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金剛夜叉の喜三郎

作者: らんたん

とある機会に、上手く横書きを書けなかったのが悔しくて、

慣れのために書き下ろしてみました

ハードルを上げるために、あまり書かないジャンルにも挑戦してみました

普段は本格ミステリーが多いです

今回は共通事項を題材としたユーモアミステリー

殺人事件などは起きません

第三者、神視点で現代と江戸時代への移行があります

 物事には誰にも共通する話というものがありますな。

 現代でも、よくある話が一つ。

 有名なのは、年齢の離れた父親と子供のすれ違いでしょうかね。

 

 何せ歳を取ると耳が悪くなる。

 言葉と常識が今と違うもんだから、変な勘違いをしてしまうんですな。


 ある時、息子が自分の部屋で友人と携帯電話についての話をしていました


「これしか、携帯サイトではなかったよ」


 若者なら至って普通の会話です。

 しかしこれを廊下にいた父親が立ち聞きしたんですな。

 十七、八になる息子が『彼氏が変態サイコでしかなかったよ』と言っているように聞こえたのです。

 

 耳が悪いですからね。

 仕方ないんですよ! 子どもを心配しているだけなんです。

 しかし、今回は内容が悪かった。


「あんな曲風で小さいけど……」

「あ、あ、あ、あんな局部で小さいけど……!」


「みんな、タダだし、まあいいや」

「みんな裸だし、まあいいか!」

 

 これは父親、もうヤカンです。沸騰中ですよ。

「あれか。テレビでよく見るようになったあれなのか!」


 ヤカンとなった父親は思わず息子の部屋に入りました。

 そして、心配事を赤裸々に伝えたのです。

 

「お前の裸は人様には見せてはいけない! と、とくに局部を男に見せるのはダメだ!」


 もちろん、事情の掴めない息子には意味がわかりません。

 隣にいた友人も変な勘違いをし始める。


「ど、どういうことだよ、裸を見せるって!」

「いやいや違うよ」


 息子は顔を真っ赤にし、

「はあ、てんぱってるのかよ、今すぐ出て行けよもう」と言ったのです。


 悪いことは続くものですね。

 父親は顔面蒼白で言いました。


「ハ、ハッテンバに出て行くと言ったのか、いますぐハッテンバに――!」

「ハッテンバ?」

「そうだ、ハッテンバだ」


「全裸でコンバインする気なんだな! だから、ハッテンバに!」


 もう、息子さんは思考停止でしょう。

 しかし、父親は止まりませんよ。

 心配のあまり、彼は二人の関係を追求していきます。

 

「ええい! 今からこの優男とハッテンバで絡み合う気なのかい!」

「お前そんな……」

 これは友人の叫びです。

 そして父親が「このバカ息子!」と殴ります。

 おまけに余計なことを付け加えてしまうのです。

「少し嬉しそうな顔をして!」



 いやはや、これでは誰が変態で誰がバカなのかわからない話です。

 話している(書いている)わたしの顔も別の意味でヤカンです。


 冷静に考えれば、これしか、携帯サイトを彼氏が変態サイコ――?

 あんな曲風で小さいを、あんな局部で小さい――?

 みんなタダを、みんな裸――?

 はあ、てんぱってるが、ハッテンバ――?

 

 ふう、老いとは怖いものです。

 息子は携帯で無料音楽をダウンロードしようとして、ビットレートに不満を持ったのでしょう。

 でもタダだから、構わないと友人に言い、そこで父親が乱入。

 文句を言ったら、ハッテンバ。

 

 もう頭が痛いです。


 そもそも「ハッテンバ」や「変態サイコ」なんて言葉。

 今から三、四十年ほど前に流行った言葉なんです。

 今の若者にはぴんと来ない代物。それがわからない年齢こそ父親なんですね。

 

 そして、こういったすれ違いは現代だけでもないんですな。

 実は江戸時代でもよくあった話なんです。

 

 わたくしの何世代も前にも似た出来事がありまして。

 おそらく、ハッテンバより恥ずかしい話だと思います。

 しかも、この話、現代でもよくある話なのが、困ったところなのです。

 教訓のため、先祖の恥を忍んで、綴っておきましょう。

 

 主人公は、江戸の下町にいた田野与一という男の話になります。

 この方、なかなか立派な人物で、六十歳まで無病息災で長命でありました。

 当時は四十歳まで生きていられたら、長命扱いだったので、立派に違いありません。


 しかし彼は聡明ながら、目や耳が衰えてきていました。

 そして、出来るだけ静かなところで余生を過ごしたいと思うようになったんですな。

 

 老年、どの時代でも考えることは同じです。

 ただそれを許さないのが、彼の生徒でした。

 田野は寺子屋の先生をやっていました。

 ある日、生徒同士の喧嘩が始まります。男生徒が二人、言い合いを始めました。


「先生、こいつがおれの筆を盗んだんだよ」

「違うよ、こいつがいらないみたいだったからもらったんだ」

「何だと!」


「これ、訳を説明なさい」

「こいつが上等な筆を持っていたんだ。どうしたのか聞いたら習得したと言ったんだ」

「ああ確かに拾得したと言った」

「だから持っていたんだ」

「どうしてそうなるんだよ!」

「だってすぐに出せるんだろ!」


「何言っているんだ頓馬」

「何い、もう一回言ってみろ」

「頓馬頓馬」

「てめえ二回も」

「頓馬頓馬頓馬」

「ああ、三回も言ったなあ、それならこっちは四回だ、頓馬頓馬――」

「ええいやめんか、何回でもいい」

「でも先生」

「それはただの誤解ごかいだ」


「え、五回も頓馬と言うのかい」

「違うわこの頓馬が! 駄馬が!」

「ひどいや、駄馬は人間じゃないのに!」


「いいかい。お前さんの言う拾得は拾うこと、お前さんの言う習得は身に付けることだ」

「ああ、それでお前は筆を持って行ったのか」


「何だよ。つまんないの」


「忍術でも持っていると思ったのに。そもそもお前が難しい言葉を使うからいけないんだぞ」

「何だと!」

「よさんか、済んだことだ」

「畜生、まあでも、この筆はこれでおれのものになるし、いいか」

「いやそれはないぞ」


「どうしてだよ、おれが拾得したのに」

「だって、その筆はわたしのだからね。今すぐ返しなさい」

「それはないよ、先生!」

「じゃあ筆先の毛を少し分けてやる」

「そんな褒美じゃ、素直に了(六)解も言えやしない!」


 なんてことが毎日、続くもんで、田野も溜まったもんじゃない。

 そこで大きくなった教え子に寺子屋を任せることにしたんですな。

 そうして、六十歳からの悠々自適な生活を始めたのが事の始まり。

 

 いいや、あの忌まわしい事件の始まりだったのです。

 

 老いた彼は毎昼、お気に入りの茶店に行くようになりました。

 その茶店には酒蔵がありません。お陰でお酒は出ないもんで、大変静かな場所となっていました。

 

 田野は朝にゆっくりと長屋で過ごし、未の刻にでも茶店に行くんですが、すると、いつもの常連の連中が二人居座っているんですな。名前を金一と雲次と言いました。

 

 何を仕事にしているのか詳しくは知りません。

 その刹那的な出会いが風流でいいんですな。

 まあ、それでも多少の観察眼はありますから、お互いに面識はあるようなものです。

 まず金一は丁重なお金の払い方をします。

 そして暇があれば店内の調度品を気にする。


 かつては万屋でも構えていたのではないでしょうか。

 年齢はわたしより少し下くらい、それでも十分なお歳です。

 おそらく店は古株の番頭にでも任せて、隠居したんだと思います。


 もう一人の雲次はおそらく大工です。元棟梁ではないですかね。

 何せ体格がいい。お茶もお酒のように豪快に飲みます。

 ただし、少し足を引きずるところがあるように見えるので、高い所から落ちて怪我をしたもんで、引退したのでしょう。

 棟梁となれば、多少の蓄えはある。

 しかし怪我に響くといけないから酒は控えるようにしていると。

 それで巳の刻に弟子の様子を見て、未の刻に茶店で暇を潰しとるわけです。


 後は数人が入れ替わりで来るんですが、大体の身元はこの二人と同様に分かる。

 気にはなりません。おそらく二人も田野のことは寺子屋の先生だったとわかっているはず。

 しかし、それをあえて口にすることはありません。


 これが何かと騒がしい江戸では居心地が良いんですな。

 また、もう一つ、茶店を静かにしているのは、ここの店主の顔立ちの怖さです。

 しかも、喉元に重い病を患っている。

 店主が声を出せないのに我々が大声を出すというのも恥でございます。


 田野はいつものように奥の座席に座り、金一は店の前、雲次は戸口の端に坐りました。あまり客は来ないですし、来ても我々を知っている者が多いので大体、この席順となっております。

 そして、春には雀の囀りと桜花の散り際を謳歌し、夏には左手で蚊と一戦を交え、残った血を手ぬぐいで拭き取る。理想の生活でありました。風情もあります。

 秋には栗を食べ、紅葉から思いついた一句に高揚する。

 冬にはまた左手で蚊と一戦交え、残った血を手ぬぐいで拭き取ります。

 

 はておかしい。

 何で冬に蚊がいるのかと見やると「ああ、新しく出来たシミか」と、拭き取れない血に一年の早さを感じるのです。田野は幸せ者でありました。

 この変わらない日々に満足していました。

 

 しかし、ある日、それが悉く崩れる異変があったんです。

 珍妙な格好をした野武士の登場。もちろん新しい客は絶えず来るもんです。

 しかし、大抵のお客は三日も経たずに来なくなっちまうんですな。なぜならお酒が出ないから。

 それで、また静かな毎日が始まるわけですが、この野武士は二日、四日と通い続けるではないですか。 

 もうこれで一週間。

 

 しかも、いつ何時でも、田野より早く来て、田野が坐るいつもの席に陣取ると来ました。

 いけすかない男と言っていいでしょう。

 まあ、田野もそんなことで目くじらを立てるほど若くはありません。

 それにこの茶店は我々にとってはお城です。

 事を荒立てたら、お城は狸に化かされたような納屋に変わっちまうってもんでしょう。

 それで田野は野武士の前の席にしぶしぶ座ることになりました。


 しかし、そうなると、当然のことですが、変に迎え逢うことになっちまって、何か恋人が照れて、距離を取っているみたいな位置になるんですな。

 まるで「ハッテンバ」じゃなくて……、「塗炭場」。「塗炭場」にいるようなのです

 

 まあ、それでも田野は諦めて、目線を外しながら、目の前の席で過ごしていたんです。

 これで時間を変えたり、茶店から離れるのも気が悪いですからね。

 ただ、この鼻が大きく、耳の小さい野武士、大きく騒いだりはしないものの、浅葱の匂いが強く、偶に貧乏揺すりなんかもするもんで、金一や雲次も気になり始めたんですな。

 

 ある日、金一と雲次が田野に耳打ちをしました。

「あいつは何者だい」

「おれは知らねえ、ここいらでは見ない顔だ」


「大方、どこかの藩から追い出されて江戸に来たんだろう」

「しかし、あの不格好、あまり一緒にはいたくないね」


「まったくだ、茶店の皆はあまり乗っていない」

「わたしは席にも乗っていないよ」

 とまあ、最後は田野だけの事情ですが、みんな、こんな調子であきれ顔なのです。


 田野はそれでも毎日、毎日、我慢して通い続けました。

 いつか野武士がいなくなる日を期待しながらです。

 しかし、いつまでこんな窮屈な真似をしなくてはいけないのか。

 内心では田野も穏やかではありません。

 そんなある日、大きな転機が起きました。相手が初めて咳払いをしたんです。

 意外にも甲高い特徴的な声でした。


 それを耳にした瞬間、田野に一つの鮮やかな記憶が甦ってきました。

 「おい田野!」という甲高い声です。


 田野は顔を上げて、相手の顔をまじまじと見ました。

 さっきの甲高い声、天狗のような鼻。福耳に反した小さい災いの耳。

 


 あいつは金剛夜叉の喜三郎ではないですか!



 田野の出である小見川藩には、武士専用の藩校がありました。

 そこには剣術の達人と謳われた喜三郎がいたのです。

 本当に本人かまじまじと見つめます。

 

 田野が白い眉を動かせば動かすほど、その男は喜三郎に見えました。


「おお、何と。まさかこんなところで会うことになるとは。尤も憎きあいつに!」

 田野は震えが止まりませんでした。

 喜三郎と田野の出会いはもう五十年以上の前のことです。

 

 二人は藩校の同学年だったんですが、親の位が違うため、先生の扱いや習い場所がまるで違いました。 それは時代性、仕方ないことですが、この喜三郎という男は何せ性質が悪かった。

 どこにでもいるような餓鬼大将で、親の身分が偉いもんだから誰も逆らえないと来ました。

 

 天からの授かり物。

 その大柄の体格で鼻を天狗てんぐよりも高く、軍手ぐんてよりも厚くしていたんですな。

 ある時、大人も両断出来なかった大きな竹をその腕白な一振りで落としたもんだから、よいしょも含めて「金剛夜叉の喜三郎」なんて呼び名が付き、ちやほやされていました。


 その時はまだ田野と喜三郎はあまり親しくありませんでした。何せ教育を受ける場は別れています。接点がなかったんです。しかし、田野は勉学が出来ると、何かと有名人でした。

 それをどこかで耳にしたのでしょう。


 喜三郎は勉学が出来ないという弱点がありました。これが田野と喜三郎を結びつけてしまった。

 田野は藩校から寄宿舎に帰る途中、背後から竹刀で叩かれました。喜三郎でした。

 彼の仲間も動揺しているところを見ると、あの天狗軍手てんぐんてが勝手にしたことなのでしょう。田野が理由を尋ねると、訳がわからない。

「頭を良くするには頭を叩くことだ。だからお前を叩いた」と言うんですな。

「どういうことですか」と追求すると、

「おれにもわからない。ただこれがわかれば、勉学が出来るようになる」と言われたそうなんです。


 それで田野を叩いたのですが、これは勉学の出来なさを釘に喩えた上で、あなたの頭を良くするために、釘を刺しますよという先生の洒落だったのです。洒落ですよ!

 それを喜三郎は本当に田野を叩いて立派になろうと考えたんだから、とんでもない男です。


 しかも、釘だと命中率が低いから竹刀にしたと言うんだから、優しさを通り越して、狩人です。

 そして、それからというもの喜三郎は事あるごとに田野に絡んできました。

「おい田野、少し怒って良いか」

「なぜですか? 喜三郎」

「怒れば為になるんだ」

「だったら、怒らないと為にならないとも言われたのではないですか」


「おお、よくわかったなその通りだ」

「それは炭のことですよ」


「どうして炭なんだ」

「蒸気を上げるからです。石炭は怒り狂ったように煙を上げることで役に立つでしょう。だから、そういうなぞなぞ遊びだったのですよ」

 

 彼は「ああ、なるほど為になる」と言って、「この馬鹿者!」と怒りました。

 もう、唖然としましたね。石炭の話を聞いていたのでしょうか?

 何を話しても、何の役に立ちそうにありません。

 そんなこんなで、田野は藩校を卒業すると、すぐに江戸に来ました。


 郷愁どころか、これで喜三郎と関わり合いにならなくて済むと安堵したくらいです。

 幸運にも小見川藩と江戸はそこまで遠くありませんし、長男でもありませんでした。

 

 親元の許可はすぐに貰えました。田野は気分も一新、江戸で寺子屋を開きました。

 曲がりなりにも武士の教育を受けた者として、町の評判も良く、食い逸れることもなく、今までやってきたのですか、それがまさかこんなところで喜三郎と出会すことになるとは思いませんでした。

 相手は幸か不幸か、田野のことには気付いていません。



「金剛夜叉の喜三郎め! 金剛夜叉の喜三郎め!」


「恨みはらさでおくべきか!」


 田野は脇差を抜き、脅かしてやろうかと思いましたが、もう五十年も前のこと。

 何とかその場は抑えることが出来ました。

 しかしこうも毎日自分の席を追いやられると昔の記憶が甦ります。


 田野が勉学の出来る理由を喜三郎に問われて、「筆と右手の合口がいいだけです」と謙遜すると、喜三郎はどれどれと懐に持った匕首で田野の右手を刺したこともありました。

 

 あなたは信長ですか?


 また、喜三郎の親が開いた会合で「お父様に奢って頂き、感謝しています」というと「父が傲っているとは何事か!」と竹刀を打ち付けられたこともありました。

 

 前後の文脈はどこに行ったのですか?


 もう何がなにやらわからない。

 田野はこの一週間、ありとあらゆる仕打ちを思い出し、とうとう席を立ちました。

 

 この茶店では、田野は一番の古株、いわば殿様です。

 

 あんな不格好な野武士と一悶着を起こしても、皆が味方してくれるに違いありません。

 田野は元先生として尊敬も厚い。

 おそらくこの男は小見川藩で騒動を起こし、勘当されたのです。

 だったら、今と昔の差を明らかにしてやろうではありませんか。


 これも皆が望んでいる静かな茶店を取り戻す善意です。

 田野が二歩三歩と近付くと店先でお茶を飲んでいた金一が色めきます。

 隣の机で煙草を吹かしていた雲次が火を消します。

 

 勘定を数えていた店主が精算と勘違いします。


 皆の注目が中央に集まりました。

 これから、この男に恥をかかせてやる。よく見ておけ。


「お侍さん、あなたは毎日、ここに坐ってらっしゃいますね」

「そうですが、あなたはいったい?」

「ああ、覚えていませんか。向かいに坐っていた者ですよ」


「そうですか」


「それに小見川藩の藩校を出た武士でもありました」

 相手はじっと睨んでは、口をぽかんと開けました。


「名を田野与一。藩校では剣術も人並みに嗜んでいましたよ」

 表情の変化から、田野は感付いたと思いました。

 しかし、あえて反応を出さずに続けます。


「わたしは寺子屋の先生を全うし、教え子に譲っては、ゆうゆうと隠居する身分になっております。この茶店は落ち着いていいですな」


「――ううゥ」


「ところであなたはどこの出ですか。お近づきに是非とも知りたい」


 王手でした。

 これぞ復讐です。


 彼には自らの口で堕ちた、金剛夜叉の喜三郎の名前を宣言させたかった。

 しかし、その王手は意外な方向に向かいます。

「ああ。失礼しました! おらちは駿府藩から来やした。足軽の岡三平太と言います」

 

 つまり……わたしとは――。


「お初にお目にかかる間柄ですね」




 さて、どうでしょうか。

 皆さんも似た経験、失敗があるのではないでしょうか?

 もちろん、失敗があって、人は成長するものです。  

 有意義な経験となったことでしょう。


 それでは金剛夜叉の喜三郎。

 考え落ちにて、終いとさせていただきます。

 ご拝聴、ありがとうございました。







誤字脱字の方、お許しください

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― 新着の感想 ―
[一言] リズム感がある小説を初めて見ました。落語と言われて納得です。文章でもリズムというものが表現できるのかと、感動しながら読ませてもらいました。 なんとなく落語はとっつきにくいと思っていましたが…
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