恋心
『そーいえば…ひろがね、ゆまのことかわいいって言ってたよ』
『え、マジ!じゃ、あみはこうちゃんかな?』
『あは。かわいいよねー、こうちゃん』
あれから彼らとも何度か遊ぶこともあったが、恋愛感情までにはならなかった。ただ4人でいることが楽しかった。いつまでもこの関係が続いたら、とさえ思っていた。もちろんまだバイトのことは内緒。
夏休みが終わり、学校が始まった。わたしはあみの自宅から、あみと通学した。きっと彼らもこの学校のどこかにいるのだろう。
『今日はさ、ひろ達と一緒に帰らない?』
突然あみが言った。
『いいね、二人とも大丈夫かな』
『休み時間に1年のとこ、行ってみようよ』
休み時間に彼らのクラスに行くことにした。休み時間のチャイムと共に、1年生のクラスへ向かった。
『そういえば、ひろとこうちゃんて1年の中で人気NO1とNO2らしいよ』
さらっとあみが言った。
『ひろいるかなぁー、あっ。いたいた。ひろ!』
あみが呼ぶと、ひろが振り向いた。
『なんだ、あみかぁ。なに?』
『今日4人で帰らない?』
『いいねぇ!俺迎えに行くよ、ゆまちゃん!』
『ははは…』
笑うしかない。そんな4人のやり取りを、こっそり見つめる女子達の視線に気が付くはずもなく。
《迎えだって、なんか嬉しい…。もしかして…》