14話 夢想
『俺は最強の勇者だぞ!』
自分にそう言い聞かせ、気合いを入れ両手で水晶を掴んだ!
『『F 』よ出ろーっ!』
頭上の水晶を睨み付ける!
水晶が光を放ち『G 』の文字が浮かび上がった・・
「チッ!『F 』じゃねぇのかよ・・」
ため息を漏らし測定係に目を向けると
「『G 』って・・こんな事が・・」
戸惑っていて、戦士達も見慣れない文字と水晶の輝きに静まり返っていると、承認係が緊張した面持ちで・・
「『G』は『F 』より上・・最強の勇者・・凄い方が来られた・・これは、国庫が1つ空になるぞ・・」
と呟いた言葉に、戦士達から大歓声が沸き起こる!
俺の頭上では、金色に輝く水晶と『G 』の文字が浮かび上がっていた・・それを誇らしげに見上げ・・
「まっ!当然の結果だな!」
と呟き・・
「でも、俺はレインボーの輝きが見たかったんだよな・・」
俺は目を覚まし病室の天井をボーっと眺めていた・・どうやら空想している内に眠ってしまい、夢を見ていたようだ・・
「虹子、居るのか虹子!」
病室を見回し虹子の姿を探す・・
『居ないのか・・』
と思った時、頭上からひょっこり顔を出した!
「どうしたの?どこか痛い?何か欲しいの?」
「いや・・虹子が見たかっただけ・・」