ばれちゃった♪
僕に母と、呼ばれた人物。
つまり赤砂カナが顔を上げた。
「早めに仕事が終わったから帰って来たのよ~♪ ホントは半年ぐらいかかるはずだったんだけど~♪ 私が一日目にして早く帰りた~い♪ って言ったら一日で終わっちゃった♪」
「ちょ、ちょっと待ってください! 仕事!? 家出じゃないの!? そして仕事の内容は!? どうしてここに!?」
僕の口を人差し指で抑える母さん。そして楽しそうに答えた。
「質問は一つにして頂戴♪ だれも家出だなんて言ってないわ♪ 内容は言えないわ♪ ここにいる理由なんてなんとなく気づいているはずよ♪」
結局全部言うんだ……。
確かに家出って言ってなかったね。
僕の早とちりか。
内容とここにいる理由……なんだろ……。
まったく見当がつかないのですが……。
「お~い。リク~」
そうこうしていると、後ろから僕の義兄としている、天童雑賀の声がした。
僕は振り向いて確認した。
雑賀さんと……もう一人?
女の人が雑賀さんと一緒に歩いてこちらに向かってきている。
ふと気になって、キリさんを見ると、固まっている。
意識あるのかな? 僕が母さんと言ったときからこんな感じだ。
母さんは僕の腕の中から雑賀さんを確認しようと(雑賀さんのいる反対側で抱きついていたので)顔を出したら――
「な――ッ!」
雑賀さんが驚きを隠せないほどの驚愕の顔をした。
隣の人も声こそ出していないものの、顔は雑賀さんと同じ顔だった。
「あ~ぁ♪ ばれちゃった♪」
母さんはどこか楽しそうにそんなことを言ったので僕は嫌な予感を覚えた。
だいたい母さんが楽しそうにすると(ほぼ毎日だが……)ろくでもないことが起きる。
しかし、今回の悪い予感は僕が一番の被害者というより、この周りにいる人たちのようだ。
「お……おまえ……まさか……いや、そんなはず……」
雑賀さんと女の人は足を、体ごと向いた僕の前で止めて、母さんと対面する形になった。
いまだに僕に抱きついたままだけど……。
と、そこで、雑賀さんは青ざめた顔で、母さんの二つ名をあてた。
「じ、じじ……自由な白銀……フリーダムシルバー……か……?」
「「え?」」
キリさんは意識を取り戻し、僕と一緒に声を上げた。
しかし、その声に含まれた感情は少し違う。
僕はその二つ名をマナちゃんから聞いたことがあるだけ。
二つ名だけを。
キリさんはそれ以外にも、たくさんの事を知っていそうな感じ。
だから声を上げたのは、僕は二つ名を言ったことに驚き、キリさんはおそらく、その二つ名自体に驚いたといったような言葉だった。
母さんが口を開く。
「今は都市伝説程度にしか覚えられて無いはずなのにな~♪ 正解♪ 私は赤砂嘩来♪ リクちゃんと、ユウちゃんの母親で♪ 二つ名、自由な白銀で♪ 英名だとフリーダムシルバーなカナちゃんです♪」
母さんは堂々と、自己紹介を三人の前でした。
そしたら、キリと雑賀さんと女の人は、しばらくピクリとも動かなくなった。
僕も混乱の間にずっといた。
母さんだけは元気にニコニコ笑顔でいただけだった。
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