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屍の王〜腐人から始まる転生譚〜(仮)  作者: エイム
第1迷宮
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さきっちょだけだから!!!

ぼんやりとしていた意識が鮮明になっていく。まだ少し朦朧としているがさっきまでよりはマシだ。


(ここはどこなんだ? 全く思い出せない)


周りを見渡しても全く見覚えのない場所だ。石造りの壁の通路が前後に広がっている。

そして何より…


(目の前のグロテスクな死体は何なんだ? 腕が無いし腹が破けて臓物が飛び出ている。 そして何より頭の中が空っぽだ…)


俺が何者なのか。ここがどこで、どういう状況なのか。全く思い浮かんでこない。

と、思考の海に沈んでいたところに、通路の奥からいくつかの足音が聞こえた。


(誰か来る! とりあえずこの場所と状況が分かるかもしれない!)


そんな風に考えながら待ち惚ける事数秒。その期待は裏切られた。


「キャーーーーー!!!」


「な!?!? 遅かったか! ゾンビめ!!!! リッドの仇だ!!!!」


と言って斬り掛ってきた壮年のおっさんと叫び続ける少女である。

意味が分からない。俺がこんなグロテスクな死体を作れるはず…


(っっっっっっが!!!! おもっくそ斬りやがった!!!!)


俺は、左肩から胸の上部にかけて剣で斬り付けられ、血を吹き出してぶっ倒れる。


(って言う幻覚を見たんだが… )


痛みが襲ってこないし血も吹き出てこなかった。

いったい何がどうなっているのか…


ふと身体を見下ろしてみると、確かに胸に剣が突き刺さっているし、左肩はベロンと垂れ下がっていた。

だが、痛みもないし血も出ていない。


何よりも、剣を握っているおっさんの腕が、生者の腕が、途轍もないご馳走に見える。


(これ、食ったら美味そうだな… ちょっとくらいの味見なら大丈夫だよな。 許してくれるよな。 舐めるだけ! さきっちょだけだから!)


と、本能のままに腕を噛み千切った。

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