第10話 これってなんてエ
私はあなたの敵だ、個人的にこの手の言葉はとても好きだ、名前を言っていけないあの人も娘が娘じゃない磁界王もこの手の言葉を言っていた、いい宿敵はこの手の言葉がよく似あう。
しかしその言葉を言うのがふざけた髪をして一眼レフカメラを持ち口から涎を出している幹部なら一気に嫌な言葉に変わる。
同じ意味の言葉でもここまで感じ方が変わるものなんだと自分でも驚いている。
「私の…敵」
凪も困惑しながら距離を置く。
パシャ
「そうでしてよ、私はあなたを倒しめちゃくちゃにするために来ましたの」
パシャ パシャ パシャ
[なぜここがわかった]
「あ、変な毛玉入り込んでる、後で消しとかないと」
[こら!!僕の話を聞け]
「しれたこと、あなたのテレポートが完璧なものだとお思いで、その気になれば簡単に逆探知可能ですわ」
[ば、ばかな]
「あなたの魔法は古いのですよ、さあ私と戦いなさい」
「え、やだ」
「なぜ」
「私は戦闘狂じゃないし、理由もなく戦いなくない」
「理由ならありますわ、私はあなたをめちゃくちゃにしたい、それ以外の理由が必要ですの」
「…な、何この人同じ言語を使っているのにまるで会話になってない、け、警察に通報した方がいいかな」
[別にいいんじゃないかな、君が倒せば問題解決さ]
「えぇ(困惑)」
[今この場所で戦えるのは君だけさ、さあ拳を握れ!剣を取れ!]
「さあ!!私とあいまみえようではないですか魔法少女」
「…何このノリ、私このノリ嫌い」
「そっちが来ないなら私からいきましてよ!!」
ツインドリルの彼女がそう高らかに宣言すると、マニュキアが塗られ人でも殺すのかと思うほど長い爪を自分の手のひらに食い込ませ手から血を流す。
明らかに手からの出血とは思えないほどの大量の血が流れ、その血が公園の芝生に落ちるとその血はまるで水溜まりのように広がり、その血溜まりから無数の手が伸びる。
「え、何アレ」
血溜まりからウネウネと伸びる血の腕は数十メートルまで伸びると一斉に凪に向かって襲いかかる。
戦う気もやる気もない凪だが攻撃されるなら別問題、明確な殺意を持って自分に向かって伸びる腕を避ける、しかし避けた先の地面から腕が伸び凪の腕を掴み地面に叩きつける。
「え?」
「避けられる事ぐらい想定内ですわ」
掴んだ手を引きはがそうと力を込めて引きはがそうとするが全然剥がれない。
仕方ないから腕を攻撃しようとしたが腕は蛇口から出る水のように掴む事は出来なかった。
「な、何これ男の人に掴まれてるみたいに全然離れない」
パシャ パシャ パシャ パシャ
「この、全然取れない」
「いえバッチリ撮れてますよ、この藻掻く表情なんて最高に」
パシャ パシャ パシャ パシャ
「ちょっと!!なんで撮ってるの!!」
「いや〜いいですね、魔法少女は拘束されてる姿がよく似合いますよ、丁度スカートの中がみえ・・」
カメラのレンズとフェイスの邪な視線が見えそうなスカートに集まるのを感じた凪は頬を赤らめながら拘束されていない腕てスカート隠す。
「見えないよ」
「さて、前の人達も可愛い声をあげましたけど、あなたはどう言う声をあげるのか、聞かせてください!!」
血溜まりから無数の腕が伸び4本の腕は凪の腕や足を拘束する、他の腕はスカートをめくろうとしたり胸を揉みしだいたりとほとんどがエロ親父のようなことをしている。
作者の趣味だろうか。
パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
「き、気持ち悪!!と言うか何で撮ってるの!!」
「はあ、はあ、はあ、可愛いですよ、ほてった顔に流れる汗に一本も毛もないスベスベな脇、もっと、もっと、焦らし目で…」
「さ、流石にィ、あっ……私も怒るよ、クラフト!!剣出して、あるでしょう、投げ…うっ」
[無駄さその腕は液体、切ることはできない]
「だ、れ…が あっ 血を切れって」
[え、まさか……いいのかい]
「無駄ですわ、誰も逃れることはできませんわ、さあ観念して私のオモチャに…」
[顕現せよ幻想龍記スペルコード]
クラフトは青い剣のストラップを取り出すとそのストラップに魔力を注ぎ込むとストラップが40cm程の剣に変化する。
その剣を両手で持つと体をクルッと一回転させながら拘束されている凪に向かって投げつける。クラフトの手から離れた剣は放物線を描きながら血の腕を切り裂く。
しかし
「無駄なこと、液体を切るなんて無理なこ…」
ザク!!
血の腕は切れずに剣はそのまま掴んでいた凪の腕を切り落とす。
「………え?」
[剣よ僕の意のままに]
その剣はまるでクラフトが操っているかのようにクラフトが腕を動かすと剣もその動きに連動して宙を自由自在に動く。
自由自在に動く剣は凪の腕や足を切り落とし、頭と胴体だけを残すと胸に剣を突き刺し体を持ち上げ、そして血溜まりがない木の上に凪を降ろす。
「え、うそ、え、その…え、殺し…」
困惑が隠せないフェイスをよそに死体みたいに項垂れ瞳に光がない凪の目に光がやどり口を開く。
「……い、いっだぁああああああああ!!!!!」
近くの木が揺れるほどの叫び声を上げながら血まみれの凪の体は周りの分子を変えながら腕と足を作り出し傷口を塞ぐ。
「ぐっ……ふん!!」
胸に突き刺さった剣を抜く。
「痛たぁーーーーーーーー!!!!!」
「凄い再生能力ですわね、大丈夫ですの」
「ちょっとクラフトもう少し手加減を」
[ど、どうすればいいんだい]
「ふふふ、とてもイジメがいがある能力ですわね、さあその木から降りて私と戦いなさい」
「……………」
「さあ!どうしました早く降りて来なさい」
「…………」
凪は10m程の高さから下を見る、10mと言うと電柱がそのぐらいと言われている、家にいる人は窓から見てみようかなりデカいと思う、そしてそこから梯子なしに降りることを考えてみよう。
怖くないと言う人の方が少ないと思う、凪はジェットコースターどころか観覧車も乗れないぐらい高所恐怖症である、そんな人間が10mの高さから降りれるだろうか、いや降りれるわけがない。
木につかまり両足をプルプル震わせ、今にでも泣き出しそうな表情を浮かべ震える声で言う
「……えーっと…きょ、今日はこの辺で勘弁を…」
「それあなたが言う台詞ではなくてよ、さあ早く降りてくださいまし」
「……いや無理、ごめん無理、高いとこ無理無理無理!!」
「空飛びなさいよ空を、飛べるでしょ」
「まだ教わってな、わぁあ!ちょっと揺らさないでよ」
「おらおら、早く降りて来なさい!!」
フェイスは凪が足をプルプルと振るわせながらしがみついている木を思いっきり揺らす、酷いことをする奴だ人の心などないのだろうか。
凪も凪で下を向かずに瞳を閉じ、その瞳から涙を流し木にしがみつく、なんてみっともない戦い方だ、これが魔法少女なのだろうか。
「ヒィィィィイ、やめて、やめてよ、ちょ、ちょっとクラフトさん助けて」
[…( •̅_•̅ )……]
「え、何その顔、と言うか前みたいに逃げましょうとか全然言わないじゃん」
「オラオラ!!降りんかい!!」
「待って、本当にダメ、ダメなの揺らさないで、クラフトゴラァ早く助けてよぉ!!」
[…( •̅_•̅ )……]
「キリがありませんわこうなったら」
フェイスは足元の血溜まりに手を突っ込む、水溜りほどの深さしかない血溜まりに何故か右手全てが入り、その血溜まりからチェーンソーを取り出しそのまま木を切り落とそうとする。
ぶうィィィィイイイン
「ちょ、ちょっと流石にそれはこの敷地の所有者が黙って…うぉおお!!落ちる!!」
「環境破壊は気持ちいいですわぁ」
「おいバカやめろ、やめて本当にやめてください、た、助けてクラフトさん助けてぇぇぇェェェ」
[…( •̅_•̅ )……]
よく中学生はもう大人のようなものだと言われている、別に私はガキはガキだろ頭悪いのかバカがとは思うがクラフトの目はそんなバカと同じような目をしている。
もう少し具体的に言うと自分でなんとかしろよと言いたげなマスコットがしてはいけない目をしている。
そんな目から凪は何かを察したのか震える瞳を瞑りゆっくりと呼吸をする。
「落ち着け、落ち着け私……ふぅう………と言うかそもそも腕と足がなくなっても治ったんだし、木の上から落ちても問題ないんじゃ…」
「オラオラオラ!!とっとと降りんかい!!」
「……よし」
凪は一呼吸おくと剣と弓のストラップを握りしめ思いっきり足に力をこめ木の上から飛び降りる。
風が凪の頭をなびかせ、空中で広がる景色が凪の瞳に映る、羽ばたくような感覚が全身を包み、重力に対抗するかのように、凪は自由自在に空を舞う。
「えい!!」
空の上からチェーンソーで木を切り落とそとしているフェイスに向けて剣を投げつける、フェイスはチェーンソーから手を離し飛んでくる剣を掴むとプラスチックをへし折るようにへし折り血溜まりの中に捨てる。
そんな事を悠長にやっている間にフェイスの真上を取りその真上からピンクの弓を構え矢を引く。
「取った」
どこかの後書きで言ってたエロゲをやりながら書いてた話がこれと次の回ですね、最初は普通に書いてたんですけど他の書籍化されて漫画化されてる作品を見て気づいたんですよ。
私の作品には可愛いキャラクターとエッサなシーンがないと、別に要らないとは思うんですよ、最初はちょっと腕が拘束されてただけで主人公も喘ぎ声をあげなかったんですけど、あった方がいいかなと思って入れました。
今回はそこまで酷くないんですけど次回が酷いですね、休憩中にアレが立ちました、最初に書いてたのがヤバすぎて多少控えました。