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ヒスティマⅠ  作者: 長谷川 レン
第三章 桜花魔法学校
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約束……守れなかった……

『? それってだれ~♪』


さて、会話に入ってきた人物の名は自由な白銀(フリーダムシルバー)もよく知っている人物だった。


「自由に生きることができない呪われし姫君だよぉ」

『……。そっか……。継いでしまったのね……。……でも……』


少女は黙し、やがて遠くを見つめているかのような言葉が返ってきた。

しかし―


『そんなこったろうと思ったわ♪』


すでに明るく元気な少女に戻っていた。


「そんな簡単に片づけていいのか!? 彼が自立をすると死んでしまうぞ!? それを知らない君じゃないはずだ!!」


不審に思い、聞く。

なんたって先ほど言った継承された呪われし姫君は彼女の―


『私の二つ名はなんだと思う?』


思考を阻まれ、考えるのが遅れる。

そして真陽は彼女が何を言いたいのかがわかった。


「まさか……できるのかい!? これまで何度も一族が挑み、解放しようとした呪いが……あんたの【自由】はそこまで!?」

『私を誰だと思っているの? それを知らないあなたじゃないはずよ?』


彼女は私と同じ言葉を返してきた。

声音はかわらない少女なのだがその言葉には強い……とても強い感情が入っていて、電話越しなのにこちらにまで届くような異質な魔力に身震いした。


『それじゃあね♪ また電話ちょうだい真陽ちゃん♪ バイバ~イ♪』

「え!? ちょ……! ま……っ!?」


プーップーップー

いきなり切られた。そんなことをされた真陽はというと……。


「相変わらず自由な人なんだねぇ」


―私の名前は嘩来って言うの♪ 漢字で書くとよく間違われるからひらがなでいいよ♪ これからよろしくね♪ 真陽ちゃん♪―


不意に昔の記憶が奥底から這い上がってくる。

それは自分が初めて彼女と出会ったときだった。

初対面の人をまるで何年も付き合っていた人のように扱っていた。

そしていつも元気だった。

名前のとおり、騒がしい未来をいつも作っていた彼女。

しかし、その未来は決して嫌なものではなかった。

そして彼女は弱音を吐いたことが無いし、怒った時もないし、悲しい涙も流さなかった。

少なくとも見たことはない。

二つを除いて……。


―私……約束……守れなかった……だから……お願いします。私を鍛えてください! どうしても助けたいんです! そしてこれから絶対に守れるようになるために!―


それは約束した守ることができずに簡単に友達を、ある組織につれて行かれたときだ。

その時は当時、無敵とまで言われた【理不尽な鉄則】と言う二つ名の男に自分と二人で志願した。

当時の年齢は16歳。どちらも彼からしてみれば少女と言われる年齢だ。男にはもちろん断られた。

しかし彼女の瞳を見て考えが変わった。

その瞳は……


―どんなことでもします! 命以外なら何でもあげますから!―


ある少年(姿は少女だが)と同じ、まっすぐで、感情がこもった強い意志の瞳だったのかもしれない。

自分はさっきの少年から感じた。

あの瞳は自分のどんなものでも犠牲にする瞳だ。

しかし、一番強く感情がこもっていて、それでいて伝わりやすい。

そしてなにより……その瞳を出した人間は、決して考えを変えない。

融通が利かなくなる。

男はそのことを知っていたのだろう。

接点のなかった彼も、きっと昔に懇願したのではないかと、結論付けた。

じゃなかったら簡単に折れないだろう。


実際、彼は丁寧に魔法を教えてくれた。


彼女は男に頼んだときに涙目だった。目は赤く染まっていた。

回想はまだ続きます。

といっても回想は次で終わらせるつもりです。


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

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