第二話
「おい、起きろ。」
その言葉で目が覚める。
重い体をゆっくりと起こす。
するとそこは刑事ドラマとかでよく見る取り調べ室だった。
ここで今までのことをちょっと思い出してみた。
名前は稲荷田 狐狛。
年齢は15歳で、気づいたら暗い路地裏にいた。
そして、誘拐犯と間違われ警察に連行された。
その後、パトカーに乗った瞬間にとてつもない眠気が来た。
こうやって思い出してみると頭おかしいな。
まず、ベットで寝ていたはずなのに気づけば路地裏・・・・・・
もうその時点でわからない。
これはアレか? 最近見たアニメのジャンル・・・・・・何だっけ?
えーと、あっそうだ転生ものだ。
そう考えていると
「ねぇ知ってる? こういうのって都合がいいようになるんだよ。」
と聞こえてきた。
こういうの? 都合がいい? なんのことだ?
そうやって色々と考えていると空姫が怯えた声で
「キミは私を誘拐しようなんてしてないよね。」
と言った。
言い方からして空姫も疑っていた。
だからオレはすぐに
「空姫を誘拐しようとはしてないよ。」
と言った。
その言葉を聞いた空姫は少し深呼吸して
「なら大丈夫だね。」
と言った。
声からしてまだ完全には安心していないようだった。
どうすれば空姫の誤解が解けるだろう。
と思いながら横を見ればさっきの真奈さん? がこちらに疑いの目を向けていた。
真奈さん? は見るからに高校生だった。
そんなことを考えていたら真奈さん? が
「なんできみは初対面なのに空姫のことを呼び捨てにしてるの? 」
と少し殺意のこもった声で聞いてきた。
オレが答えるより早く空姫が
「私が許可したからだよ。」
と言った。
真奈さん? の顔が笑顔になった。
「なんだそういうことか〜。早く言ってよ〜。じゃぁ私も呼び捨てで呼んでよ。」
と言いオレの体をポンポンっと叩いた。
空姫も釣られるようにポンポンっと叩いた。
空姫には力が全然なかった。
でもやはり疑問なのは初対面の人に対して呼び捨てで呼ばせるところだ。
(この二人は警戒心がうすいのか?)
などを考えていた。
そんなオレ達を見ていた刑事さんが
「じゃぁ君は無罪なんだな」
と言った。
「はいっ」
と、オレだけじゃなく空姫と真奈も言った。
そして刑事さんが
「一応念の為、住所と名前を教えて。」
と言ってきたので
「オレは稲荷田 狐狛と言います。」
と言った瞬間、横にいる空姫が
「稲荷田 狐狛・・・・・・いい名前じゃん。」
と言った。すると刑事さんが
「今は静かにしてくれ」
と言ったら空姫はショボーンという感じで静かになった。
「で、住所は◯◯県の・・・・・・」
と言ったときに刑事さんは難しそうな顔をして
「聞いたことのない地名だ。ちなみに何という国にあるんだ? 」
と聞いてきた。
だからオレは、
「日本です。」
と言った。
刑事さんの雰囲気が変わった。
「日本・・・・・・それはおとぎ話に出てくる国だ。」
と言った。
オレはものすごく驚いた。
オレは確かに地球という星の日本という国の◯◯県◯◯市で生まれた。
なのに日本はおとぎ話の国でこの世界には実在しない・・・・・・どういうことだ?
そんなことを考えていた。
すると背後から
「どうした、困った事でも起こったのか? 」
という威圧感たっぷりの声が聞こえてきた。
その声の方を見るととてつもない威圧感がオレを包み込んだ。
「リニア警察長!! 」
と刑事さんは驚いたように言い、頭を下げた。
(なるほど警察長か。・・・・・・威圧感があるのは当然だな。)
そんなことを考えている間に刑事さんは今の状況を説明していた。
「なるほど、日本か。」
警察長がニヤリと笑った。
「面白い。その日本を見つけて我々がこの世に発表するぞ。」
刑事さん達が驚いた表情で警察長の方を見ていた。
たぶんあの威圧感のすごい警察長からそんな言葉が出てくるとは思っていなかったからだろう。
「はいっ」
刑事さん達が言った。
「おぉそういえば、君たち学校は大丈夫かい? 」
え、学校?
とオレは頭にハテナを浮かばせていた。
空姫と真奈はハッと時計を見る。
時計は8時17分を指しているようだった。
「ヤバっ。空姫、早く行くよ。」
と真奈が準備をしながら言った。
「そうだね。・・・・・・狐狛も一緒に行こ。」
空姫は準備の手を止めてオレに話しかけてきた。
声からして安心しているようだった。
まぁそんなことは置いといて・・・・・・
まず学校って制服で行くモノじゃない?
小学生なら分かるけど、見た目からして中学生と高校生。
私服なのには少し疑問が残る。
そんな疑問点を抱えながら
「まぁ暇だしいいよ。でも部外者は入れなくない? 」
と言った。
また思考タイムだ。
オレは学校側からしてみれば部外者なわけだ。
もし入れたとして色々と質問されて
『路地裏です。』
なんて答えたら怪しさが出てくるに違いない。
そんなことを一人で考えていたら空姫が
「そういうことは後で考えよ。とりあえず行くよ。」
と言ってきたのでオレはとりあえず空姫たちの学校に向かった。
外に出るときに刑事さん達が見送ってくれた。
(そういうことは・・・・・・ ねぇ。)
声に出ていたのか?
と考えながら空姫と真奈の二人を追った。
「脳内搭載型人工知能『ななし』、起動しました。これよりハッキングを行います。」
何か聞こえた。
気のせいだと思いながらオレは走った。
「ハッキング」
「完了」
読んでいただきありがとうございます。
この第二話は伏線祭りでございます。
どんな伏線を張ってどのように回収しようかまだまだ考えることがたくさんですね。
次回も頑張って行くぞー。
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