一、最後のひとり
「先週、プロポーズされたの」
中学校からの腐れ縁の友人の夕美が、気まずそうに報告してきた。私が散々、来月結婚式を挙げる同じく中学校からの共通の友人である智香の幸せ呆けに対しての愚痴をぶちまけた後だった。
「そ、そうなんだ。よかったじゃん…やだなぁ、
そうゆうことはもっと早く報告してよ。どうりで、会話のノリが悪いはずだわ。おめでと」
「ありがと。本当ならさ、この前駅前で会った時に言うべきかなって思ったんだけど、なんか言い出しにくくって…祝福、してくれる?」
相変わらず気まずそうに、少し目を反らし気味に聞いてきた夕美にイラッとしたが、まぁ、夕美が気まずく思う気持ちは理解できる。
「えーやだ。祝福は出来ない。ひどいよ~。智香に続いて夕美まで。私、これから誰と遊べばいいけ?結婚式の時、知己の友達、独身で固めとかなかったら許さないからね」
私が如何にもな不満顔を作ってそうゆうと、やっとホッとしたのか、困ったように笑って
「わかってるよ。知己の友人リストは細かくチェック入れるから任しといて」
と、言って、式の日取りのことや、プロポーズの状況なんかを少し照れながら話しはじめた。
私は夕美のノロケを聞き流しながら、本格的にヤバいな、と内心焦りまくってた。悔しいから焦ってる素振りなんて絶対見せてやらないけど。まぁ私が焦ってるのなんてバレバレだろうけど、私にもなけなしのプライドくらいある。
29歳フリーター。実家暮らしで、貯金ナシ。
借金はアリ。彼氏、ナシ。本日より、同年代の独身の友人も ナシ。
負け犬どころか、これじゃ、人間失格かも。




