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新しい生活
隣町の専門学校へ進学を決めていたわたしは、実家を出るために貯めていた貯金と親の協力を得て、独り暮らしを始めようとしていた。贅沢は言えない身だから、狭いワンルームに簡易キッチンがあるくらいのアパート。
順調に引っ越しも済み、あとは入学式を待つだけになった。特にやりたいことも無く、料理が好きなわたしは調理の専門学校へ行くことにしたのだ。あみは卒業してからすぐ、こうちゃんとは別れたそうだ。彼女は進学はせず、しばらくはフリーターでいると言っていた。
引っ越しして初めての夜は、少しホームシックになったわたしだが…。時間と共に新しい環境に慣れ、いよいよ入学式の朝を迎えた。これからどんな学校生活が始まるんだろうとわくわくしながら学校行きのバスへ乗り込んだ。
そしてわたしは、この学校で忘れられない恋の相手と出会うことになるとは、このときのわたしには想像も出来なかったーー。