駆け込んで、泣いてます。
人前で、泣くくらいなら、歯をくいしばって耐える。爪が手に食い込むくらい、ギューっとして、耐え忍ぶ。最後の手段は、トイレで泣いて、化粧直しをして、笑顔をつくる。
それ以上の、嬉し涙が、止まらなさそうなときは、駆け込み寺に駆け込んで泣いて、泣いて、泣くだけ泣く。
泣き止むと、すべては、夢だったような気がする。
今は、のんびり、赤いマフラーを編み始めた。
住職は、若い男性にかわっていたが、写経をしなさい。念仏を唱えると良い、座禅が良いと、適切に、私をフツーに、回復させる。
ああ、この駆け込み寺が、あるかぎり、私は大丈夫。
退職したことも、昔の男と予期せぬ再会があって、混乱したことも、全て水に流す。
世間は、コロナとやらで、大変らしい。
住職は言う。
あなたは、自分で思っている以上に疲れている。束の間の休息が、必要だ。
ぐっすり眠りなさい。精進料理を食べなさい。
ありがとうございます。私は、もう2ヶ月、住職の世話になる。
また、ホロリと涙がでた。
ありがとうございます。住職。
お世話になります。
少し、休んでみよう。たまには。私には、休息が必要なのだから…