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俺と別れ

あれから何日がたっただろう。いつもの時間、いつもの場所に行っても冬花の姿は無かった。あの日から冬花とは会ってない。というか俺は会いに来ているのだが、冬花は俺と会うのを拒んでいるのだろう。


「俺、なんか言ったけなぁ」


訳も分からぬまま罪悪感と寂しさだけが募っていく。

冬も終わりかけ、寒さも日に日に暖かくなっていた。


時刻は午後10時。いつも帰る時間だ。流石に帰宅時間は守る。親に心配をかけたらいけないから。


「帰ろ」


春樹は寂しげにその場を去った。





今日は3月31日。冬の最後の日だ。春の訪れは2月5日くらいだろうけど。それはどうだっていい。なんせ冬花にあったのは冬休みに入ってからだったから。


冬休みなので家では暇だ。なにをするかは決まっていた。あの場所へ散歩にでも行こうか。


その気持ちが決まったのは起きてから数分後の昼のことだった。





青色が空を覆っている。外気は程よく感じて、春に近づいているのを実感した。


いつもの道を歩く。


どんな風に出会ったか、それはいつの日か、どんな印象だったか、そんな事を頭の中に巡らす。

楽しかったな。その日々たちはいつの間にか春樹には大切な時間になっていた。


いつもの場所近くを歩く。並木道には蕾からまばらに開いている桜が春の始まりを予感させる。


「やっぱりいないか」


冬花の姿を重ねる。多分昼だからというのもあるだろう。しかし昼くらいから最後くらいは会って話がしたかった。


ヴーっと携帯に着信がきた。慌ててケータイをポケットから取り出し電話に出る。


「もしもし」

「あ、春樹早く帰って来なさい」

「あ、今日って・・・・・・」

「そうよおばあちゃん家に行く日よ」





おばあちゃん家はうちから車で30分のところにある。会いに行こうと思えば会いに行ける距離のため、休日を使って行くことが多い。

春樹は車内でも冬花のことを考えていた。どうせすぐ帰るだろう。その思いで道中車に揺られた。


おばあちゃん家に着くとおじいちゃんとおばあちゃんが家の前で手を振っていた。会うのは前の長期休暇以来だ。

おじいちゃんおばあちゃん共に元気そうで少し安心した。


「久しぶり」


言葉を交わして玄関のドアを開ける。おばあちゃん家の香りが春樹を包む。


「夜ご飯まだでしょ? ご飯出来てるよ」


気づけば夕方の5時になっていた。


それなりにお腹が減っていた春樹は即決して席座った。


ご飯を食べ終わると疲れと眠気からかうとうとし始める。視界の幅が狭くなりやがてそのまで寝てしまった。


「あらあら春樹ったら疲れてたのね。お母さん毛布ちょーだい」


お母さんは春樹に毛布をかけると、お母さんは久しぶりの家族との時間を春樹を起こさないように話した。

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