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俺は黒沢の前世を聞いてなんと言って言いか分からなかった。
「目的は魔王を復活させて、魔法少女の特権階級世界を作ること」
「だがそれは昔のことだ。今は」
くだらなそうに俺を見て
「今も昔も変わらない。魔法少女はそのうちに人間と認められなくなる。教会も未だに傲慢だ自分達が正義だと思って他人に自分達の考えを押し付ける!!」
「そんなことは無い」
「黙りなさい、たかが数十年しか生きてない餓鬼が!!君に分かるか助けたものに裏切られ、大切な人が目のまで苦しんで死にそして私も殺された。君に分かるかこの憎しみが!!……それに私は君が気に入らない男の癖に魔具を使い魔法少女を名乗っていることが!!」
そう言って黒沢は手に持っている鎖つきナイフを投げる。俺は素早く転がりそのナイフをかわすが直角に曲がって追いかけてくる。
「結城先輩!!」
エリナが叫んで俺を庇うように俺の前に出ようとしたが俺は転がっていた石を投げナイフに当てて弾いた。
「あぶねえ」
俺は汗を拭って言葉を吐いた。洞窟の奥から次々と魔法少女が出てくる。それはその瞬間なんで黒沢があんななことを話したか分かった。
「…時間稼ぎか」
俺はここまで来られてしまったらチェックメイトだなと思い逃げることに頭を使うことにした。
(無理だな)
俺は直ぐにこの結論に達してしまった。足手まとい二名を守りながら大勢の魔法少女と戦うのは無謀だ。
せめて遠山が戦えれば何とかなったかも知れない。
待てよ、これなら
「遠山、お前転移魔法使えるか?」
俺が小声で遠山に聞く。
「ああ、出来るがイマジネーションギアを封じられてる状態じゃ」
「俺が合図をしたら俺とエリナを転移させることは?」
「出来るけど触れていないと転移できないからな」
「転移魔法に掛かる時間は?」
「二秒だ」
「それなら何とかなるな」
「お前何を?」
「黙って見ていろ、エリナのことは頼んだ」
俺は最後にそう言って遠山から離れた。
「オーラブレード」
俺の手からオレンジ色の西洋剣が出てくる。俺は牽制するように剣からソニックウエーブを黒沢たちに放ったと同時に相手も俺に魔法を放ってきた。俺は相手の魔法を弾いたり、かわしたりしながら少しの間それを繰り返した。
俺のソニックウエーブに目で追うようになったところで俺は
「くらえ、百連撃!!」
俺はいかにもそうな技名を言って抜刀術のようにオーラブレドを抜いた。そこからいくつものソニックウエーブが出て行きみんなそれを目で追っていった。
これが俺の狙いだ。
ソニックウエーブは突然強烈な光を発した。これは形だけソニックウエーブでさっきの発煙弾魔法の強化版だ。これで他のやつらの目を潰した。
「乱魔!!」
俺は指を鳴らして魔法発動した。この魔法はこの世に魔法なんて存在しないと言う思い込みから作った魔法だ。矛盾の塊の魔法。アムド化状態でも一分しか持たなかった。この魔法は魔法と言う分子のつながりを緩くするような魔法だ。魔具でできた魔装までは消せなくても普通の魔法ぐらいは消せる、例えばイマジネーションギアうを使えなくしている魔法とか。大体半径三メートルぐらいまで発動範囲だ。
「今だ、遠山!!」
俺は遠山のほうに走っていった。
俺は遠山の肩に手を置いて笑みを浮かべた。
(これで俺の勝ちだ)
遠山の転移魔法が発動する瞬間、俺の片方の手が引っ張られ肩から手が離れた。
「え?」
俺の口からそんな声が漏れる。遠山がその瞬間消えた。
俺は引っ張られたほうの手を見る。鎖つきナイフが俺の手に巻かれたいた。
「どうして?」
俺はそう呟くしかなかった。
「あの程度の浅知恵でどうにかなると思ったの?」
黒沢はそう言って鎖を思い行き引っ張った。俺は対抗しようとオーラブースを使おうといたが出来なくてそのまま壁に叩きつけられた。
「ガッハ」
俺はそのまま倒れたが腕についた鎖を外そうとしたが壁に腕を押し付けられた。
「いつから気づいていた?」
俺が聞くと
「百連撃で気づいた。あれはソニックウエーブを沢山だし散らばらせるようにしたもの。あれを効果的に使うには不意打ちのほうがいい。だけどソニックウエーブをあれだけ撃った後なら誰もが動きを目で追ってかわせる。」
「くっそ」
俺が悪態をついてオーラブースとを使おうとしてもどうにもなら無かった。
「ちなみに私に鎖は巻きつくことで魔法を使えなくするわ」
最後に種明かしをして俺に鳩尾にパンチが入って俺は意識を失った。




