約束……守れなかった……
『? それってだれ~♪』
さて、会話に入ってきた人物の名は自由な白銀もよく知っている人物だった。
「自由に生きることができない呪われし姫君だよぉ」
『……。そっか……。継いでしまったのね……。……でも……』
少女は黙し、やがて遠くを見つめているかのような言葉が返ってきた。
しかし―
『そんなこったろうと思ったわ♪』
すでに明るく元気な少女に戻っていた。
「そんな簡単に片づけていいのか!? 彼が自立をすると死んでしまうぞ!? それを知らない君じゃないはずだ!!」
不審に思い、聞く。
なんたって先ほど言った継承された呪われし姫君は彼女の―
『私の二つ名はなんだと思う?』
思考を阻まれ、考えるのが遅れる。
そして真陽は彼女が何を言いたいのかがわかった。
「まさか……できるのかい!? これまで何度も一族が挑み、解放しようとした呪いが……あんたの【自由】はそこまで!?」
『私を誰だと思っているの? それを知らないあなたじゃないはずよ?』
彼女は私と同じ言葉を返してきた。
声音はかわらない少女なのだがその言葉には強い……とても強い感情が入っていて、電話越しなのにこちらにまで届くような異質な魔力に身震いした。
『それじゃあね♪ また電話ちょうだい真陽ちゃん♪ バイバ~イ♪』
「え!? ちょ……! ま……っ!?」
プーップーップー
いきなり切られた。そんなことをされた真陽はというと……。
「相変わらず自由な人なんだねぇ」
―私の名前は嘩来って言うの♪ 漢字で書くとよく間違われるからひらがなでいいよ♪ これからよろしくね♪ 真陽ちゃん♪―
不意に昔の記憶が奥底から這い上がってくる。
それは自分が初めて彼女と出会ったときだった。
初対面の人をまるで何年も付き合っていた人のように扱っていた。
そしていつも元気だった。
名前のとおり、騒がしい未来をいつも作っていた彼女。
しかし、その未来は決して嫌なものではなかった。
そして彼女は弱音を吐いたことが無いし、怒った時もないし、悲しい涙も流さなかった。
少なくとも見たことはない。
二つを除いて……。
―私……約束……守れなかった……だから……お願いします。私を鍛えてください! どうしても助けたいんです! そしてこれから絶対に守れるようになるために!―
それは約束した守ることができずに簡単に友達を、ある組織につれて行かれたときだ。
その時は当時、無敵とまで言われた【理不尽な鉄則】と言う二つ名の男に自分と二人で志願した。
当時の年齢は16歳。どちらも彼からしてみれば少女と言われる年齢だ。男にはもちろん断られた。
しかし彼女の瞳を見て考えが変わった。
その瞳は……
―どんなことでもします! 命以外なら何でもあげますから!―
ある少年(姿は少女だが)と同じ、まっすぐで、感情がこもった強い意志の瞳だったのかもしれない。
自分はさっきの少年から感じた。
あの瞳は自分のどんなものでも犠牲にする瞳だ。
しかし、一番強く感情がこもっていて、それでいて伝わりやすい。
そしてなにより……その瞳を出した人間は、決して考えを変えない。
融通が利かなくなる。
男はそのことを知っていたのだろう。
接点のなかった彼も、きっと昔に懇願したのではないかと、結論付けた。
じゃなかったら簡単に折れないだろう。
実際、彼は丁寧に魔法を教えてくれた。
彼女は男に頼んだときに涙目だった。目は赤く染まっていた。
回想はまだ続きます。
といっても回想は次で終わらせるつもりです。
誤字、脱字、修正点があれば指摘を。
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