ドクターパンダの神様外来
「はーい番号札壱番でお待ちの地球神様、内科三番にお入りください」
鈴の鳴るような美しい女性の声でアナウンスされると、天使二人に抱えられ一柱の光目映い人影がカーテンの奥に入る。
「私の救いの手を鷲づかみにする迷える羊飼いは君かー!パンダ!」
地球神の不安な眼差しの先にはパンダのお面を被ったブリーフに白衣の変態じみた人物が無駄に元気を発散してた。病いに苦しむ神を前に腰をくねらせ踊る変態パンダは目にも毒だ。
「先生、助けてください。二十一世紀になって、もう自爆テロの動機いきりのネタにされたくありません」
地球神は隣人を愛せと教えたはずの羊たちがボーンしちゃうことに苦しんでおられるご様子。
「では、喉のあたりを診ますね。ふむ、なるほど。やはり二十世紀と同じ教えで経典が古くなっているみたいパンダ!新しい教えのフレーズが見つかるまで、激しい修行や冷たい迫害を控えて大人しくしててくださいパンダー!」
ドクターパンダの診察は余所の宇宙でも引く手数多らしいが、地球神にとっては救いにほど遠い。
ダメ元で前世紀から通っていたものの、病状の改善になかなか直結しない診察が続き、神は仏に救いを求めたくなった。あと語尾の「パンダ」がうぜえ。