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02 哀れな就寝
恋は盲目にさせる。体の疲れも忘れさせる。
一時的なものではあるが、愛ではなかったということだろうか。そっとベットに横になった。
羊を数えていても、あの光景が頭の隅で離れない。手と手がほつれあった瞬間、あの人の背中、涙が出なかった自分、走馬灯が止まらない。
振って振られて、また振られ。もう、二十四なのだから。結婚願望も募ってくる。恋人の一人や二人、大切な時間も流されていく。子供を産み、愛を育む。そんな時間と対面することは可能なのであろうか。
そして、孫の顔も見てみたい。二十四歳、孫のことを考える年齢になったのであろうか。いや、我が子のことよりも、孫のことを考えてしまう自分が馬鹿馬鹿しい。すごく腹が立つ。子どもを産んでみたい。
しかし、半端な男とは付き合いたくない、ましてや結婚もしたくない。婚期が遅れてしまっても構わない。歳を 取れば、理想が高すぎるなどと言われる。それでも構わない。
いつかは、母のようなカレーを作れる人になりたい。
我が父よりも立派な男と結婚したい。
そんなことを考えていると朝になっていた。