第92話 全てが試されている
「殺せグラディウス」
〔グオオオオオオオオオ!!〕
崩壊した蜃気楼から現れた龍は太一の命令のままビーム襲いかかる、鋭い爪でビームを引っ掻こうとするがビームはその攻撃を刀で弾くと、指と指の間に刀を入れさけるチーズのように龍の腕を真っ二つに切り裂く。
〔グオオォオオオオ〕
龍は叫びながら口を大きく開け火を吐く、ビームは刀をプロペラのように回転させ火を防ぐが龍は尻尾を伸ばすと尻尾でビームを掴む、だがビームが刀を上にあげた瞬間尻尾はサイコロのようにバラバラになってそこらじゅうに散らばった。
「口ほどにもないその程度でござるか」
ゆらゆらとまた蜃気楼が龍を隠すとさっき切られた尻尾と手が元に戻った。
「なん…と……」
ビームが驚く間も無く龍はビームを掴むとそのままはるか上空に投げ飛ばし、上を見上げ口を開けながら全身の炎を口に集める。
「やれグラディウスインフェルノ」
〔グオオォオオオオ!!!!〕
口から火山が噴火したかのような火柱を口から放ち100mぐらいの地点にあるビームに当てようとする、しかしビームはマグマのようにグツグツしている火柱を落下しながら刀をふるい火柱を真っ二つに切断する。
「くらうでござる」
ビームが空中で刀にエネルギーを溜め車のハイビームのような光を刀が放つと同時に刀をふるうと空間が歪んで見えるほどの斬撃が放たれ地上にいた龍を真っ二つに切り裂いた。
〔ヌオオオオオオ〕
しかし再び蜃気楼が龍の体を包むと体が再生する。
ズドンとビームが地面に落下すると同時に龍がさっきと同じようにインフェルノを使用しようと口を開けた瞬間ビームは刀を鞘に仕舞う。
すると龍の体がバラバラになり龍が溜めていた力がドカーンと暴発し当たりに血の雨が降り注ぐ。
「はあ、はあ、はあ…」
「やれ」
〔グオオォオオオオ〕
再び蜃気楼から龍が現れビームに襲いかかる。
「何度も何度も芸がないでござるな」
ビームは刀を鞘から抜くと走りながら膝を地面につけ上半身を仰け反らせ龍の突撃を下に入ることでかわし、その状態で刀を龍の腹に突き刺し切り裂く。
「ふん!!」
ビームが力を込めると刀から光線が放たれ龍の体を破壊する。
「…………」
「どうしたでござる、そんなものでござるか、些か期待外れでござるな」
「黙れ」
太一?が指をパチンとならすとビームの周囲を囲むように蜃気楼が現れると前後ろ右左上下の全方向から龍の頭が現れそれら全てが口を開けて突撃してくる。
「強くなったつもりか」
ビームは下から突撃してくる龍の目をつぶし額にのると再び刀に力を集めそれを解き放ち光線のような刀を回転しながらふるい全方向から突っ込んできていた龍を切り裂く。
「結局何も変わっていない」
そこらじゅうに散らばる龍の死骸が消滅し蜃気楼に変わり新たな龍を作り出し突っ込んでくるがビームはその龍を片手で止め首をへし折ると太一に向かって刀をふるい斬撃で太一の左腕を切り落とす。
「…………」
「貴様はただ見てるだけ、貴様のペットが倒すのを待つだけ、守られるだけの者は自分自身が強いと思い込む貴様は典型的なそれだな」
「何が言いたい」
「何も守れんさ、貴様は所詮守られるだけの存在、そんな奴が誰かを守るだとか救うだとは出来やしない、ただ小さな偽善でやった気になっただけ、結局何もできず何も守らずに終わるさ、このようにな」
ビームは徐に刀の先を後ろに向ける、刀の先には救護活動をしているピッカラと逃げ遅れた老人がいた。
「ふん…」
「お、お前…ピッカラ!!」
〔大丈夫ですか今…〕
ビームは刀をふるい斬撃を放つとその斬撃は救護活動をしていたピッカラに命中、もちろんピッカラが避難させるために抱っこしていた老人にも命中し2つの死体がビーチに落ち悲鳴がこだまする。
それを見ていた大和達も絶句し天子は恐怖からか涙を流す。
「あ…あぁ……な…」
「お前は誰も守れない、守られるのを待って自分が守ったような気分になるだけだ」
「な…なんて酷いことを…なんて…なんて最低なんだお前は」
太一の目に怒りが宿り殺意が心を蝕む。
「ん?」
「お前なんか…お前なんか!!!」
〔ガァァアアアア!!!〕
太一の背後に白と黒の蜃気楼が現れそこから龍が現れる、しかし龍の姿はさっきまでと違う、皮膚はドロドロで体のあちこちから沸騰した血液がドロドロと地面に落ち砂を溶かし、体の至る所から骨が見え身体中傷だらけでボロボロだった。
まるで死んでいるような龍は太一が指を刺すと同時にビームすらとらえられないスピードで近づくとビームの腹に噛みつきそのまま空を飛ぶ。
「なに」
龍の口からは高熱の唾液が溢れ、その唾液はビームの鎧を熔かす、流石にまずいと察したビームは刀を握るが龍はビームの刀を尻尾で弾くと噛み付いたままインフェルノを放ち、回転してビーム地面に叩きつける。
「ぐおおお」
「いいぞ、そうだ」
「何だこの力」
〔ガァァアアアア!!!〕
「叩き潰せ!!」
地面にめり込んでいるビームを尻尾で掴むと何度も地面に叩きつけ投げ飛ばす。
「ぐうぉ」
飛ばされたビームは自販機にめり込み抜け出そうとしたところで龍がビームを食べようと口を開き襲いかかる、ビームは両手を伸ばし龍を押す。
「ぐうううううう」
「そうだ、殺せお前なんか消えてしまえ」
「なあ、アレって…」
「太一くんのあんな顔初めて見た、凄い怒ってる、それにグラウストくんもボロボロ」
「かなり…怖いですね」
「うん、無理やり戦わされている感じがする、友達…なんだよねあの2人」
【…………】
康太達が少し離れた所で暴れる龍を見ていると大和が立ち上がった。
「や、大和くん」
止めようとする康太を払い除け大和はゆっくりと太一に近づき肩に手を置く。
「おい、やめろよエボリューターこんなのお前じゃ…」
「黙れ!」
太一は大和の手を払いのけ拳を握りしめると龍も拳を握り太一が殴ると同時に龍がビームを殴る。
「そうだ、そうだ、やれやれやれ!」
無抵抗なビーム何度も何度も殴る、地面にヒビが生えそのヒビにピッカラと老人の死体が吸い寄せられ、悲鳴が鳴り止まず子供は耳を塞いで涙を流す。
「おい、いい加減にしろよ」
大和は肩に手を置くが太一その手を払いのけ、まるで視界にないみたいに歩き出す。
「黙れ奴はここで殺す、必ずここで!!」
「おいやめろよ、こんなの…違うだろ、笑顔をもたらすんじゃないのかよ魔法少女は」
「そうだ、そこだ」
〔ガァァアアアア!!!〕
龍は苦しみもがくような声を上げる、殴っているのは自分なのにもかかわらず。
「やれ、殺せ奴を!!」
「おいエボリューター、リューター!!」
「ハハハハ!!アハハハハ」
「……やめろよ太一!!」
大和のその言葉に太一は手を止め振り返る。
「…な、なんで知って…」
パチン!! 大和は太一の頬を思いっきりビンタする。
太一は手を振るわせながら叩かれた頬に手を伸ばしたその瞬間手首につけていたバンドにヒビが生え崩壊し地面に落ちた。
「コレがお前のしたいことかよ太一」
どうも現在時刻12時の作者です、12時はあれですよ昼の12ではなく夜の12時です、なんでこんな時間なのかと言うと、まあ…アレですよ帰る途中にめちゃくちゃ車混んでるなと思ったら事故ですよ、どうして人はS字カーブを通って免許を取ったはずなのに真っ直ぐな直線で事故るのでしょうか、私には理解できません。
さて、今週はヤバいですねデュエプレの新弾に加えてデッドプール&ウルヴァリンですよ、楽しみで仕方ないですが眠いのでこの話は明日にしましよう、ではグッナイト。