プロローグ 開場準備
プロローグ 開場準備
ARSS創立記念パーティー。
それは、読んで字の如く、ARSSの創立を祝うパーティーだ。
このパーティーは毎年年末開かれており、毎回ARSSの支援団体連合……通称『BLUE』が経営するホテルで行われる。
例年豪勢に行われるのだが、このパーティーの一番のメインイベントは、その年に最も優秀だったアーベント十名を表彰することだろう。
毎年誰を選ぶかで上級達の『夜明議会』は揉めに揉めるのだが、本年度に限っては、とある二人の受賞は満場一致で決まっていた。
そして、そのことは、外部の者から見ても明らかなことであった。
『あの「復讐姫」が遂にスポットを攻略し、ARSS創立記念パーティーに参加する』
誰かが、ボソリと呟く。
『一番の怪物が、英雄気取りとは片腹痛い』
誰かが、ボソリと呟く。
『だからこそ、我々が動かなかればならない』
誰かが、ボソリと呟く。
『今こそ、アーベントとかいう化け物どもを、人間社会から排除する絶好の機会だ』
誰かが、ボソリと呟く。
『化け物どもに、制裁を』
誰かが、ボソリと呟く。
『『化け物どもに、制裁を』』
複数の誰かが、ボソリと呟く。
『『『『『化け物どもに、制裁を』』』』』
大人数の誰かが、ボソリと――。