好きだよ
『ゆまちゃん、お待たせ!』
ひろが2年生のクラスへ迎えに来た。1年生のNO1と2が来たわけだから、女子の視線が一斉にわたしに集中した。
そこへあみも合流し、何事も無かったように4人が帰って行った。自然にわたしとひろ、あみとこうちゃんに分かれてはいるが、4人が別々になることは無かった。こんな毎日がずっと続いていた。
つまらないことでもいっぱい笑って、4人でいるのがあたり前のようになっていった。わたしはいつの間にか、ひろが好きになっていたのだ。〈みにくいアヒルの子〉だったときのわたしとは違う、好きな気持ちが芽生えている。眺めるだけの好きじゃない。今のわたしなら自信を持って好きって言えるかもしれないーー。
しばらくして、こうちゃんがあみに告白し二人は付き合うことになった。
『ゆまは?ひろに告白しないの?』
『しちゃおうかなー、どうしよう』
『大丈夫だよ。ひろもゆまのこと好きって言ってたしね』
『わかった。頑張ってみる』
学校の帰り道、二人になるチャンスを待った。
『ねーねー、ひろ』
『なになに、どした?』
『一緒に帰ったりするの、嫌じゃない?』
『嫌だったら帰らないだろ。ははは』
『そか…よかった。わたしね、ひろが好きだよ』