白鳥からじょしこうこうせいへ
つまり、この日からこの男子の彼女になったというわけで。わたしは、あまりこの大野くんという男子を知らない。知らなすぎたのだ。
見た感じはちょっと筋肉質の170㎝くらいの色黒男子。彼は地元ではイケメンで有名だったらしい。そんな彼がわたしに告白したとあれば、みんな黙ってない。
次の日大野くんから、
『友達がゆまちゃんに会いたいらしくて。紹介したいんだ。いいかな?』
『う、うん…』
わたしは、よくわからず放課後彼と彼の友人達に会いに行った。男子との免疫なんてないわたしには場違いだということがよくわかり、何も話せず「おとなしい彼女」で終わった。
学校の廊下で彼とすれ違っても、気が付かないふりをしていた。本当にどうしていいのか、わからなかったのだ。
学校の授業でも教えてくれない男子との話し方を、ぜひ学びたいと思った。
そんなことをしていくうちに、何かこの女子は違うと思ったのだろう、1ヶ月で振られることになった。
《ま、別にいいや。ノリだったし》くらいの感じだったが、知らない男子には即答しないよう学んだのだ。
わたしがかわいい説なんて、そんなわけない。まだ疑っていたわたしに、また電話がなった。
『川田さん?こないだ大野と会ったときにいた木村といいますが。わかる?』
と、知らない男子からの電話だった。
『わかんない』
わたしは、即答する。
『だよね。実は、別れたって聞いて、俺にもチャンスあるかな?明日の放課後駅で待ってるから』
『え?あ、はぃ…』
《どーゆーこと?勝手に待つな。てか、誰?》