13話 承認
勇者レベルは大体『B 』の青色が続き、黄色の『C 』が出ると戦士達から歓声が上がった・・
「レベルの最高って何?」
気になって前の勇者に尋ねると
「最高はレインボーに輝く『F 』だな!『F 』ランクの勇者になると、盛大な壮行会が開催され、王様から剣を授与される。予算だって毎晩パーティーが出来る程もらえるんだぜ!俺は絶対に『F 』を出すぞ!」
自信に目を輝かせていた・・俺は最強の勇者だから当然『F 』だな!とワクワクしながら順番を待つ・・
前の勇者に順番が来た!
「よし!」と気合いを入れて小さい水晶に両手をあてる!
俺も応援する気持ちで、大きい水晶を見つめた・・
水晶が赤く輝き『A 』の文字が浮かぶ・・
「レベル『A 』なので承認出来ません!」
「は?う、嘘だろ・・俺が『A 』なんて・・も、もう一度、計らせてくれ!」
「ダメです!もっと鍛えてから、出直して下さい!」
計測係がそう言うと
「はい、次の勇者の方!」
と水晶に手を当てるように示した・・前の勇者が帰って行く背中を見つめ
『もしかして、俺も『A 』だったりして・・』
一抹の不安がよぎる・・