監禁編 赤砂ユウ・続2
とりあえず、今でもこいつらを殺しそうな戦闘狂を抑える。
(ダメ。今はあの道具持ってないしから殺すことになっちゃう。殺しちゃったらお兄ちゃんが怒っちゃう)
『兄、いつでも兄か……。よほどの者なのだな。本人が居ないのに一日に五、六十回は使っている言葉だ。我も一度会ってみたいものだ。魔法を知った今ならあっても大丈夫だろう。しかしユウ。そなたが死に近いとき、我は遠慮なく周りの者を焼き尽くす』
(大丈夫。私が死に近づく事は無い。その前に助けに来る。……ってか数えてたの?)
エンは私の質問を無視する。
私がこうして話している事などこいつらは知らないだけ。
「どうします? このままじゃ時間が経つだけで意味無いですよ?」
「わかっている。……操る方面でいいか?」
「無理ですよ。棺さん。それができたらとっくに情報を聞き出してますよ」
「なに? どういうことだ?」
棺の声が少し強張る。
それはそうだろう。
そして部下の言った事は本当だ。
私に操る魔法は効かない。
それは私が持ってる魔法具のおかげ。
口の中にある歯に偽装させた〈マジックキャンセラー〉の魔法がかけられた魔法具によるものだ。
口の中まで調べられていないので今のところバレてはいない。
バレて、盗られたところでさぁ、操ろう、としても私の方が魔力が強いから意味は無いが。
操る魔法は操る相手より自分の魔力が上の必要がある。
じゃなければ操れない。
魔力をそれだけ、消費させれば操れると思うが、生憎と、私は魔力を限界まで溜めている。
そしてその限界は英名持ちの一つ下といってもいいだろう。
まぁ、母が英名持ちなので当たり前であるが……。
そういえば父にはあったこと無いな……。
お兄ちゃんはあったことあるのかな……?
と、思考が魔力の話から父の話に変わってしまった時だった。
何者かにゴーグルに手をかけられて、外される。
周りは暗かったが、ゴーグルをしていたときの方が暗かったため、目がちかちかする。
治まってきたので、ゴーグルを外した人物を見る。
白衣を着ていて、眼鏡をつけている。
ごく一般的な風貌の男だった。
「あの……大丈夫ですか?」
話さないと意思は伝わらない。
当たり前の真理だ。
さて……どうしようか。
話そうか、話さまいか……。
『話してみてはどうだ? 我はこいつから他の奴らとは違う感じがする』
(そうだね。私もそう思う。ずっとエンと喋ってるのは暇だし)
『それはそれで我が悲しいのだが……』
(冗談よ)
私はその男と興味本位で話してみる。
「かってにそんなことすると上に怒られんじゃないの?」
「う……。でも……なんか間違っている気がして……」
(新入りか? こいつ)
『そのようだな。会社方針に反対するとはな』
(あんたのような戦闘狂からその言葉を聞けるとは思わなかったよ……)
『それは少し失礼じゃないか? 我は戦闘狂ではない』
おどおどしながら話す男。
年はそんなにとってなさそうに見えるから新入りの可能性が十分にあると私は思ったがエンは別の場所で判断したらしい。
そして、その上に逆らう根性は見上げたもの。
まぁ、度胸はあるね。
確実に。
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