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03 愛なんて
ワタシ、絶対に結婚します。子供も作ります。
私は真剣である。ここで終わる私ではない。母と父は頷くばかりであった。信じてはいないのであろう、本気だとは思わなかったのであろう。
私は電車に乗って、隣町へと渡った。
時間を潰すために映画を見た。ラブロマンスであった。
『こんな、男なんているわけないのに』
キスシーンも今の私には、冷静に見えていた。
現実逃避したかっただけなのかもしれない。
(キスなんて、ただの愛情表現の一つ)
今とは違った恋愛をしてみたいと思ったのかもしれない。
しかし、現実を知った私にはつまらないものに見えていた。
そして、そんなつまらない自分にも嫌気がさしていた。