一つの枕
食器をかたずけて僕の部屋に集まる僕と青髪の少女。
「……ここがあなたの部屋……?」
「ええ。そうですよ」
「……あなたやっぱり女の子じゃないの?」
「え!? どうして!?」
僕の部屋にはベットに本棚に勉強机に通学用鞄、そして一つの……枕と、クローゼットとタンスがあるだけだ。
部屋はいつもきれいに掃除してある。
「……だって……」
? なんか震えてる?
「ふふ……だって……男の子が……ふふ……猫の抱き枕って……。しかも結構かわいい……」
…………ぼふっ。顔が一瞬にして赤くなる。
「ち、ちが……これは……!」
弁解しようとするも、うまく言葉が出てこない。
「あはははははは!」
口を大きく開けて笑う少女。
「飲み物持ってきたよ~♪ なんか笑い声が聞こえてきたんだけど面白いこと?」
そこに入ってくるユウ。
もちろんユウは楽しい事がうちのトラブルメーカー並みに好きだから話に混ざってこようとする。
「あ……あなたのお兄さんって……ふふ……ちょっと……変わってるのね……。ふふ……まるで女の子みたいだわ……」
「あ~。その話~? 飽きるほど聞いちゃった~」
「そうなの?」
ハテナをうかべた顔で僕のほうに顔を向けてきた。
「初めて僕の事を見る人の第一感想が悲しい事にそれだからです……」
泣きたくなってきた……
「……えっと……ごめんなさい。あなたのことそんなに知らないのにこんなこといって……」
「いえ……いいんです。よく言われますから……うぅ」
「ほらほら泣きやんでお兄ちゃん♪ アメあげるから♪」
「僕はそこまで幼くない!」
「アメといってもコーヒー味だよ♪」
「味の問題じゃないよ!?」
「じゃあ~♪ アメをたくさん?」
「とりあえずアメを脳内から消去してよ…」
「つまりアメ以外ってことだね♪」
「そういう意味じゃないよ!?」
「あなたたち見てると飽きないわね」
とまぁこのへんで閑話休題。
ちなみにクローゼットの中を調べると母、カナが勝手に入れた女の子の服が奥のほうに詰まっています。どんな服かはご想像にお任せします(笑)