75 洞窟
「…………きてください」
俺は体を揺すられて目が覚めた。
「ここは?」
俺が体を起こしながら聞いた。体の節々が痛い、よく死ななかったな俺。
そんなことを思っていたら誰かが抱きついてきた。
「エリナか?」
「良かったよ、良かったよ」
エリナが泣きながら言ってきた。
「エッグ、エッグ」
俺はエリナの頭を撫でながら周りを見たが、周りは暗くて何も見えない。
俺はエリナが泣き止むのを待って質問をした。
「ここは?」
「多分ですけど崖の内側の洞窟かと」
「俺たちはどうやってここに?」
「入り口が海の中にあってそこから入ったんだと思います」
「取り合えず明かりだな」
俺は右手にオーラを集め光らせた。
ちなみにこの光は実体が無いので魔力の消費は抑えられるのだ。
周りはごつごつした岩だ。後ろは海水だ。
「取り合えず、進んでみよう」
エリナにそう言って俺は立った。
「潜って向こうに抜けられませんか?」
俺は首を横に振った。
「分からない、だけど下手に潜って息が続かず溺れるかもしれない」
俺はそう答えて足を動かした。
「なあ、エリナ」
「何ですか」
「手、離してくれないか」
エリナは俺の手を握って離さない。
「嫌です♪あんな目に遭ったんですからこれくらいの我がままは許されると思います」
そう言って今度は腕を絡めてくる。
「エリナ?!」
「行きましょう結城先輩♪」
「ここは…」
そこは明らかに人工物に溢れていた。
「何かの実験場みたいですね」
エリナは俺から離れて机の上にある資料みたいなものを見ている。
「ここは魔王の研究場だった場所さ」
奥から突然声がした。
「誰だ!!」
俺はエリナの前に体を出した庇うように
「待て、今出て行く」
そこに居たのは
「遠山 浩二!!」
そこに居たのは俺を殺そうとした遠山 浩二だった。
「何でお前がここに?」
遠山 浩二は両手を挙げて、敵意が無いことを見せる。
「簡単に言うと、追い込まれた」
遠山がそう言って近づいてくる。俺は直ぐに戦えるように構える。
「心配するな、今の俺はセイクリッドレリックは使えない」
「どういう事だ?」
「追い込まれたって、言ったろ。ここはセイクリッドレリックが使えない魔方陣があって使えない」
「……………」
今、この瞬間からこのチート野郎を殺す絶好のチャンスだ。それがわかってしまうのは都合が悪いのではないか。なのになぜ」
「何でって顔してるな……理由は簡単だお前らの信用を得るためだ」
「?」
「言ったろ、追い込まれたって。ここから逃げるには、お前らの協力が必要だからだ」
「…俺たちが協力する理由がないが」
遠山がニヤリと笑い。
「迷子のお前らを出口まで案内してやる」
「…………」
確かに迷子だ、俺たちは。
しかしこいつに頼って良いものか?
「エリナ、どうすう?」
俺が聞くと
「結城先輩、時間を掛ければここから出られます」
そこで言葉を切り
「遠山さん、ここについて説明してくださるなら、あなたと一緒に行きます」
「契約成立だな」
嬉しそうに遠山が笑う。




