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10 空港


いるはずがない

けんか別れの

ままの君が


聞こえたりする

はずがない

君の無邪気な

笑い声が


感じるなんて

はずがない

すねて僕の

腕をつねる

君の華奢な

指なんか


それでもなお

振り返った


後ろを向けば

時間が戻る

ような気がして

君が立ってる

ような気がして


あの夜

君の家の前で

押せなかった

ベルを押して

きちんと

さよならを

言うべきだった


学校の

あの廊下で

固く閉ざした

君の心と

がまん強く

向き合うべきだった


あの

ブルース・カフェの夜


やめよう


僕の望みは

ただひとつ


誰にも恥じたり

することなく


堂々と

もう一度

君の前に

立つということ


だから今は

前を向く


ただ

それだけのために



 


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