ルナの策
しばらく戦っていてわかったことがある。
肩や腕や脚、つまり雷で覆われているところはとても堅い音が鳴る。
つまり魔力で強度を強化しているものだとわかった。
ルナに刀で切りつけても致命傷は与えないかな? と聞くと、
『場所にもよるな……仙道とかいう小僧の手首や脇、足の付け根や股など、そこ以外ならば大丈夫であろう。妾の刀は魔法を切り裂きながら肉体も切ることができるので血は出ると思われるが致命傷にはならぬだろう』
最低でも血は出るんですね。
そして魔法を切り裂くってさりげなくすごくないですか?
でも死なないなら大丈夫か……。
血を見るぐらいなんだってんだ。
あいつはマナを傷つけたんだ。
『やるなら妾の言う通りにするとよい。早い段階で決着がつくぞ?』
(それはとてもありがたいかな。内容は?)
ルナが説明をしている最中も攻撃の手は緩めない仙道。
「おらおらどうした!! その程度か!? ああ!?」
挑発ですか? ごめんね。
僕ってそういうのにはあんまりのらないんだ。元々僕って冷静なタイプだしね。
そして負けフラグですね。お疲れ様です。
その時にルナの話が終わる。
『できるか?』
(たぶんできると思う)
二つに意識を向けていたためルナの話も聞いていた僕は内容からしてできると判断する。
『ならばやって見せよ。最後の魔法は妾が直接、主の頭に図式として送ろう。――χαρι――』
またあの不思議な言葉が聞こえると頭の中に魔法陣のようなものが浮かび、それが何なのか理解した。
(いける!!)
僕は彼の攻撃を避けた後、空中に跳躍する。
「〈スノウ〉」
僕はそこで魔法を使う。氷魔法の基本中の基本である魔法。
雪を降らせるだけの魔法だ。
どうやら僕自身は雪魔法が得意らしいこともルナから聞いていた。
「ケ! どんな魔法を使うと思ったら〈スノウ〉かよ! そんな魔法じゃ俺は殺せねぇぜ!?」
もちろんそんなことわかっている。季節は夏だし。
凍えさせることもできないだろう。でも、水を作ることはできる!
「この雪はあなたを倒すための布石」
「ほう……そいつはやべぇな。気をつけなきゃいけねぇなぁ。だがな!! 〈雷迅〉!!」
一瞬彼の体がきらめくと彼は――
「させる前に殺っちまえばいいじゃねぇか!!」
僕の後ろにいた。
「な!」
「これが俺のトップスピードだ! 覚えておけ!! 〈雷剛拳〉!」
雷の鉄槌のように感じられる、痺れる感覚と鈍痛が叩き込まれた。
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