否定しないんですね……
視点が雑賀に移ります。
「はぁ~……」
ため息をつく。
「どうかされたのですか? 天童幹部。まるで家に帰りたいというホームシックのような顔ですよ?」
「どんな顔だ!!」
座っていた椅子を倒しながら立ち上がる。
現在いる場所は雑賀がまとめあげているジーダスの建物の内の一つにあたる。
幹部クラスの人は一つずつジーダスから建物を授けられ、そこの人員達を育てろとの命を受ける。
「しかし……その呼び方なんとかならないのか? 妃鈴秘書」
俺は妃鈴という名の秘書に呼び掛ける。
幹部にはそれぞれに専属の秘書がいる。
そして俺の専属の秘書が妃鈴という事だ。
美人という枠に入る。しかもクール系。
髪は肩下までのストレート。
「無理ですね。天童幹部は幹部ですのでこうなってしまいます。雑賀幹部は天童幹部よりおかしいと思いましたので。それとも雑賀幹部と呼ばれたいのですか?」
あきらかにどちらもおかしいがなんとなく雑賀幹部とはおかしいと思ったので、断っておいた。
「……いや……遠慮しておこう。……はぁ~」
「どうかされたのですか? 上の方から指令が?」
心配そうに聞いてくる妃鈴秘書を、これでかたくなければ……と思いながらも質問に答えた。
「いや……早く家に帰りたいなと……」
「ホームシックですね」
「そうだな」
「……否定しないのですね」
ちょっとびっくりする妃鈴。
断らなかった理由は、あながち間違っていないからである。
気をとりなおした妃鈴は、隠していたものを出した。
「しかし、それでも仕事はしっかりやってもらわなければいけません」
その言葉と同時にドンッと机の上に書類を山積みに置かれる。
その量は5000はくだらないだろう。
「なぜこんなに!?」
驚く雑賀を後にし、妃鈴が当り前ですと言わんばかりに話し始めた。
「天童幹部が一月ほど前から女と現をぬかしていたではいませんか。そのツケです」
「なん……だと……」
素直に驚く。
「今日中に終わらせてください。あとでコーヒーをお持ちいたします」
ガチャン
さっそうと去る妃鈴秘書。
扉を早くも閉めて、この部屋から一瞬にしていなくなった。
少しの間動かなかった雑賀はというと……
「フ……フフ……フフフハハハハHAHAHAHAHAHA!!!!」
狂ったように笑い始めただけだった。
しばらくして笑いが治まり、気を落としながらも仕事を始めた。
その手際はとても速かった。
迅速に目を通し、ハンコを押して、次の書類を見ている。その繰り返し。
情報処理能力など、知力に関する力は元々高かったため、このくらいは造作もなかった。
数時間がたち、幹部室の扉が開けられた。
「天童幹部。コーヒーが入りました。少し休憩しましょう」
チラリと残りの書類をみる。
そこには5000はくだらなかった書類の山が半分以上なくなっていた。
これならば業務時間内に終わるだろうと思い、ソファーがあるので、そちらに行って座った。
丁度、妃鈴が一つのコップとコーヒーをつごうとしているところだった。
「妃鈴秘書も一緒にどうだ?」
彼女に誘いを入れてみる。
「しかし……」
仕事中だからか、彼女は扉の向こう側を気にするような感じで目を揺らす。
「気にするな。ここは俺が仕切っているんだ。文句は言わせん」
「わかりました。では一緒に飲ませていただきます」
どこに隠していたのか、コップをもう一つだす。
「……予想してた?」
「ええ。秘書ですから」
「…………」
それだけの言葉で片付けるとは……。
……秘書……恐るべし……。
すみません。
これから更新するのがこのような時間になってしまうと思います。(もうちょっと早いと思いますが)
お詫び申し上げます。
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