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第34話 鍛治師 コースケ

 村に着いてもまだ早い。

 今日は気分が高揚していて今ならなんでも出来そうだ!

 という訳で、この間貰った魔物の牙を加工する事にしよう。



 やはりあまり見られたくないので家で作業をする。

 家についてもミコトとコトネはいなかった。最近よく昼間出かけてるな。

 浮気か?いや、俺に対してそもそも本気ではないかも知れない。違う、それも間違いだ。そもそもそんな関係じゃなかった。



 そんな事はどうでもいい。牙を加工するとしよう。

 コトネの家に置いてあった道具と牙をミコトの家に持ち込む。あ、コトネの家でそのままやれば良かった。まあいいか。


 牙は2本ある。そのうちの1本は自分のナイフを作るつもりだ。

 後1本でコトネに護身用の小刀を作るつもりだが、サイズをどうするか。30cm以上ある牙で作ったらそれはもう護身用ではなく威嚇用だ。

 刃渡り10cm位であればいいだろうか。その場合は3本作れる計算になるな。

 ミコト・コトネ・リリの3人に作っておくか。

 3人とも可愛いし、おっぱいも大きいから色々変な奴らに狙われるかも知れないからな。よし、そうしよう。



 まず俺は自分用のナイフを作り始める。魔物の牙は非常に硬い事が想定されるのでどういう風に作ろうか。むしろ作れるか。


 牙は30cm以上あり、バナナの様に軽くカーブを描いている。先端に行けば当然細くなり、根本はその逆だ。

 この形状を活かして作るとなると昔の脇差の反りがキツイものになるか。うん、でもそれがいい。俺日本刀好きだし。

 せっかくこのスキルを手に入れたんだから、好きな物を好きな様に作ってみたい!



 という事で脇差もどきを作ることにした。

 まずは丸い牙を石の鑢でゴリゴリ削っていく。まずはというかこれが全てだな。

 牙を削って形を作る。この工程をひたすら続けると俺の脇差が出来上がる予定だ。



 ゴリゴリ削り続けていると段々と型が出来上がってくる。この時点ではとても良い出来だ。ある程度の形になったので脇差に付ける柄を製作する。仮合わせの状態だがとてもカッコいい。

 柄を取り外し再度削り始める。ほぼ形は出来たので、今度は仕上げに入る。鑢ではなく砥石を用意する。

 まずは粗目の砥石でゴーリゴーリ。次に中目の砥石でゴリゴリゴリゴリ。最後は仕上げ用の砥石で水研ぎ、シュッシュッシュッシュ。



 さて出来た!焼きを入れる訳でもないから刃紋は出来ないが、十分満足出来る仕上がりだ。砥石の効果もスキルマシマシなんだろうな。普通の石で研いだだけでこんな鏡面仕上げみたいにはならないだろう。



 家の中で試し切りは出来ないので外に出る。

 家の裏に薪の細いのがあったので軽く刃を当てると、そのままストンと落ちた。

 まるで薪が元々そこで切れていたかのようだ。断面もツヤツヤしており、普通刃物で切ったってこうはならない。

 危ないなこれ・・・。ちゃんとした鞘を作って持ち運ぶようにしよう。




 ミコト達の御守り刀を作る前に俺の脇差の鞘を作る事にした。

 本当はキチンと乾燥させた木材を使うべきなのだがそんなもの無いので普通の木を使う。半分に割って型取って鑿でホリホリホリ・・・。

 出来た。俺ってば凄く器用になったみたい。接着剤代わりに糊を塗って、乾燥まで紐を巻き巻き。

 カッコいいからこのままでもいいかな。



 さて、自分の分が出来上がったから次を作ろう。

 元々コトネには小刀を贈ろうと思ってたが、サイズが問題だな。

 あんまり大きいと持ち運びに困るし、小さ過ぎても意味がない。さっきは10センチって考えたんだけど小さいかな?

 じゃあ2本にして1本15センチにするか。リリの分はまた今度だな。




 そう決めたので、2人の小刀を作る前に村の作業場へ向かう。

 作業場ではユキムラ班が今日の狩りの成果である獲物達を解体していた。ユキムラも居たので、作業場にあるちょっとした材料を貰っていいか聞くと快く了承してくれた。

 この間の魔物の死体を譲ったのが効いたのかも知れない。情けは人の為ならずだな。



 家に帰り作業を再開する。魔物の牙を半分に切り2本分の材料にした。

 根元の方が太いので、こちらは少し太めの小刀にしよう。これをコトネに。

 先端の方を使う細い小刀はミコトにあげよう。

 作り方は自分の分と一緒でただ削って研ぐだけだ。



 女の子に渡す物だから柄には少し拘る。

 コトネ用の太い小刀はコトネをイメージした柄にしよう。使い易さを重視しながらも、鍔元や鐺の部分に細かな細工を施し、赤く染めた皮で柄全体を巻く。

 小刀の鞘も、こちらは皮製にする。柄に合わせた赤い皮で作り、腰に負けるように紐を通しておく。


 ミコト用の細い小刀は柄全体に彫刻を施して、柄に漆の様な黒い塗料を塗る。

 乾燥させた後に良く磨き光沢のある柄にする。

 刀身も磨かれてピカピカなので、ぱっと見は儀式用の短剣の様に見える。

 鞘はこちらはあえて木製にした。柄と同じく彫刻を施し、塗料を塗りまた磨く。

 同じ材料で作られた2本だが、出来上がりはしっかりと作り分ける事が出来た。

 後は2人が気に入ってくれるといいな。




 作成の途中に時々胸に痛みが走っていたので、多分スキルアップしたんだろう。以前みたいに強烈な痛みではないから助かる。

 仮に魔物と対峙している時に痛みが激しくて気を失ったらどうしようもない。日頃からスキルを高めておけばそういう現象が起こる確率を減らせるだろう。




 あー、いい仕事した。満足感に包まれていたら眠気も包んできた。まぁいいか、時間になればミコトとコトネが起こしてくれるだろう。



 俺は気持ちのいい昼寝を享受する事にした。


おはようございます。


男の子なら一度は憧れる刀鍛冶!


昔は自作の炉を作って鍛造の真似事なんてしてみたりしましたね。


今日もよろしくお願い致します。

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