12/18
秘密
《え?今なにしたの?》
それは一瞬のことだった。
『ゆまちゃん、ごめん…つい』
こうちゃんが謝ってきたが、わたしにはまだ理解ができていなかった。
『なんで…?ダメじゃん』
『ほんと、ごめん。ゆまちゃんのせつない顔見てたら、止められなかった』
『あみの彼氏なのに…』
『ごめん、あみには言わないで』
『わたしだって言えるわけないじゃん!』
とりあえず落ち着かなきゃと、立ち上がったとき玄関が開く音がした。
『ただいまー。あれ、こうちゃん来てたんだね』
『あみ、おかえり。こうちゃん、来てるよ』
その後のことは、よく覚えてないままあみの部屋をあとにした。
《どうしよう…あみにあやまらなきゃ。このまま黙ってなんていられない…》