漫才「悪役令嬢あるある」
二人「どうも~」
ボケ「最近、婚約破棄物の小説にハマってましてね」
ツッコミ「何それ?」
ボケ「王子様の婚約者が悪役令嬢っていう悪い女なんです」
ツッコミ「ほうほう」
ボケ「その子が婚約破棄されるんだけど、王子様に仕返しして、最後にざまあみろっていうお話なんですよ」
ツッコミ「なるほど」
ボケ「今日はその話を50音順に、悪役令嬢あるあるとして紹介したいなと」
ツッコミ「ほう。それなら『あ』から行こうか」
ボケ「愛のない婚約で嫉妬するはずが無い」
ツッコミ「家の都合での結婚だから愛が無いんですね。い」
ボケ「イジメるくらいなら相手の家ごと潰します」
ツッコミ「悪役令嬢さん、権力持ってますね~。う」
ボケ「浮気の証拠は揃ってます」
ツッコミ「王子様、脇が甘い。え」
ボケ「冤罪を晴らす証拠も揃っています」
ツッコミ「無実の証拠もあるんですね。お」
ボケ「王子の目は節穴」
ツッコミ「ちょっと……王子ディスってる! 怒られますよ」
ボケ「物語ですからセーフです」
ツッコミ「なるほど、物語だからね。じゃあ、か」
ボケ「可愛げが無いと婚約者を邪険にする馬鹿王子」
ツッコミ「き」
ボケ「綺麗事しか聞き入れない馬鹿王子」
ツッコミ「く」
ボケ「苦言を嫉妬と鼻で笑う馬鹿王子」
ツッコミ「け」
ボケ「計画がバレていると気付かない馬鹿王子」
ツッコミ「こ」
ボケ「婚約破棄をパーティー会場で宣言すると決めた馬鹿王子」
ツッコミ「全部馬鹿王子で終わってる!」
ボケ「物語ですからセーフですわ」
ツッコミ「語尾が本物の悪役令嬢みたいになってますよ。さ」
ボケ「颯爽と壇上で婚約破棄を宣言する馬鹿王子」
ツッコミ「また馬鹿王子って! し」
ボケ「真実の愛は、馬鹿王子の浮気の別名」「調べもせず断罪する馬鹿王子」「死罪か修道院行きか好きな方を選べという馬鹿」
ツッコミ「なんで『し』だけ3つ! しかも最後馬鹿だけになってるよ!」
ボケ「し、は色々言いたいことがあったみたいですわ」
ツッコミ「色々って、完全に俺向けじゃねえか…… す」
ボケ「縋ってくると思った悪役令嬢が高笑い」
ツッコミ「これは悪役令嬢っぽい。せ」
ボケ「正義は我にありと、悪役令嬢が無実を証明」
ツッコミ「ちょっと……悪役なのに正義っておかしくない?」
ボケ「そしたら国王陛下が登場して」
ツッコミ「とうとう接続詞が頭に来たよ。そして文章として完結してねえ……」
ボケ「壇上でデカい顔をする馬鹿を一喝」
ツッコミ「ああ、王子のお父さん、国王様に怒られると……」
ボケ「勅命により馬鹿は追放。以上ですわ」
ツッコミ「おいおい、50音あるんだろ? つ、から先は?」
ボケ「追放された後は悲惨ですから割愛しましたわ、殿下」
ツッコミ「殿下って言うな!」
ボケ「それで婚約破棄しますか?」
ツッコミ「ただのイタズラだ! 本気ではない!」
ボケ「知ってます。私がどれほど殿下のことを気にかけていたと思っているんですか。全部お見通しです」
ツッコミ「では……」
ボケ「今回はやり過ぎです。既に殿下の所行は皆さんの知るところ。どうするんですか!」
ツッコミ「どうしたらいい~!」
ボケ「ホントにこの人は……では反省の証として、王子様の謝罪文を作ってください」
ツッコミ「王子様の謝罪文?」
ボケ「あ」
ツッコミ「同じようなものを作れと? あ……遊びのつもりだったんです」
ボケ「い」
ツッコミ「イジメも本人の証言だけで、他に証拠はありません」
ボケ「う」
ツッコミ「浮気と言いますが、体の関係はありません」
ボケ「嘘つき。え」
ツッコミ「冤罪です。先っちょだけです」
ボケ「ギルティ。お」
ツッコミ「俺が馬鹿でした。すいません」
ボケ「か」
ツッコミ「可愛げが無いと言ってすいません」
ボケ「き」
ツッコミ「君を邪険にしてすいません」
ボケ「く」
ツッコミ「苦労をかけることになると思いますが」
ボケ「け」
ツッコミ「結婚して……」
ボケ「まだ早い」
ツッコミ「ごめんなさい」
ボケ「さ」
ツッコミ「最低な俺ですが、支えてくれませんか。君に側にいて欲しいです」
ボケ「保留。し」
ツッコミ「嫉妬してほしかっただけで、本気ではありませんでした」
ボケ「信じられません。す」
ツッコミ「すいません、ごめんなさい、もうしません」
ボケ「追放されたくないから言ってるだけでは? せ」
ツッコミ「背に腹は代えられません」
ボケ「……何て言いました?」
ツッコミ「…………精力的に王子としての務めを果たします」
ボケ「そ」
ツッコミ「それでもまだ俺のことは信じられないと思います」
ボケ「当然よ。た」
ツッコミ「ただ、これだけは信じて欲しい」
ボケ「何を? ち」
ツッコミ「誓ってこの先、君のことを悲しませることはしない。結婚しよう」
ボケ「まだ早いって言ってるでしょ!」
ツッコミ「えー、そっちも『ち』で終わったからいいじゃん!」
ボケ「ダメですよ。殿下のめいう『ん』が尽きるまで、私がお支えするんですからね」
ツッコミ「もうええわ」
二人「どうもありがとうございました~」
お読みいただきありがとうございます。