第88話 強者を求める者
「くらえ!!」
バシン!! 高く挙げられたビーチボールを大和がジャンプしながら叩く、子供とは思えない威力で叩かれたボールはビーチから20mぐらい離れた海に飛んでいく。
「何してんだよ大和」
「飛ばしすぎですよ大和くん」
〔わーい わーい すごいとんでいった〕
「お、悪い悪い、なんか最近力のコントロールができないんだよな」
「それってぇ〜アレじゃない、能力が目覚める前兆とか」
「マジが超パワーか……地味だな」
「十分すごい能力だと思いますよ」
「いや、太一を見たらな」
「え?僕」
「いや、ほら魔法しょ…」
大和が何かを言いかけた瞬間に近くにいたリーチが大和の頭を叩き首に腕をかける。
「痛いなリーチなんだよ」
【…………】
「え?なに言ったらダメ?もういいだろコレ」
「何の話?」
「い、いや…何のことだが」
「はあ、ボールとってこないとだな」
「僕行ってくるよ、皆んな待ってて」
太一は海の中に入ると大和達に見えないように手のひらからクトゥカードを呼び出し、そのままクトゥを召喚してボールをとりに行かせる、流石に待ってると怪しまれるため少し泳ごうとした瞬間女性の事件性のある悲鳴がビーチに響き渡った。
「なんだ」
「さ、さあ」
「大丈夫みんな」
太一は急いで海から上がり周りを見渡す。
ビーチにいた人達が一斉に同じ方向に何かから逃げていた、その逃げている方を見てみるとそこには全身に銀の鎧を纏い血に濡れた刀を振り回している侍?が居た。
「な、なんだあれ」
「見たことありますよ、確かアレはサムライビーム、ヒーローと戦って勝つことが人生の目的にしている危険な奴です、倒したヒーローの数は50人を超えどれも無敗どころか傷一つ与えられなかったとか」
「なんでそんな奴がここに」
〔ねえねえ たいち〕
「わかってる…けど皆んなに見られるわけには」
「ん?なんか言っ…」
難聴主人公並みの聴力を持っている大和が聞き直そうとしたが天子が背中の翼を広げて大和を隠しながら下手な演技をしながら目を何度をこする。
「あ〜あれ〜〜メニスナガ〜〜」
「おい、邪魔だ天子何だよいきなり」
天子の行動を察したリーチは転んだふりをして砂山に頭を突っ込む、それと同時に康太はつけてたメガネをこっそりと地面に落とし、あたかも無くしたみたいな演技をしながら落としたメガネを探す。
「ア、アレ〜メガネドコ」
「メ二スナガ」
「皆んな大丈夫?」
〔たいち たいち いまだよ いまいま〕
「い、今?」
〔だれもみてないよ やるならいまさ〕
「わ、わかった」
太一は念の為に海の中に潜りながら右手首につけたバンドを左手で握りしめると眩い光を放ちながらエボリューターに変身し、それと同時にピッカラを呼び出す。
呼び出されたピッカラは太一を抱きしめながら海から飛び出す。
「ありがとう、これでよく見えるや」
〔せっかくの海で呼ばれたと思ったら戦いですか〕
「ご、ごめん」
〔水着も用意したんですよ、猫太郎もカマゾウも楽しみに…〕
「わ、わかった、わかったからとりあえず今はアレをどうにか…」
ビュン!!
雑談をしていたピッカラに斬撃のようなものが飛んくる。予期せぬ攻撃だったがピッカラは斬撃をかわし、一旦太一を上空に投げ両手を使える状態にすると背中にある弓を取り出し斬撃を飛ばしたビームに向けて5発の矢を放つ。
「ふん、こんなもの」
ビームはその矢を容易く剣で弾くが1本の矢がビームから少し離れた所に突き刺さる。その矢は他の矢と違い矢には煙を撒く機械が着いていた。
カチ と言う音と同時に煙が周囲に蒔かれる、ビームは剣をふるいその煙を吹き飛ばし上空を見るが上空にはピッカラの姿はなく、ビッカラは地上に降り立ち、太一を安全に地上に降ろすと再びビームに矢を向ける。
「なるぼど、安全に降ろすための攻撃でござった」
「お前は誰だ、なんでここで暴れてる」
「しれたこと、強者と戦いに来た、そこをどくでござる、貴様にはようはないピンク頭の自爆魔を出せ」
〔主人様おそらく〕
「お姉さんのことだろうね、でもお姉さんは…」
そう言いながら後ろを見る、凪が居るのはここからかなり離れた所で歩いて行こうと思うと10分はかかってしまう、そんな凪の元にビームを行かせれば逃げている人達に被害が及ぶ事は目に見えていた。
それに周囲には斬られた電柱の下敷きになっている人に、海から出れずにいる人、パラソルに隠れている人、いろんな人がまだ避難できていなかった。
〔た …リュータ〕
〔クトゥトゥトゥ〕
ボールを取りに行っていたクトゥとグラウストが太一の元に駆けつける。
「…ピーちゃんは避難誘導をお願い、クトゥは海にいる人を助けてあげて」
〔分かりました、クトゥ海は任せましたよ〕
〔クトゥトゥ〕
太一の指示を聞いた2体は急いで救命活動を行う。
「ほう、その者たちを行かせたか」
「なんでお姉さんが狙いなのか分からないけど、お前は僕が倒す、グラウスト進化だ」
〔おう〕
太一は青色に輝く右手を握りしめるとグラウストの体が輝きを放ちながら進化を始める、進化したグラウストは尻尾を地面に叩きつけながらビームを睨みつける。
しかしビームは落ち着いを保ち、なんなら抜いた剣をしまった。
「しまった?」
〔なんのつもりだ〕
「ただの羽虫を包丁で切るか、汚らわしい汚れがつくだけぜよ、前座に使うものなど何一つありゃせん、羽虫ごときこの手で十分よ」
デュエプレの新弾が楽しみな作者です、紙ではできない効果を持ったカードがいっぱい出てくるし魔改造されたカードがバンバン出て来てすごい楽しみです。
さて昨日は帰って来て気絶するほど疲れてましてかけませんでした、まことに申し訳ない、暑いからですかね物凄く疲れてしまう、下手したら明日も疲れまくって投稿できないかもですね。
こんな話はほかっておいてある男の話をしましょう、第84話でかけそうになった凪に手を差し伸ばした男ですが…まあ察せる通り魔法少女を倒した男ですね、ただですよ皆さんある疑問が浮かびませんでしたでしょうか、なぜクラフトはその男に気づかなかったのかと。
直接会ってはいませんがクラフトは男の顔を知っているんですよね、それなのにクラフトは男に気づかなかったんですよ、不思議ですね…まあここら辺は作者の設定不備ではなくてですねちゃんと謎として残しています。
その理由の伏線もですね今回のエピソードに出してますので探してみてください、まぁ次回のエピソードで明らかになるので次回を楽しみにブックマークしてくれてもいいんですよ。