キス
あれから何度か4人で帰ろうと試みたが、叶うことは無く…。《こうちゃんとあみがうまくいってればいいかな》くらいに思っていた。
わたしは、自宅とあみの家を行ったり来たりしていた。学校が始まっても、まだ週末だけバイトを続けていたのだ。
そんなある日、あみが照れ臭そうに話してきた。
『聞いて、聞いて…』
『どした?』
『こうちゃんと…キスしちゃった!』
『うわぁ、マジ?おめでとう』
ちょっとうらやましいな、と思いつつもわたしはひろのことを考えていた。《わたしとひろは、どんな感じなんだろう…最近、全然会えてない》
だんだんと秋を感じる季節になったころ、わたしはまたあみの部屋にいた。でも、今日はこうちゃんが遊びに来るらしく、おやつを買いに出かけて行った。
すると、予定の時間よりも早くこうちゃんがあみの部屋に来た。
『あみね、おやつ買いに行ってるから座って待ってて』
『ラジャ!で…ゆまちゃん、なにやってたの?』
と、いいながら部屋に入ってきた。
『課題終わらなくて…』
『マジかー。そういえば、ひろとはどんな感じになってるの?』
『ん~。わたしもわかんないの』
『なにそれ?付き合わないの?』
『なんか無理そう…せつないなぁ』
そんなやりとりがしばらく続いた。
『あみとこうちゃんがうらやましいな…』
と、こうちゃんを見ながらわたしがそう呟いたときだった。突然、こうちゃんがわたしにキスをした。
『え…なんで?』