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89 発見

雪菜視点

あたしたちはりーぜを置いてさらに地下に向かったのだが、

「一体地下は何階まであるのよ」

そう、あれからさらに五階下がり、地下九階。

「もしかして地下百階ぐらいあったりして」

エリナちゃんがそんな不吉なことを言う。

「それだけの階を降りていたら一日じゃすまなくなりそうですわね」

久留巳がそう言って笑う。あたしたちはそんなに食料を持って来ていないのだ。これは盗ゲフンゲフン現地調達しかないのかもしれない。

「まあ、口よりも足を動かしましょう」

久留巳はそういって歩き始める。

「まあ、それしかないわね」

私も久留巳について行く。



地下十階そこには地下への階段と転移魔法陣があった。

「どうする?」

あたしはみんなに聞いた。

「この魔法陣使ってみる?」

「でも変な所に飛ばれたら?ましては罠だったりしたらどうします」

「そうですわね、安全̪性も考えなけらばいけないですわね」

「それでも私たちには残された時間が少なくありませんよ。どうします雪菜先輩?」

あたしたちが悩んでいると鞄の外ポッケトが震えだした。確か結城の魔具が入っていた場所だ。

あたしは急いで魔具を取り出すと魔具から黒い光が出て魔法陣を指した。

「これは…行けって言う事かな?」

あたしはみんなに確認するように聞いた。

「まあ、そうでしょうね」

そう言って久留巳は魔法陣に近づいた。

「みなさん行きますわよ」

そう言って久留巳は魔法陣に魔力を流し始める。みんなは慌てて魔法陣の中に入る。

魔力が溜まったのだろう、魔法陣が光り始める。

「さあ、行きますわよ」

そして私たちは飛んだ。





あたしたちが飛んだ場所にはメカメカしい物で埋まっていた。

「ここは?」

あたしは周りを見る。そこには空中で魔法陣によって動きが固定された結城がいた。あたしは結城を見つけた途端冷静さを失った。

「結城!!」

あたしの声でみんなあたしの視線の先を見る。

「結城先輩!!」

エリナが叫ぶが目を覚まさない。

「無駄ですよ」

そう言って黒沢が後ろから現れる。

「黒沢!!」

あたしは渾身のフレイムウエーブを黒沢に向かって飛ばしたが金属の塊が出て防ぐ。

「誰!!」

あたしが金属の塊をたどって見るとそれは金属ゴーレムだった。

足元には召喚士みたいな女がいる。

「邪魔をするな!!」

あたしはそう言ってその女にフレイムウエーブを叩き付けようとするがまたも金属ゴーレムが邪魔をする。

「雪菜先輩落ち着いて!!」

落ち着いていられるかあそこに結城がいるのだ。ここで取り逃がしたら取り戻せなくなるかもしれないのだ。

「血の気の多いお嬢さんだな」

もう一人いた。あたしが目を向けると日本人がいた。今まで外人しか相手をしていなかったので意外だった。

「邪魔をしないで!!」

あたしの気持ちが高まるのをあらわすように大剣の炎も燃え上がる。魔力は精神と密接に関係しているからだろう、魔力は何かをしたいと言う気持ちの具現化みたいなものだ。

「黒沢さっさとそいつから魂を抜き取ってここからおさらばしようぜ」

あたしはその言葉を聞き逃さなかった。

「それはどういう事?」

「んー?ああ、知らないのか、魂をとってこの機械に埋め込んで国を動かす原動力になってもらうのさ」

あたしはその言葉で何かが切れた。

「ふざけるなーーーーーー!!」

あたしの大剣の炎が大きくなる。

「させない、そんなことを絶対させない!!」

あたしの様子を見た黒沢が

「余計なことを言わないの由真」

「わりー」

「もう、本部のほうでおとなしくしといて」

黒沢に言われて由真と呼ばれた女は奥に消えた。

「燃やし尽くしてやる」

あたしはその機会に炎をぶつけたがまたゴーレムが邪魔してくる。

「だ・か・ら邪魔をするなって言ってるでしょーーー!!」

鋼鉄ゴーレムを焼き尽くしたがそこで終わりだった。だがこれで邪魔をするものはいない。

「その機械を壊されると困るので、これからあたいが相手をするよ」

そう言ったのはゴーレムの足元にいた女。

「来な、パワースレイブ」

その言葉で女の体を覆うようにパーツが飛んで行き、さっきのゴーレムより二周り大きいロボットが出来上がる。

「さて、これからはあたしが相手をしてあげる」

巨大ロボットがあたしたちに迫る。

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