ獲得できるイベントが来たりでレベル5から全く進めません。
こうなると諦めた方がいいのかなルパード。