中編 寝て起きたら金髪ロリのお嫁さんが出来ていた。何を言っているかわからないと思うが(以下略
中編 寝て起きたら金髪ロリのお嫁さんが出来ていた。何を言っているかわからないと思うが(以下略
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相変わらずかっこいいなぁ。
行動はちょっと残念だし、パンツ嗅いでるのとか完全に変態だったけど。
それでもやっぱり、私こんなのが好きなんだ。
「……」
そういえば返事まだもらってないわね。
女の子の告白に返事を寄越さないとかどういうつもりなのかしら?
何かいいかけてたけど、途中で途切れちゃったものあれを返事とは認めないわ。
これは、、
「無言は肯定と捉えてもいいのかしら?」
返事はない、ただの屍のようだ。
よし、そうとなれば早速!
何事も早い方がいいに決まっているもの。
お父様に結婚のご報告に行くことにしましょう。
何事も挨拶って大切ですもの。
ずるずる
彼の手を引いて部屋をでる。
!!
すれ違うメイドがびっくりして完全に動きが停止しているわね。
きっと、立場を超えた恋愛ってやつに驚いているのね。
メイドってそういう話大好きですもんね。
でも、私を見て固まるなんて少々失礼でなくって?
今日はとっても機嫌がいいから特別に見逃してあげるけど。
1ファールってとこかしら?
まぁ、私メイドの顔なんて覚えられないから5つも貯まることなんて ほぼないと思うけれど。
「……」
立場を超えた恋愛ねぇ。
ちらりと彼を見る。
そして固まったメイドを見る。
別にお父様の側室を狙うとかなら構わないのだけど、彼にちょっかいなんてかけたら承知しないわよ。
まぁ、残念執事だし大丈夫だとは思うけど。
でも、顔だけはいいのよねぇ。
今だってほら、私より彼の方が注目集めてるもの。
メイドの視線が彼の顔に固定されてるわ。
ずるずる
すれ違う者みんな振り返り彼の顔を凝視して、そして私と目があってそくさくと逃げていく。
流石の私でも、ちょっと見惚れちゃったぐらいでどうこうなんてしないわよ。
それよりも、公爵に対してその態度ってどうなのよ。
直接の雇い主ではないとはいえ、いやだからこそ礼儀を……
ま、いいわ。
それにしても、男の人って結構重いのね。
私学園では剣も魔法も結構成績いいんだけど、それでもなかなか重みを感じるわね。
まぁ、意識がないと人って重く感じるらしいしね。
よし、到着!
ここって無駄に広いわよね。
機能を考えればこれぐらい必要で、そもそも大きいことにも意味はあるのだと思うけど。
私と彼の愛の巣を作るときはもう少しこじんまりとした作りにしましょう。
「お父様に会いにきたわ」
「……」
なんでこいつら扉開けてくれないのかしら。
護衛と言っても、それも仕事の内でしょ?
この兵士達、無能なのでは?
なんで目合わせて見あってるのよ、、
もういいわよ!!
コンコン
「失礼します」
相変わらず無駄に豪華な部屋ね。
実際は無駄ではないんでしょうけれど。
でも、こういう豪華な部屋を見た平民上がりが切れるっていうのは理解できる気がするわ。
自分らが命削って収めた税がこういう形になってるって知っちゃうとね、、
思うところはあるでしょうね。
まぁ、お父様はまともな部類な人なのだからちょっとは理解してほしいという思いもあるのだけれど。
もっとひどい貴族の連中なんていくらでもいるのだから。
それこそ、あいつとか……
「おお、カンナどうしたんじゃ?」
私を見るなりお父様がご機嫌よさそうに声をかけてきた。
さすがね、周りでアワアワしているだけの無能達とは違うわね。
やっぱり平民はダメね。
「カンナ……その引きずっておるのは??」
やっぱりお父様も無能……いえ、これはさすがに不味いわね。
それにしても、お父様の視線が彼の顔に釘付けになっているのだけれど、、
ダメよお父様、父と息子でなんて。
男色は貴族の嗜みなんて言うけど、近親はまずいわ。
「お父様、私彼と結婚するわ」
言ってやったわ!
「そ、そうか。その……もちろん2人でしっかりと話し合ったんだよな」
「うふふ」
当然よ。
結婚してって言って返事が返ってこなかったもの。
無言は肯定と捉える、これ貴族の常識よ。
え?
無言は否定とも捉えてた?
そうね、貴族の嗜みってやつかしら。
「その、夫の顔面がすごいことになってるが」
「あら、そうかしら? 相変わらずイケメンのダーリンだと思うけど」
人の顔に向かってとやかくいうなんてひどい人。
やっぱりお父様も……
というかダーリンの顔見て酷い顔とか
薬でもキメちゃってるのかしら?
あ、いけないいけない。
公務が忙しすぎておかしくなっちゃってるだけかもしれないのに、貶すなんてよくないわ。
お国のために頭おかしくなるまで働くなんて感動しちゃうわね。
さすがお父様、カッコいい。
私は絶対しないけど。
「その、どうも力なくだらんとしているように見えるが」
「きっと疲れちゃったのよ」
彼がだらんとしているのなんていつものことでしょ?
真面目に働いてるとこなんて見たことないもの。
いや、今日のパンツの匂いを嗅いでいたのが彼なりのまともに働くということなのかもしれないけど。
それなら余計にそうね。
「いや……」
「お父様? もしかして、年でボケちゃったのかしら? こういうのって叩いたら治るって聞いたことが」
平民の噂で簡単な魔道具ならたたいたらなおるっていうわよね。
実際の所、無意味どころか壊れるし爆発しかねないからやめてほしいんだけど……
無知な平民だからね、仕方ないね。
「いや、なんでもない。そうか、結婚おめでとう。いやぁー、めでたいなぁー」
さっすがお父様、話が分かるわね。
天才!!
でも、なんか顔硬いけれど、、
疲れてるのかしら?
きっと孫にでも会えば、疲れなんてすぐ吹き飛んで癒されるに違いないわ。
来年には会わせてあげられるかしら?
「お父さん、助けて
ボコッ!!
「……」
ニコ
何か聞こえた気がするわね。
でも、きっと気のせいね。
お父様にも聞こえていないみたいだもの。
「よし、私の名の下に2人の婚約を正式なものとして認めよう」
「まぁ、嬉しいです。ありがとうございます、お父様」
言質は取った。
お父様に逆らえるのなんてこの国にはいないもの。
さっすがお父様カッコいい!
「え、えーっと。このあとは何をしようか。パーティーの準備でもしようか?」
「いえ」
「それとも少し急だが式でも上げるか?」
「いいえ」
「……えーっと」
「無粋ですわよお父様」
「?」
「結婚初夜にやることといったら、一つしかないじゃないですか」
「……そか」
「……」(チーン
残念執事の手を引き寝室に戻る。
ドキドキしてきた。
執事とお嬢様が部屋にいるわけではない、二人の男と女が部屋にいるのだ。
しかも親公認の仲の、、
何も起こらないはずもなく?
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あの子が……たくましく育ったものだ。
いや、元々一本の芯のある子だったか。
カンナ・モンテーニュ公爵、勘当された家を乗っ取る悪役令嬢。
「国王様、公務の時間が……」
「わかっておる」
まぁ、息子にはちょうどいいお相手か。
ーー『働いたら負けだと思っている』
とかくだらないこと抜かして継承権を破棄した馬鹿には。
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