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1-4 ブレイク・マジック

初めまして。ヤーディン大国のタイ・クォーン公爵領公都に所在します、国教ヴォーク神教タイ・クォーン教会の、神官長のセルガと申します。

(一礼する( たゆん♪ ))

昨今の魔族には、前回の『魔節』で通用した『破魔の法』や『浄化聖句』が、通用し無くなって来ました。また、『勇者の系譜』の能力者様方でも、倒し切れない魔物や魔族が現れ始めて居ます。

今回の魔節は、庶民を何処まで守り切れるかが、心配です。

ここは何としても、より強力な御力を御持ちの勇者様を見つけなければ。

丁度、教会聖魔核に、先代の神官長から引き継いだ数年分の魔力が貯留致しました。

……失敗すれば、私は……

いいえ。例えどんな状況に陥ろうと、頼れる勇者様と巡り会って見せます!

(キリッと、上方を見上げる( たゆん♪ ))


高層ビルの密集地を縫うように走るリニア・ハイウエィ(電磁式高速道路)は、宵闇深い時刻のためなのか、空いて居る。


キューン


速度制限解除の時刻なので、中々の速度で一台のリニア・バイクが、ビルの間を滑らかに駆け抜ける。


マスター。此の先事故渋滞も見受けられないのデ、後30分程で到着出来るかト。

良かった♪ 約束に間に合うか。


武良の脳内に居る、戦術管制A.I.プログラムの隼と、脳内思考制御で、無言で会話する。


武良の表情は、安堵の笑顔にほころぶ。


ピコン


急に警告音が鳴る。


どした? 隼。

此の先ニ、空間の歪ミ?を感知!


先を見通すと、確かに青い光が渦巻き出して居る。


移動停止。と同時に、『サウザン・ハンズ・フィールド(力場)』を強化。

了解。


中々の速度から、リニア・バイクはスッと止まる。


少し先に、淡い青い光が球形に渦巻いて居る。

目を凝らすと、淡い青い光が太陽プロミネンスの様に、球形の周りを飛び交って居る。

太陽ミニチュアの、3D動画を見て居る様だ。


記録は?

空間の歪みヲ、感知してからでス。


ピコン


再度、警告音が鳴る。


近付いて来まス!


確かに太陽ミニチュアは、ジワジワ近付いて来る。


サウザン・ハンズ・テレキネシス(念動力)で、太陽のミニチュア?を、捕まえろ。

捕獲!


太陽ミニチュアの動きが、止まる。


何かな?

……何処かへの転移ゲートの様でスね。ブラック・ホール迄は行きませんガ、エネルギーが吸い込まれる傾向でス。

転移先は?

探査中 ……? やたラ、深いですネ。

深い?

……んー? 何でしょウ? 探査・サウザン・ハンズを一本送り込んで居るのですガ、何処までも深く深く潜りこんで行きまス。

中々転移先にたどり着けませン……転移先は、地球上では無い様ナ……

ほう。では、外宇宙かな?


バチッ!


静電気に感電した様な音がして、太陽ミニチュアが急に消え去る。

代わりにローマ時代のトーガ風の上質な衣装を纏った、金髪色白豊満美女が現れた。

しかも、少し浮いてるし……羽は、無いか。


マジか


浮かんで居る彼女は、何故かぎゅっと両面を閉じていた。

んっ?と言う表情をして、右目だけ恐る恐る開ける。

開けた瞳は、綺麗な碧眼だ。


『……此処は?』


鈴の音の様な声音でつぶやく。

碧眼右目だけ開けたまま、周囲を伺う。

ふと、自分を伺う武良に気が付く。


『まあ♪ 何と言う『魔力』の強さの勇者様!! しかも聖句召喚陣を、たやすく押さえ込まれるなんて! 更に、逆に私を逆召喚されるなんて♪ こんなの、初めてですは♪』

浮いて居た彼女両脚は、地面に降りる。


金髪碧眼色白豊満美女は、碧眼両目をパッチリ開けた歓喜の表情で、鈴の音の声で歓喜の声を上げ、歓喜に身体を震わせる( たゆん♪ ) 震わせると、豊満な身体は~( たゆん♪ )♪


……あノ、マスター。彼女の言語は異世界の物ですが、先ずは(仮)ユグドラシル・ネットワークに精神リンクして、彼女とはテレパシー翻訳してまス。


はい?!……あ、そ、そうね。相手の情報を収集し無いとね。


『豊かな揺らぎ』に、思わず目を奪われた事は、げふんげふん。

(うっかり『魔力』と言うワードは、聞き逃した)


「えーと……貴女は、どなたですか?」


ころころと鈴の音で矢継ぎ早に並ぶ語彙に、理解が追い付かないが、基本情報を求めて見る。


彼女は、はっ、と武良を貴人と観たてた様な礼法を取り、頭を下げる。


『失礼致しました、勇者様。私はヴォーク神教、タイ・クォーン公都教会の、神官長セルガと申しますは』


「ゆうしゃ様? しんかん長?……えー、セルガさん? 初めまして。『侍』の、笹木武良と申します」

ゆうしゃ様って? 何か不思議な呼称を受けたぞ。


『『サムライ』?ササキタケヨシ様』セルガさんは、オウム返しに答える。


「武良で、良いですよ」


『はい。勇者タケヨシ様』


だから、ゆうしゃ様って何さ?!


……実体化してますガ、セルガさン御本人本体ハ、異世界に居られますネ。

えート。

残存データヲ、さかのぼり読みますト……召喚陣とやらで強力な『魔力』=『オーラ』を廻シ?……回ったオーラヲ、転移ゲートとみなしテ……(仮称)ユグドラシル・ネットに強制介入シ、異世界の此の世界に転移召喚ゲートとしテ、飛ばして来てますネ。


異世界? この、地球上では無いんだな……繋がってる先は、(仮称)ユグドラシルの枝葉の一つ、つまり『パラレル・ワールド』の一つて事かい?


……そんなモンでス


「ふむ。ではセルガさん? どんな御用件でしょう?」


『はい♪ 勇者タケヨシ様への御願いは、魔王退治ですは♪』


「ゆうしゃ? まおう? たいじ?」武良は、自分の耳を再度疑う。


御話中に失礼しますガ、後20分で御約束の御時間ですガ……


突拍子もないセルガの話を理解しようと、頭をフル回転させて居たが、隼の注進の御蔭で切迫する要件を思い出す。


「うわ!ヤバい!『そんなので、開祖シン!後願います』」


『あんだ。丸投げかい』


『申し訳有りません。文句一つ言わない妻との約束を、これ以上破る訳には行きません』


『……わかった』


『申し訳有りません』


シューン!


武良はリニア・バイクごと、上昇し始める。


『!! 勇者様は、天空も駆け抜けられるのですか!?』


「セルガさん!申し訳有りません。急ぎの先約が有るのです! 後は、直ぐに此処に現れる、私の上司と話して置いて下さい。後刻再会しましょう!」

武良は、上空から怒鳴る。


『え!? あ! はい! では、此れをお受取り下さいませ!』

セルガは、右手の平に淡い青色の半透明の500円程のコイン?を示す。


武良は、サウザン・ハンズ・テレキネシス(念動力)でコインをつまみ上げ、引き寄せて右手で掴む。


『まぁ♪ マジック・ハンドまで使い熟されるのですね♪ 後刻お手空きに成られましたら、その聖メダルに話し掛け下さいませ』


ドンッ!


武良はセルガの返事を待たずに、一瞬で視界から消える。


ヴン


代わりにすぐ、リニア・ウェイに男性が現れる。


『セルガさん。初めまして♪』


『まぁ! これは転移魔法を使われたのかしら? あ、はい。勇者タケヨシ様の上司様とは? まぁ♪ 勇者タケヨシ様に負けず劣らずの『魔力』の強さを御持ちですね♪ ……まさか此方の世界には、同様な『魔力』を御持ちの『魔法使い』が、多数居られるのでしょうか?』マシンガン・トークが、止まらない。


『えっ? はぁ。まぁ。えー とりあえず私は、『侍』海良真と申します。『シン』とお呼び下さい。『魔力』?……立ち話も何ですので、落ち着いて状況の確認が出来る場所に、御案内しましょう』


『まぁー♪ はい♪ 嬉しいですは♪ 今回の勇者様が居らした世界を、拝見出来る何て♪』




次回は12月13日(日)の更新予定、と言うか努力します!

皆様の様に、怒涛の連日投稿致したいですがー。仕事がー。

が、頑張ります。

長〜く、生温かく見ていただければ幸いです。

宜しくお願い致します。

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