すっかり忘れてました
ばたん
玄関のドアを開きすぐに閉める。
パタパタパタ
スリッパでかけてくるユウ。
「お兄ちゃんお帰り~♪ ……!?!?」
笑顔で出迎えてくれたユウ。しかしすぐに驚愕の顔に変わる。
「お、お兄ちゃん……その背中に背負っている人は……そして全身血だらけなのはなんで……?」
「とりあえず僕の話を……」
「お兄ちゃん!」
駆け寄り手を握る妹。
そして瞳と一緒に訴えかけてくる。
「大丈夫! お兄ちゃんは私が守るから! 今から証拠隠滅するよ!」
「ちょっと待って! 証拠隠滅を手伝ったらユウまで警察入っちゃうよ!?」
「お兄ちゃんと一緒なら何処へだって行くよ! たとえ火の中水の中! どんな場所にもひそかについて行くよ!」
「それはある意味ストーカー宣告だよ!? そんなことよりまずこの人死んでないから!」
「……え? そんな血だらけなのに?」
「傷口はもうふさがってるよ……」
「そうそうもうふさがってる」
「死体がしゃべった!?」
「だから死んでないって!!」
そしてかれこれ一時間。場所は台所。
玄関でとりあえずあらすじを話して体中べっとり付いた血をシャワーで流す。
もちろん先に青髪の少女を入らせる。体が動かないのでユウと入ってもらった……狭いと思うけど。
そのあとに僕が入った。正直、少女が一緒に入ろうと言った時は大変でした。ユウは騒ぐし……少女は真顔でなんで?って顔するし……僕は男なのに……。説明したら思いだした様な顔でした。
そして今に至る訳です。
テーブルにはユウ特製ヤキソバが並んでいる。
「お兄ちゃん……つまり混乱しているところをうまくのせられちゃったってことだよね」
「面目ない……」
当の本人はヤキソバをつついている。そして。
「このヤキソバおいしいわね。はじめて食べる味……」
と言ってそれについついのせられてしまうユウ。
「そうでしょ♪ そうでしょ♪ お兄ちゃんを想って作ったんだから♪ おいしくないはずがないもん♪」
ユウ。さっきまでの話はどこに……?
「……まぁ夕ご飯にその話は無しにしよ♪」
「思考を読まないで……」
「すごい……思考が読めるんだ……」
「お母さんにお兄ちゃん思考回路言葉を教えてもらったんだよ♪」
「へぇ。そんなのがあるんだ」
「ないよ! 断じてそんなの無いよ!」
「実際読んでいるのだからあきらめなさい」
「え!? あきらめたくないんだけど……」
「あとで私にも教えてくれないかしら?」
「ちょ! 教わろうとしないでよ!」
「う~ん♪ 無理かな♪」
「それは残念ね」
「残念がるな! そして諦めはや!」
「あはは♪ ……?」
いきなり首をかしげるユウ。
「どうしたの?」
「自己紹介して無くない?」
…………あ……




