とても痛いです
「キリさんって家遠いんですね」
「ん? ああ。俺は街外れに住んでるからな」
「家族は一緒に住んでるの?」
「いや。俺一人だ。なんなら今から確かめるか?」
「……どうしましょう?」
「いや。普通に断われよ。おまえ、今は女なんだぞ?」
む……確かに断る場面か……。
しかし……。
「キリさんはそんなことしないって信じてるから」
と、言っておいた。
言葉はきつくても基本いい人だし、帰るの困ってたら助けてくれたし。
「わからんぜ? 俺が何するかなんてな」
まだいうか。
よし。この際ハッキリ言っておこう。
僕は右手をピストルの形にし、説明をするときのように顔の横に持ってきて、説明した。
「僕が一度大丈夫と言ったら大丈夫なの。これは絶対に絶対なの」
「絶対に……絶対?」
「うん♪」
「――ッ! …………それは反則だろ……」
ボソッと何かをつぶやくキリ。
それと同時にそっぽを向いた。
キリは耳まで顔が赤くなっているのだがリクは気がつかなかった。
「キリさん? よくそっちを向いているけどそっちには話している人はいませんよ?」
「い、いや。別にいいだろ。そんなこと」
ふられたくない事なんだろうか?
まぁ、いいや。家に着いたし。
「それじゃあキリさん」
「んあ? ……ここなのか?」
「まぁね。今は雑賀さんのとこに住んでるから」
「……もうついたのかよ……」
またボソッと言ったけど、よく聞こえなかった。
キリは意外と独り言が多いのかな?
と、考えていると、天童家の、家の目の前に黒い車が止まった。
ガチャッと運転手の席から黒いスーツを着た女の人が出てきて、後方の席のドアを開けた。
そして僕はその女の人の顔に見覚えがあるのを感じ、引き寄せられるようにしてその車に近づいた。
「どうした、リク? あの車がなんかあったのか?」
「まさか……いや……。こんなに早く帰ってきたことが今まで無かったのに……。しかもヒスティマに来るって……どうやってここに?」
その後方の席から出てくる人を予想した。
そしてその予想は良くも悪くもあたってしまった。
「リクちゃ~~~~~~~~~~ん♪」
「うわぁ!?」
ドアが完全に開くちょっと前で中から銀髪の少女が飛び出してきた。
狙いは――
僕の腕の中――
見事に――
まっすぐ――
跳んできた――
――ものすごい速さで。
ドカッ!!
「――ッ!?」
お腹にダメージ。うん。とても痛かったです。
しばらく動けなかったがなんとかモチベーションを持ち直し、僕はその飛び出してきた人物に向かって声を放った。
「――ッ、た~……。なんでいきなり飛び出してくるんですか! ――母さん!」
「母ぁ!?」
キリがキャラに似合わずに声を上げた。
誤字、脱字、修正点があれば指摘を。
感想や質問も待ってます。




