第99話 ヒーローズハント
[その男と幹部達の他に僕たちの敵はいる、いつ襲ってくるかわからないやつだ警戒はしないとな]
そう言いながら魔物の絵を描き終わる、それはまるでムカデのような姿をした魔物でクラフトはその絵の下に魔物の名前を書く、コンプレックスと
「コンプレックス?」
「コンプレックスって…あいつ」
キッチン前の椅子に座ってた暫は食べていたプライドポテトを机の上に置くとレモンジュースを飲みながらホワイトボードの前に立つ。
「知り合いかい雉兎くん」
「コンプレックスは私達が昔に倒した奴です」
[本来は人間の心の闇、歪んだ精神にとりつき心の闇を増幅させると言われる怪物・・いや妖怪と行った方がいいのかな、肉体を持たない幽霊みたいな存在さ]
「なにそれ 何でいきなりオカルトの話をしたの」
「それより肉体を持たないと言ったけど、倒したってどう言うことだい雉兎くん」
[そんな存在が魔力を手に入れるとその魔力で肉体を作るようなんだ、そしてそれが意思を持って過去に襲いかかって来た]
「それを私達が倒したんです、だけどなんで今その話を」
[奴が再び姿を現した、まあ不完全な状態だけどね、だが凪に取り憑いて完全に復活しようとしていたし、今後メンバーが狙われる可能性も…]
「え?待って」
エアコンの真下に居る凪がエアオンの温度を上げようとしながら手を挙げた。
「取り憑かれたって…私が?」
[うん]
「え、嘘待っていつ」
[………え?、ちょっと待ってくれ、気づいてなかったのかい、戦ってたじゃないかい]
「初耳だよ、え?待って」
エアコンの冷房を消しながらホワイトボードに書かれたコンプレックスの絵を指差す。
「私こんな変な虫みたいなのに取り憑かれてたの、しかもそれに今までずっと気づいてなかったの」
「待ってくれクラフトくん、そのコンプレックスは人に取り憑いてその人の心の闇を増幅させる妖怪なんだな、それが魔力を手に入れようとして猿渡くんに取り憑いてたのかい」
[魔力を手にすると言うより体を乗っ取る事が目的だろうね]
「怖っわ!!待ってそれいつの話」
[ほら君がゴッドウォーズを手に入れた日さ、いや…正確に言うなら多分学校の時だね、学校の全員が眠らされた時があっただろ]
「あぁ〜あ、あったね私も眠らされたやつ」
[おそらくその時だろうね]
「…え?まじで、あの時からずっと変な虫に取り憑かれてたの」
「本人も気づかないの?」
[らしいね、まあコンプレックスは人間の闇を増幅させる、あくまで増幅させるだけなんだ、性格を悪くするとか存在しない記憶を作るとはそう言うのじゃない]
「下手したら私達も取り憑かれている可能性があるのか」
「なにそれ怖い と言うか取り憑かれるかどうかクラフトからわかるんじゃないの?」
[言っただろ心の中に潜むんだ、奴を見つけるのは心を読むか、体を乗っ取るために外に出てくるかを待つしかない]
「幹部の他にこんな奴がいたと…なんで今頃話すのかなクラフトくん」
「1つ聞きたいが、警察に何かできることがあるか」
[…正直に言うとない、取り憑かれた人を僕達が引き剥がして、その人を確保ぐらいかな]
「そうか、ちなみにそいつは闇を増幅させて体を乗っ取ると言う解釈でいいのなら、警察が追ってるような犯罪者の体を乗っ取る事もするのか」
[おそらくできると思う、なんなら凪達を倒すために強力な犯罪者の体を乗っ取る事も考えられるかもね]
「はぁ…こんなタイミングにか」
炎二はそう言うとため息をこぼしながらうちわを手に取りあおぐ。
「パパ タイミングって…何の話 と言うか暑いよ!!なんでエアコン消したの凪」
「だって…寒いんだもん」
「エアコンの真下に居るからだって まず暑いなら上に羽織ればいいじゃんか!!」
「やだよ寒いし羽織るものないし、そもそも開いてる席がエアコンの真下かボードが見えないキッチン前さかないんだもん」
「もう 熱いんだって」
穂乃果は腕を伸ばして凪からリモコンを取り上げると冷房をつける。
「あぁ〜あ…」
「話を戻すが…ここ最近警察は忙しくなってる」
「逆に忙しくない日があるのかい」
「忙しい理由はスーツの増加だな、いろんな犯罪組織が薬物みたいにスーツを売り捌いて馬鹿な奴らがそれを使って街中で暴れる事件が起こってる
しかも、そのスーツの素材を栽培していたハイチュリオンが逮捕されたことでその各地にある栽培場の我が物にしようとしている組織の争いが各地で起きてる」
「………ハイチュリオン?」
[君が森で倒した男だよ]
「足をつけないように少しずつ売ってたスーツの在庫を誰かが一切に売り始め、そのせいでスーツが増加それに伴いヒーローズハントの活動も活発になってる」
「ヒーローズ…ハント?」
[聞かなくても名前だけでわかるな]
「簡単に言えばどっかの誰かがヒーローに懸賞金をかけたんだ、今まではヒーロー自体が強いから対処できたが、力を増幅させるスーツを使うやつが出て来たせいでヒーローが倒されることが多くなってる」
「大変だね」
「言っとくが他人事じゃないぞ、ムイナを含めた自警団にも懸賞金がかけられてる、もちろんお前らにも」
「うそ?私達が」
「なんで 何も悪いことしてないし 私たちを倒しても何の徳もないじゃん」
「ちなみに懸賞金はいくらなんだい」
「…ピンクが18万」
「おぉ〜お18万、お菓子いっぱい買えるじゃん」
「中学生の感覚だと高いかもしれないが、普通に安いからな、18万なんて2ヶ月普通に暮らしてたら消えるぞ」
「真琴が20万」
「高い」
「まじで 高性能のPC買えるじゃん」
「やっす、サラリーマンの月収より安いじゃないか」
「エボリューターが50万」
「一気に上がったね」
「なんだろう全然嬉しくない」
「アレかな、太一くんはグラウストくんたちが居るからかな」
「で、穂乃果が…500万」
「ブッ!!」
穂乃果は聞き流さない言葉に口に入れたお茶を勢いよく吹き出した。
「待って え?私だけ高くない 500万?500万!? なんで」
「多分だが…配信してるからだろう、登録者数も止まらずに増加傾向にある、実際お前がリアルイベントに参加する事が判明した瞬間、舞台の先頭席が値段が一気に上がった」
「それが居なくなったら、得する人間は多くいるかもね」
「うわぁ 怖い…もう大人しくしてよ」
「とにかく気をつけたほうがいい、金を欲しがってる奴らがお前らを狙ってる、しかもそう言うやつにコンプレックスが取り憑くこもとありえる」
「色々問題点が出て来たな、やはり話し合いの場を作ってよかったよ」
そう言うと真琴はボードに今の話し合いで出た情報を書いていく、スーツの売買をしていたハイチュリオンが逮捕され大量の在庫を何者かが全て売り、そのスーツを使った犯罪者の増加
それに加えヒーローズハントの過激化、その連中にコンプレックスが取り憑いて襲いかかる可能性が増加と分かりやすくイラストと一緒に書く。
「…その在庫売り捌いた人は誰なの」
「全く足取りを掴めてない、まあかなりの額を手に入れたのは確かだな、少なくとも20億以上は…」
「ごくり」
「問題が増えたな、幹部連中にコンプレックスにスーツ使用者か、とりあえずここら辺は後で話し合う、1番の問題…私達の最終目的の話をしよう」
そう言いながらフリー素材写真の下に名前を書き始める、マインドレスと
どうもたまには夜ご飯を作れと言われた作者です、正直に言って料理をまともに作ったことがないので不安しかありません、2年前ぐらいにカレー作ったらなんか変な味になりました。
さて、最近タイトルを変えようかなと思ってるんですよ、元々タイトルに思い入れがないのと次回で100話になりますが未だに納得できてないんですよね、なのでもしかしたら変えるかもですね。