11話 威嚇
魔物をボスと呼んだのは名前だからと説明したが、門番は納得せず、5人の兵士が同行する事で、なんとか城の中へ・・
「ふぅー!やっと入れた!」
兵士が承認と許可証を出す場所に案内してくれると、そこには大勢の剣士や魔法使い、腕自慢の戦士達がわんさかいた・・
「いっぱい居るけど、みんな勇者なの?」
兵士に尋ねると
「いいえ彼等は勇者じゃなく、勇者に自分を売り込み、魔王討伐の仲間に入れて貰おうと集まってるんです」
「へぇー、そうなんだ!で、勇者は?魔王討伐の承認はどこで?」
「あそこです。勇者達が列に並んでるでしょ」
俺は、ボスをその場に待たせて勇者の列に並んだ・・
「おい!見てみろ、魔物が来てるぞ!」
どこにいてもボスは目立つようで、戦士達がザワめき出す・・
「デカくて強そうな奴だな・・」
「よし!いっちょ、ヤったるか!」
「バカ止めとけ!お前じゃ敵わねぇ!」
「何だとぉ!」
「まぁ、見てみろ・・5人の兵士が周りを固めてる!相当ヤバい魔物に違いない・・」
「そうだ!アイツには手を出さない方がいい・・きっと名のある勇者に飼われてるんだ・・後で揉めるぞ!」
ボスの鋭い目付きが戦士達を睨み付けていた・・