60 夏祭り
そして夏休みの半分が過ぎた。
「喰らえ!!」
俺の手から魔力の弾が飛び出しす。最初の頃に比べて倍近く大きくなった魔力玉。紅の鎧も戦闘なしで一週間纏えるようになり、新しいフォルムも手に入れた。
俺の魔力玉を体で受け止めたカイザーは
「力のほうはドラゴンの力をうまく使えるようになってきた。スピードに振り回されることもないまあいいんじゃないか。」
これならあいつらに勝てるかもしれない。俺はそんな希望を持っていた。
ちなみに今日はこれで修行は一時中断だ。
なぜかというと今日は・・・祭りだ。
そう、今日は湯野に誘われみんなで夏祭りに行くのだ。そんなこんなで、今浴衣をリーゼが着せてもらっている。リーゼもこの短い期間で精霊魔法を使えるようになった。どれくらい強いかは知らないが。
俺も今日は普段着だ。修行中の服装は上半身裸でズボンも短パンだった。なぜかって?服がカイザーのせいで全部燃えるからだ。燃えるたびに着替えたら俺の私服は残っていないだろう。
師匠たちが言うには俺はまだ伸びしろがあるんだそうだ。
俺は限界まで強くならなくちゃな。
駅前で待ち合わせという事になって、俺とリーゼは待ち合わせ場所に十分前にいた。
「暑い」
「人ごみだからな」
リーゼは団扇で扇いでいた。考えることはみんな同じで駅前を待ち合わせにした人が多く非常に込み合っていた。
「ここから人を見つけ出すのは至難の技だな」
俺はそう言ってケータイを出して連絡を取ろうとしたところで
「ちゃんと送れずに来たんだ」
俺はその声に振り返った。
「みんな、久しぶりだな」
俺は雪菜たちに見てそう言った。
「結城も久しぶりだね。リーゼちゃんも久しぶり」
「暑いですわ~」
「人ごみだからね」
そう言ってジュースを飲む、すでにダウン状態の久留巳とエリナ。
「さっさとお祭りの会場に行きましょう」
そう言ってた湯野はさっさとここから抜け出しそうだった。
「そうだな」
俺はそう言ってみんなで祭りの会場に向かった。
近くの神社でやっていた祭りだった。それぞれ女の人は浴衣を着ている人が多かった。その中にうちの女子も入っているのだが。
リーゼは青色の浴衣で、髪は短く結んである。
雪菜は水色の浴衣だ。髪はいつもどうり。
エリナは白の浴衣で長い髪はそのまま。
湯野は黒い浴衣で黒い髪はそのまま。
留美は黄色の浴衣でポニーテイルを解いて後ろで髪を結び垂らしている。少し胸が苦しそうだな。
あ、少しリーゼに睨まれた。俺はそれをスルーして久留巳を見た。
久留巳は特に変化なくメガネがなくなったわけもなく赤色の浴衣を着ていた。
みんなこんな感じで着飾ってきたのだ。
「ねえ、結城なんか言うことがあるんじゃないの?」
湯野は何か期待した目を俺に向けていた。
「みんなかわいく着飾ってきたね」
俺はそれだけ言ってやめてしまった。なんとなく皆さんの不満が伝わるが恋愛偏差値がひどい俺に何を求めているのやら。
俺たちは祭りを楽しみながらゆっくりと歩いていた。
なんだかんだで楽しみながら歩いていると湯野が通行人に当たりこけそうになったのを支えてやる。
「大丈夫か?」
「・・・うん、ありがとう」
湯野は若干顔が赤くなり、うつむいてしまった。
(意外と初心だな)
俺がそんな感想を抱いていると誰かが俺の服の裾を掴んだ・・・リーゼだった。
「どうした?」
「人ごみだ迷子のなると困るから」
「なら手つなぐか?」
俺の提案にリーゼ、雪菜、エリナ、湯野、が反応する。
俺は柄にもなくそんなことを言ってしまったがなんだかかわいくて・・・どうしよ。
結局手をつながずに終わったが色々大変だった。誰が俺と手をつなぐかでバチバチして回りの視線が痛くなり俺がこの案を取り下げたことで何とか収拾が付いたが・・・疲れる俺の一言で色々あるからな。
花火を見るのに飲みのを買うことになったのだが場所の陣取りと飲み物を買う組じゃんけんで分かれたそれで俺と湯野は飲み物を買いに行くことなった。
感想などくれるとうれしいです。くださいお願いします




